英語学習で最初に出会う「be動詞」。でも実は、ただのam/is/areだけじゃないと知っていますか?「be to 構文」や「進行形」「受け身」など文法の要として使われたり、逆に省略されたりと、意外な使われ方もたくさんあります。
この記事では、基本の先にあるbe動詞の「応用」と「省略される場面」の両方をやさしく解説します。
簡単にbe動詞の基本をおさらいしよう
be動詞は、英語学習の最初に登場する基本中の基本。でも「知っているつもり」になってしまいやすい部分でもあります。ここでは、主語との関係や否定文・疑問文の作り方、短縮形など、be動詞の土台となるポイントをおさらいしておきましょう。
be動詞って何?なぜそんなに大事なの?
英語のbe動詞は、「~です」「~にいる」「~にある」といった意味を表す英語の基本動詞です。日本語には同じ形の動詞がないため学習初期の混乱ポイントになりがちですが、英文の骨組みを作る大事な要素です。
たとえば、「私は学生です」は英語で “I am a student.” となり、ここで使われている amがbe動詞にあたります。
主語によってbe動詞の形が変わる!
be動詞には「am」「is」「are」などの形がありますが、それは主語によって使い分けが必要だからです。誰について話しているかによって、正しいbe動詞の形を選ぶ必要があります。
たとえば、「私は」の場合はam、「彼は」の場合はis、「彼らは」なら areを使います。be動詞は「主語とセット」で覚えるのがコツです。
I am a student.(私は学生です)
He is a teacher.(彼は先生です)
They are friends.(彼らは友達です)
否定文を作るときは「not」を入れよう!
be動詞を使った否定文はとてもシンプルです。be動詞のすぐあとに「not」を入れるだけで、「~ではない/~ではありません」という意味になります。
I am not tired.(私は疲れていない)
She is not at home.(彼女は家にいない)
They are not students.(彼らは学生ではない)
日常会話では短縮形もよく使われます。
She isn’t at home.(=She is not at home)
They aren’t busy.(=They are not busy)
I’m not hungry.(=I am not hungry)※ “amn’t” という形は存在しません!
短縮形を聞いて理解できるようになると、リスニング力もアップします。
疑問文はbe動詞を前に出すだけ!
英語ではbe動詞の文を疑問文にするとき、be動詞を主語の前に出すだけでOK。これは、doやdoesを使う一般動詞の疑問文とは違う点です。
Are you ready?(準備できた?)
Is she your sister?(彼女はあなたの姉妹?)
Am I late?(私は遅れている?)
答えるときは、be動詞をそのまま使って返します。
Yes, I am. / No, I’m not.
Yes, she is. / No, she isn’t.
Yes, we are. / No, we aren’t.
短縮形を使いこなすと自然な英語に!
英語の会話やカジュアルな文では、be動詞の短縮形が頻繁に使われます。リズムよく自然に話すための重要なテクニックです。
I’m happy.(=I am happy)
You’re kind.(=You are kind)
She’s a nurse.(=She is a nurse)
We’re ready.(=We are ready)
They’re students.(=They are students)
短縮形に慣れることで話すスピードも上がり、ネイティブの会話を聞き取る力も伸びていきます。また、書くときにも短縮形を使うと、より自然な印象を与えることができます。
「I am」「He is」「They are」など、主語とのペアをしっかり覚えることで、be動詞を正しく使えるようになります。この基本をマスターしておけば、次に解説する進行形、受け身、会話での省略表現などにもスムーズにつながっていきますよ。
実は奥が深い!be動詞の応用的な使い方
英語の中では、be動詞がさまざまな文法表現の「土台」として使われています。進行形や受け身、予定・義務の表現など、知っておきたい応用的な使い方を見ていきましょう。
be動詞+動詞-ingで「進行形」を作る
何かが「今ちょうど行われている」ことを伝えるのが進行形です。be動詞と動詞のing形をセットにすることで、「~しているところです」という意味になります。
She is studying now.(彼女は今勉強している)
I am cooking dinner.(私は夕食を作っているところだ)
They are watching a movie.(彼らは映画を見ている)
このようにbe動詞が現在の「状態」だけでなく、「動作の進行」にも使えるというのが大きなポイント。主語によっては、もちろん be動詞もam/is/areの形で変化します。
be動詞+過去分詞で「受け身(受動態)」を作る
