英語学習者がよく迷うポイントの一つに、「~かどうか」を表すifとwhetherの使い分けがあります。両方使える場面もあれば、whetherでしか正しく表現できない場面もあります。
本記事では、基本ルールから試験・ビジネスでの使い分けまで、例文を交えてポイントをまとめています。正確で自然な英語表現を身につけ、文脈に応じて使い分けられるようになりましょう。
基本ルール:「if」と「whether」が使える場面
まずは、「if」と「whether」のどちらも使える基本的な場面を押さえましょう。動詞の目的語節として「~かどうか」を表す場合は両方の表現が文法的に正しく、微妙なニュアンスの違いを理解することがポイントです。
動詞の目的語節での使い分け
動詞の後に「~かどうか」を続けるときは、「if」も「whether」も使えます。口語では「if」、書き言葉では「whether」が自然です。
He asked if / whether I was coming. (彼は私が来るかどうか尋ねた)
I don’t know if / whether she will accept the offer. (彼女が申し出を受け入れるかどうか分からない)
ポイント:会話では 「if」を使う方がスムーズで、聞き手に自然に伝わります。文章や報告書で「whether」を使うと、より正確でフォーマルな印象になります。
口語と文語での印象の違い
同じ意味でも、使う場面によって印象が変わります。前述した通り、口語的には「if」、書き言葉やフォーマル文では「whether」が自然です。
I don’t know if he’s coming. (彼が来るかどうか分からない)
→ 口語的でやわらかい
I don’t know whether he’s coming. (彼が来るかどうか分かりません)
→ 書き言葉・フォーマル
文末のor notの使い方
「~かどうか~ない」と表す場合、文末に「or not」を置くことができます。このときは、「if」と「whether」 のどちらも使えます。一方、文中に置く場合は「Whether or not」だけが自然な使い方です。
I don’t know if / whether he will come or not. (彼が来るかどうか分からない)← 来るかどうか
I don’t know whether or not he will come. (彼が来るか来ないか分からない)← 両方の可能性
✕ I don’t know if or not he will come.(この形は不自然)
○ Whether or not he comes, we’ll start on time. (彼が来るかどうかに関わらず、私たちは時間通りに始める)
✕ If or not he comes…(不自然)
ポイント:「or not」が文末なら「if / whether」どちらでもOK。「or not」を文中に置く場合は 「whether」のみを使いましょう。文頭で「Whether or not」を使うと、文章全体をフォーマルに締める効果があります。スピーチやレポートでも多用されます。
「whether」しか使えない3つの場面と誤用ケース
次に、「whether」しか使えない特定の場面を見ていきましょう。前置詞の後、不定詞の前、文頭などでは 「if」を使うと文法的に誤りになります。
前置詞の後
前置詞の後には名詞(名詞節)しか置けません。そのため、「whether」が必須です。
It depends on whether he comes. (彼が来るかどうかにかかっている)
We talked about whether we should move to London. (ロンドンに引っ越すべきかどうかについて話し合った)
✕ It depends on if he comes.
不定詞の前
「~すべきかどうか」を表す場合も、「whether」しか使えません。
I don’t know whether to go. (行くべきかどうか分からない)
I can’t decide whether to accept the offer. (申し出を受けるべきか決められない)
✕ I don’t know if to go.
ポイント:ここでは「if」を使うと文法的に誤り。試験問題でも注意が必要です。
文頭でフォーマルに述べる場合
文全体を「~かどうか」で始める場合、文頭では「whether」が自然で正解です。
Whether this is true or not remains unclear. (これが本当かどうかは不明のままだ)
Whether we succeed depends on teamwork. (私たちが成功するかどうかはチームワークにかかっている)
米英の使い分け:whetherが好まれる文脈
「if」と「whether」の米英での使用傾向の違いは、言語文化と書き言葉・話し言葉のスタイルの違いによるものです。
アメリカ英語では口語的で簡潔な表現を好むため、会話やカジュアルな文章で「if」が多用されます。一方、イギリス英語では書き言葉やフォーマルな文体を重視するため、「whether」がやや多く使われます。フォーマル文書ではどちらの英語圏でも「whether」が無難です。
I don’t know if he’ll come.(彼が来るかどうか分からない)
→カジュアル・口語的(米英共通で許容)
We are not sure whether he will attend the meeting.(彼が会議に出席するかどうかは分からない)
→ フォーマル・文書寄り(特に英国英語で好まれる)
The outcome depends on whether the project will receive funding.(結果はプロジェクトが資金を得られるかどうかにかかっている)
