【後編】英語で育てるグローバル人材/斎藤裕紀恵さん

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英語で育てるグローバル人材/斎藤裕紀恵さん
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英語学習に必要なのは、目標を持つこと、目標に向かっている自分をモニタリングすること、そしてさらなる目標に向かって自己評価すること。

Q:TOEIC990点、英検1級、国連英検特A級、通訳ガイド英語などの資格をお持ちの斎藤裕紀恵さん。どのように英語と出合ったのでしょうか?

英語が好きになったきっかけは、予備校時代の英語の先生へのあこがれからです。でも、大学では西洋史を専攻、卒業後は証券会社に就職しました。勤めていても、英語の先生にいつかなりたいという気持ちが強かったので、最初は幼稚園児や小学生に英語を教えることから始め、中・高校生、大学生、予備校、社会人と、その範囲を広げていきました。そんな中、少しでも他の舞台で働くために自分をセールスしなくてはと英検やTOEIC、TOEFLと資格を取っていきました。

様々な資格を取得する段階では、NHKのラジオを毎日聞いていました。特にビジネス英会話は毎回すべてdictationしていました。その時は自分の英語学習法が正しいかどうかはわかっていませんでしたけれど。英検1級を受験する時は、英語の単語帳を作りました。ノートを半分にして、日本語と英語を書いて、日本語を見て英語、英語を見て日本語を口にするのです。集中していた頃はA4ノートで30冊くらい単語帳を作っていました。毎日、前の日にやった単語を覚えているかをチェック、1週間前にやったことをチェック、とにかく英字新聞を読んで、わからない英語は全部単語帳に書いていました。

でも、TOIEC990点も英語1級も私にとってはプロセスにすぎません。まだまだ勉強しなくてはいけない段階だと思っています。

Q:英語学習をする時に有効なポイントを教えてください。

斎藤裕紀恵さんの英語との出合い

目標を持つこと、目標に向かっている自分をモニタリングすることがとても大切です。自分の英語学習法をモニタリングしていて、思ったように進んでいないと感じたら、それを訂正し、また進めます。そしてさらなる目標に向かって自己評価することが学習を効果的にします。例えばTOEIC受験後は、次のステップに繋げるためにも、どこが難しかったか、その難しかったことをどのように克服するかといった“self-evaluation”、自己評価をすることがとても重要です。英語教授法を取得して第2言語習得に関して理論的に学んだ今、当時私が実践していたことは、こういうことだったのだなぁと理解しています。大学での授業にも、この英語学習法、自己調整理論に基づいた学習法を実践しています。

タスクを始める前に、まず自分で目標設定をします。その後は、「自分はできる」という自己効力感を持ってタスクを進め、常に分析します。リスニングの場合は、適切なリスニングストラテジーを利用する、苦手な箇所は、投げ出すのではなく、なぜできないかを分析するのです。テストを受けた後は、どこの点数が取れていなかったのかを確認、その理由を分析して、次のテストに繋げます。私もテストの後は、いつも結果を見たくない、逃げたいと思っていますよ(笑)。でもできなかったことから学んで次に繋げることが上達に結びつきます。

ちょっと話がそれますが、有効なリスニングストラテジーについてお話しします。日本人は、リスニングの際に、すべての単語を一生懸命聞こうとします。しかし英語には、冠詞、接続詞、代名詞などの機能語と、動詞、副詞、形容詞といった内容語があって、文脈を理解するには、その内容語を聞くことが重要になります。全部聞こうとすると追いつきません。“and”が聞こえない等と気にせず、内容語をしっかり聞き取るのです。

冠詞が弱く発音されるのは、さほど重要ではないからで、聞き取れないといって止まる必要はありません。実際の会話では、動詞や固有名詞等、重要な単語を聞くことが、何より大切です。

英語教授法の音声学を学習した時に、それまで自分で聞きにくいと思っていた英語が体系的に理解できました。特に英語のリスニングでは、「音」の理解が重要になります。なぜなら英語の話し言葉では音が様々に変化するからです。例えば “get together”のtの子音が重なって1つに聞こえたりする音の脱落現象、“Would you”がdとyouの部分が重なってヂュという音になるような音の同化現象、または”take it easy”のように単語と単語が繋がる連結現象があります。英語の音が話し言葉の中でどのように変化するかを理解できていると、聞き取りやすいですね。

グローバル化とは、英語を使ってコミュニケーションして、相手の背景や文化を学ぶこと

Q: 斎藤裕紀恵さんは、最近の学生がグローバル化をどのようにとらえているとお感じですか?

去年、今年あたりになって、グローバル化に向けて英語が必要と話すと、すんなり学生に届いているなと感じます。私の授業の最初には、TED TalkからJay Walkerのthe World’s English Maniaというビデオを見せています。このビデオでは、「英語は、世界中の問題を解決するための言語になろうとしている」といっているのですが、見終わった後に「英語はどうして必要だと思う?」と学生たちの意見を聞くことから、授業を始めています。たいていの学生は、Jay Walkerのメッセージを納得して、「英語が必要だ」と答えますが、中には否定的に考えられる学生もいて、「英語だけでなく、他の言語を知ることも必要だ。なぜなら、言語は文化とリンクしているから」という意見を述べてくれます。自分なりの意見を持ち、伝える力も、グローバル化に向けて必要な力と理解していると思います。

英語の先生になりたいというある学生が、先日岩手に行って英語を教えるボランティアをしてきたそうです。現場の先生は、コミュニカティブな授業をしていなかったのだけれど、自分は英語で、コミュニカティブな授業をしてきたと話してくれました。感動しました。そういう種まきができて、学生たちが私と同じような思いで動いてくれたことが本当にうれしいです。

Q:「レアジョブ英会話」の活用方法をアドバイスしていただけますか。

「レアジョブ英会話」の活用方法をアドバイス

先生と表面的に会話するのではなくて、先生の向こうにある文化的なことを知ろうとする姿勢が大事だと思います。例えば、画面の向こうにいる先生の周りに何か見えたら、それについて聞いてみてもいいでしょう。先生に興味を持ち、知ろうとすることが、コミュニケーションの達人になる秘訣だと思います。質問上手になることは大事ですね。

英会話は、基本は先生が主体で進んでいきます。だから一方的に質問されることが多いんです。でも、コミュニケーションには、質問する力も必要です。また、相手の話に相づちを入れながら、会話が一方通行にならないようにすることも大切です。教えてもらうのではなくて、英語を使ってコミュニケーションして、相手の背景や文化を学ぶ。それがグローバル化が進む中で必要とされている力の一つです。そう考えると、「レアジョブ英会話」で様々な背景を持った色々な先生とレッスンできるのは、ラッキーなことだと思います。レッスンの前には、必ず質問を用意して、時には先生ではなく自分がイニシアティブをとることも必要ですね。

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