「~される」「~された」といった意味を表す受け身の文でも、be動詞は重要な役割を果たします。be動詞と動詞の過去分詞を組み合わせることで受動態が完成します。
The window was broken.(窓が割られた)
This book is written in English.(この本は英語で書かれている)
The cakes are made by my grandmother.(そのケーキは祖母が作ったものだ)
受け身の文でも、be動詞は主語の時制や数に合わせて変わります。たとえば過去形なら “was / were”、現在形なら“is/are”となります。進行形と同様、be動詞は文全体の「時制」を表すキーになるのです。
be to 構文:「予定」「義務」「運命」を表すフォーマルな表現
英語では、be動詞のあとにto不定詞を続けて、「~することになっている」「~すべきだ」などの意味を表せます。これは“be to 構文”と呼ばれ、ニュースや説明文など、ややフォーマルな場面でよく使われます。
You are to submit the form by Friday.(あなたは金曜までにその用紙を提出することになっています)
The train is to arrive at 6 p.m.(その列車は午後6時に到着する予定です)
He was to become the next leader.(彼は次のリーダーになる運命でした)
“be to”のあとにくる動詞によって、予定・義務・命令・運命などニュアンスが変わります。日本語に訳すと似たように見えても、英語では文脈に応じた解釈が求められる奥深い表現です。
be supposed to:~することになっている / ~すべき
be動詞を使った日常表現の中でも特によく使われるのが「be supposed to」。これは「~することになっている」「~すべきである」という意味を持ち、少し柔らかい義務や予定を伝えるのに便利です。
We are supposed to be there at 8.(私たちは8時にそこにいることになっている)
You’re supposed to wear a seatbelt.(シートベルトを着けることになってるよ)
He was supposed to call me.(彼は私に電話するはずだった)
「~することになっていたのにしていない」という文脈でよく使われるので、ちょっとした注意や不満を表す場面でも登場します。中級者なら日常会話で積極的に使いたいフレーズです。これらの応用表現を知っておくと、ニュースやドラマの中の英語もより深く理解できるようになるでしょう。
えっ、be動詞がない!?省略されるパターン
実際の会話やカジュアルな英語では、be動詞が省略されたり、はっきり発音されなかったりすることがあります。ここでは、「省略されたbe動詞」の使われ方や意味の違いについて見ていきましょう。
口語ではbe動詞が省略されることがある
カジュアルな会話やメッセージのやりとりでは、be動詞が省略されることがあります。文法的には正しくないとされることもありますが、実際の会話ではよく見聞きする使い方です。次のような文はbe動詞を省略した形なので確認しましょう。
You okay?(=Are you okay?)
She your sister?(=Is she your sister?)
We late?(=Are we late?)
Everything all right?(=Is everything all right?)
このような言い方は、親しい間柄やスピーディなやりとりの中で自然に使われます。ただし、フォーマルな場面では避けた方がいいでしょう。
命令文ではbe動詞が文頭に来る
命令文にもbe動詞を使いますが、このときは文の最初に来て、「~しなさい」という意味を持ちます。
Be quiet!(静かにしなさい!)
Be careful!(気をつけて!)
Be kind to others.(人に優しくしなさい)
Be ready at 6.(6時に準備しておいてね)
このように「be+形容詞」や「be+過去分詞」で命令の形になるのが特徴です。“Do quiet!”のようには言わないので注意しましょう。また、「Don’t be late!(遅れないでね)」のように否定形にもなります。
疑問文や省略構文では主語とbe動詞の両方が消えることも!
英語には「主語」や「be動詞」を省略してしまうような構文もあります。これらは主に会話の中で使われ、相手と文脈や共有された情報があるときに成り立つ表現です。
(Are) You coming?(来る?)
(Are) We good?(これで大丈夫?)
(Is) That okay with you?(それでいい?)
(Am) I supposed to do that?(それって私がやることになってるの?)
また、あいさつや呼びかけでも主語やbe動詞は省略されがちです。
Morning!(=It is a good morning! / Good morning!)
All set?(=Are you all set?=準備できてる?)
