国民の94%がバイリンガル!?なぜオランダの英語力は非英語圏でトップなの?

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オランダと日本は江戸時代から交流があり、鎖国していた時期も唯一交流があった西洋国です。現代の日本には「コップ」「ガラス」「コーヒー」など、オランダ語から日本語になった言葉がたくさんあります。そんなオランダから連想するのは「チューリップ」「風車」「運河」などで、「英語」はなかなか出てこないかもしれませんね。

けれども、オランダは英語を母国語としない国の中で、世界トップの英語力です。

地続きのヨーロッパでは複数の言語を操るのは珍しくありませんが、その中でもオランダの英語力は非英語圏で過去数年トップを守り続けています。

今回は、なぜオランダの英語力が世界ランキングでトップを守り続けているのかを探っていきます!

世界トップのオランダの英語力とは

まず、なぜオランダの英語力が高いのかを探る前に、英語力が高いとされるエビデンスから見ていきましょう。

英語力ランキングで複数年トップに君臨

言語、学術、文化交流、教育、旅行に重点を置いた国際的な教育会社である「EF Education First(本部はスイス)」は毎年、「EF英語能力指数(EF English Proficiency Index:EF EPI)」を発表しています。

1つ目のエビデンスは、オランダが過去数年にわたりこの「EF EPI」でトップにランキングしていることです。EF EPI はEF Education Firstがオンラインで実施する、リーディング力とリスニング力を測る適応型英語テストである「EF 英語標準テスト(EF Standard English Test:EF SET)」を基にして、客観的にスコアづけされた指数のこと。非英語圏の人の英語能力を国別に測定できるため、世界中の国々の英語能力を比較するのに利用されています。

EF EPIでは各国の英語力を、「Very Low Proficiency(非常に低い)」「Low Proficiency(低い)」「Moderate Proficiency(標準的)」「High Proficiency(高い)」「Very High Proficiency(非常に高い)」という5つにレベル分けします。

最新版となる2023年EF EPIでオランダは113カ国の中でトップであり、過去数年にわたりトップの座に君臨しています。

一方、2023年の日本の順位は87位。2021年は78位、2022年は80位であったため、日本の英語力は年々低くなっています。

世界のランキングに興味のある人は、以下のEF EPIのサイトを参照してください。

参考:

EF EPI 2023 – EF 英語能力指数,

EF EPI 2023 – EF English Proficiency Index

オランダ国民の94%がバイリンガル、77%がマルチリンガル

2つ目のエビデンスは、オランダ国民の94%がバイリンガルで、77%が母語の他に2言語以上使うことができるマルチリンガルだということ。

これは2012年の欧州委員会の報告書「Europeans and their languages」で明らかにされています。母国語のみを使う人は6%だけなので、言語能力が高いことがわかりますね。

参考:Europeans and their languages – Publications Office of the EU

日常生活に当たり前のように英語が存在

オランダの英語力の高さを知るエビデンスとして、日常的に英語が使われている点も挙げておきましょう。例えば、英語のテレビや動画コンテンツは、オランダ語への吹き替えなしに英語のまま視聴します。これは子ども向け番組でも同様です。つまり、幼少の頃から自然に英語に触れていることになりますね。

オランダの公用語はもちろんオランダ語ですが、すでに述べたように多くの国民が英語を話せるため、観光客が快適に過ごせる地としても知られています。オランダ語のメニューが読めなくても、店の人に聞けば英語で気さくに説明してくれるでしょう。また、多くの英語ネイティブの間で、「オランダ人は英語が上手」というのが知れわたっているそう。私自身が出会ったオランダの人々も流暢に英語を話す人ばかりです。

世界トップを誇るオランダの英語教育の秘密

オランダの英語力の高さはれっきとした事実ですが、「なぜ」オランダが世界トップの英語力を有しているのでしょうか。ここでは、世界のトップの英語力を身につけることができるオランダの英語教育の秘密を探っていきます。