→ フォーマル文書では米英とも whetherが無難
TOEIC・英検・ビジネス文書で活きる ifとwhetherの使い分け
TOEICや英検、ビジネス文書など、正確さやフォーマルさが求められる場面では、「if」と「whether」の使い分けを理解しておくことが重要です。
TOEIC・英検などの試験での注意
試験問題では「ifでは不正解」となるケースがよくあります。前置詞の後・不定詞の前・文頭は「whether」のみを使用します。
It depends on ___ he accepts the offer. (彼が申し出を受け入れるかどうかにかかっている)
→ whether
I haven’t decided ___ to apply for the job. (その仕事に応募するかどうか決めていない)
→ whether
___ we can finish the project on time is uncertain.(プロジェクトを予定通り終えられるかどうかは不明である)
→ whether
ビジネス文書での使い分け
会話では「if」でも通じますが、文書やメールでは正確さが求められるため、「whether」を使うのが無難です。状況に応じた使い分けを意識しましょう。
Please let us know whether you will attend the meeting. (会議に出席するかどうかお知らせください)
It is not clear whether this plan will be approved. (この計画が承認されるかどうかは不明だ)
The result depends on whether we can secure funding. (結果は資金を確保できるかどうかにかかっている)
話すとき → if(口語的でやわらかい印象)
書くとき → whether(正確・フォーマルな印象)
「if」と「whether」のよくある誤用例
学習者が間違えやすい「if」と「whether」の代表的なケースをまとめました。文法的に不自然になるパターンや、フォーマル文書で誤解されやすい表現を確認しましょう。
前置詞の後で「if」を使う
前置詞の直後には、名詞節しか置けないため、「if」は不自然・誤用です。
✕ It depends on if he comes.
(誤:文法的に不自然)
→ 彼が来るかどうかにかかっている(不自然表現)
○ It depends on whether he comes.
(正:文法的に正しい)
→ 彼が来るかどうかにかかっている(正しい表現)
前置詞の直後は必ず「whether」を使いましょう。口語でも正式な文章でも、このルールは守る必要があります。
不定詞の前で「if」を使う
「~すべきかどうか」を表す場合、「if」は誤用です。
✕ I don’t know if to go.
(誤:不定詞の前では使えない)
→ 行くべきかどうか分からない(不自然表現)
○ I don’t know whether to go.
(正:文法的に正しい)
→ 行くべきかどうか分からない(正しい表現)
試験問題では不定詞の前で「if」を選ぶと不正解になるので注意しましょう。
文頭で「if」を使う
文全体を「~かどうか」で始める場合、文頭では「whether」が正解です。
✕ If this is true or not remains unclear.
(誤:文頭で「if」 は不自然)
→ これが本当かどうかは不明のままだ(不自然表現)
○ Whether this is true or not remains unclear.
(正:フォーマル文書・正確)
→ これが本当かどうかは不明のままだ(正しい表現)
口語と文語の混同
会話では「if」が自然ですが、フォーマルな文章で「if」を使うと印象がカジュアルすぎて不適切です。
✕ Please confirm if you will attend the meeting.
(誤:ビジネスメールではカジュアルすぎる)
→ 会議に出席するかどうか確認してください(カジュアルすぎる表現)
○ Please confirm whether you will attend the meeting.
(正:無難でフォーマル)
→ 会議に出席するかどうか確認してください(フォーマル表現)
ポイント:話すとき=if、書くとき=whetherを意識すると誤用を避けやすいです。
ifとwhetherの使い分けまとめ
最後に、英語学習者が迷わないように、使い分けを整理しておきます。状況に応じて「if」と「whether」を選ぶ感覚を身につけることが重要です。
使い分け早見表
以下の早見表を参考に、「if」と「whether」を使い分けましょう。
| 状況 | if | whether |
|---|---|---|
| 動詞の目的語節 | ◯ | ○ |
| 前置詞の後 | ✕ | ◎ |
| 不定詞の前 | ✕ | ◎ |
| 文頭(主語節) | ✕ | ◎ |
| 会話・カジュアル | ◎ | ○ |
| フォーマル・ビジネス文書 | △ | ◎ |
学習の指針
ネイティブも状況に応じて柔軟に使い分けます。英語学習者は「話すときはif、書くときはwhether」を意識するだけでも、自然で正確な英語表現が身につくでしょう。
・日常会話は「if」でもOK
・正確さ・フォーマルさが必要な場合は「whether」
・迷ったら「whether」を選べば安全
文脈で「if」と「whether」を使い分けよう
英語学習の段階では、まず「誤用を避ける」ことを優先し、フォーマルな場面では常に「whether」を選ぶ習慣をつけると良いでしょう。慣れてきたらネイティブの会話に耳を傾け、どの場面で「if」が自然に使われているかを観察すると、より感覚的に理解できるようになりますよ!
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