Not bad.(=That’s not bad.=悪くないね)
こうした省略は、スピード感や自然な流れを重視する英語らしい特徴でもあります。ただし、文章で書くときやフォーマルな場面では使いすぎないように気をつけましょう。
be動詞の有無でニュアンスや印象が変わることも
be動詞を使うか省略するかで、英語の印象は大きく変わることがあります。文の正確さだけでなく、距離感やカジュアルさも左右されるのです。
He is happy.(彼は幸せです)→ 正しい文で、しっかりした印象
He happy?(彼は幸せなの?)→ 親しい会話や確認のニュアンス
He’s happy.(短縮形)→ 会話らしく自然で柔らかい印象
文のタイプによっては、be動詞を使わないと文法的に成り立たない場合もあるので注意が必要ですが、「be動詞の省略=文法ミスとは限らない」ということを知っておくと、英語への理解が一段深まります。
be動詞の省略は文法書には出てきませんが、ネイティブの話し言葉ではごく自然な表現ばかり。正しい文の形をしっかり理解した上で、「省略されることがある」「それでも意味が通じる」という感覚に慣れていくと、英語の運用力がグッと高まりますよ!
be動詞の有無でどう意味が変わる?比較して理解しよう!
be動詞が「ある場合」と「ない場合」で意味やニュアンスがどう変わるかを、実際の文を比較しながら分かりやすく解説します。文法の正しさだけでなく、会話での自然さにも注目してみましょう。
be動詞があると「正確な文」、ないと「カジュアルな印象」に
文法的に正しい文ではbe動詞はしっかり入りますが、カジュアルな会話では省略されることがあります。この違いが、文全体の印象に大きな影響を与えます。
You are tired.(あなたは疲れている)
You tired?(疲れてる?)
前者は完全な文で、書き言葉やフォーマルな会話にも適しています。一方。後者は口語的でラフな印象。親しい間柄や軽い確認の場面でよく使われます。つまり、be動詞を使うかどうかで、「文の正確さ」だけでなく「距離感」や「話し方のトーン」が変わるということです。
疑問文での違い:「Are you~?」と「You~?」
疑問文ではbe動詞があるかないかで、丁寧さや文の完成度が異なります。
Are you okay?(大丈夫?)
You okay?(大丈夫?)
Are we late?(私たち遅れてる?)
We late?(遅れてる?)
文法的には「Are you~?」の方が正しいですが、「You okay?」のような言い回しは親しみやすさやスピード感を重視した会話の中でよく使われます。ただし、英語学習者がメールやプレゼンなどフォーマルな場で使うと、ぶっきらぼうな印象を与えることもあるので注意しましょう。
be動詞があると「事実の説明」、ないと「確認」や「驚き」に
be動詞がある文は情報を「伝える」形になり、be動詞がない文は「確認」や「驚き」のような感情がこもることがあります。
That is your car.(あれはあなたの車です)→ 単なる事実の提示
That your car?(あれ、あなたの車?)→ 驚きや確認のニュアンス
She is your teacher.(彼女はあなたの先生です)→ 情報の説明
She your teacher?(彼女、先生なの?)→ 確認・ちょっと意外な感じ
このようにbe動詞を省くことで、「それ、本当?」といったニュアンスを含んだリアクション的な使い方になることが多いようです。
be動詞のある・なしの違いは「場面」と「関係性」で使い分けよう
どちらが正しい・間違いというよりも、「どんな場面で誰に向かって言うか」によって、be動詞を使うか省略するかを選びましょう。
・ビジネスメールや初対面の相手には、しっかりbe動詞を使った正しい英文を。
・親しい友人やメッセージのやりとりでは、必要に応じて省略してもOK。
・ただし、英語学習者としては、まず「正しい形」を身につけた上で、場面に応じた使い方を知っておくことが大切。
「be動詞を省略できる=英語ができる」というわけではありません。ネイティブスピーカーも文法を理解した上で「崩す」ことができるのです。英語を学ぶ上では、まず正しい文法で「be動詞あり」の文を作れるようになり、そこから「なぜここで省略するのか」「省略したらどう聞こえるのか」を学ぶことが自然な英語への近道です。
be動詞を「知っているつもり」で終わらせない!
be動詞は英語学習のごく初期に登場するため、「簡単」「もう分かっている」と思われがちです。でも実は、英語という言語の骨組みに深く関わる重要な存在です。この記事では、各項目でbe動詞の「表」と「裏」の両面を見てきました。
英文を作るとき、会話を聞き取るとき、さらには書くときにも、be動詞の使い方や省略のされ方を知っておくことで、より自然で伝わる英語になります。
「簡単そうに見えるものほど、奥が深い」――be動詞はまさにその代表例。今後もbe動詞の使われ方にアンテナを張りながら、英語表現の幅を広げていってくださいね!
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