英語力が高い理由は小学校の英語教育

オランダの英語力が高い理由は、小学校の英語教育にあると言われています。つまり、小学校の英語教育に上達の秘密が隠されているということです。

さっそくオランダの小学校の英語教育について基本的な方針を見ていきましょう。

英語教育の期間と年齢

オランダで英語教育が始まるのは義務教育の初年となる5歳ですが、4歳でも入学可能です。

4歳から9歳までは英語教育が義務化されていませんが、ほとんどの学校で小学1年生から「英語」を第1外国語として取り入れています10歳からは外国語が必修科目となり、ほとんどの学校が「英語」を選択しているようです。

オランダの小学校で英語教育が始まったのは1986年で、すでに40年近い歴史があります。オランダが早くから英語学習に着手した理由の1つは、経済の市場が小さいためにグローバルな視点を身につける必要があったからでしょう。将来的に国際的な環境で活躍する準備ですね。

一方、日本では何でも日本語で完結できたこともあり、本格的な英語学習への着手が遅れたと考えられます。ちなみに、日本の小学校で英語が必修科目となったのは2020年でした。

学校が選ぶ自由な指導方法

オランダでも小学校で英語教育が導入された当初は、日本と同じように高学年からのスタートだったそう。けれども今では、ほとんどの小学校で1年生から英語を教えています。必修科目ではないのにほとんどの小学校で英語を教えているのは、学校が選んだことです。

その理由は、オランダではそれぞれの学校に裁量権を多く持たせる自由が、「教育の自由」として憲法で定められているから。

英語が必修科目となるのが10歳というのはあくまでも目安。小学何年生で英語教育を始めるのかは学校の裁量となり、学習指導要領で示されたバリエーションから自由に選択するそうです。

また、カリキュラムも指定されず、それぞれの学校が学習指導要領にそって内容も方法も自由に選択します。

オランダの英語教育の特徴

最後に、最も興味深いオランダの英語教育の特徴について見ていきます。

英語教員のレベル

オランダで教員育成コースに入学する場合、外国語の習得状況を示すガイドラインである「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」のB2レベルが必要です。ちなみにB2はネイティブと専門分野の技術的なトピックで議論ができるレベルです。つまり、それなりの英語力がないと、教員育成コースには入学できないということ。

これは英語の教員だけでなく、すべての教員育成コースに入学する人に当てはまることとなるため、オランダの教員は中上級者レベル以上の英語力を有しています。流暢な英語を話す教員が指導にあたることは重要なことですね。

参考:CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠) | ブリティッシュ・カウンシル

楽しさを重視する授業

低学年の英語教育は、ゲームや歌、物語などを通じて子どもたちが「楽しさ」を感じることを重視。このようなアクティビティを通じて、英語の基礎を身につけていきます。

また、音読も重視。大きい声で読むことは子どもの脳を効果的に活性化させることができるそう。言語を司るのは左脳ですが、オランダの教科書は視覚や聴覚を司る右脳も刺激するようにカラフルに作られています。

基本的には高学年も同様ですが、教科書の表紙にポップシンガーが使われるなど、生徒の関心を自然に引き寄せています。学校によっては動画コンテンツやポップソングを活用して授業を進めることもあるそう。学習というより、英語を使っての遊びの延長という印象です。

コミュニカティブなアプローチ

オランダの英語教育はコミュニカティブなアプローチに基づいているため、言語を使ってコミュニケーションをとることが重視されます。会話能力の向上が重要となるので、文法的な間違いを気にすることなく、とにかく話すことが推奨されるそう。間違いを恐れずに話すのは言語を習得するうえで重要ですから、日本人も見習いたいところですね。

小学校卒業でCEFR A-1またはA-2レベルに

オランダの小学校では、卒業までにCEFRのA-1またはA-2レベルに到達するよう指導します。A-1はよく使われる日常的表現と基本的な言い回しが可能なレベルで、A-2は基本的な日常会話が可能なレベルです。

要するに小学校を卒業するまでに、基本的な日常会話を身につけるということ。小学校で基本的な英語スキルを獲得した後、中学校でより高度な言語スキルを身につけます。

オランダの英語教育を知って英語を話してみたくなったら

世界トップの英語力を有するオランダには、プログレッシブな小学校の英語教育が存在します。オランダ人の言語能力が優れているのは持って生まれたものではなく、小学生から長い時間を費やした結果です。結局のところ、英語力を高めるためには、コツコツと英語を使い続けるしかないということでしょう。

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