「get」「have」「take」などと並んで、日常会話でよく使われるのが「make」です。「make」はさまざまな名詞と組み合わせることで、たくさんの異なる意味の表現に変わります。「作る」という基本の意味だけにとらわれていると、イディオムを目や耳にしたときに、なかなかその表現が意味するものをイメージできません。
今回は「make」で始まる日常会話でよく使うフレーズを解説します。それぞれの意味と使い方を学び、英語表現力をアップさせましょう。
makeを使った頻出イディオム一覧
今回学習する語彙は次の24個です。
行動、努力、決意に関するフレーズ
| make a point (of doing something) | 必ず(〜するように)する |
|---|---|
| make an effort | 努力する |
| make a move | 行動を起こす |
| make time (for) | (〜のために)時間を作る |
| make up one’s mind | 決心する |
| make it happen | 実現させる |
人間関係、感情に関するフレーズ
| make fun of | 〜をからかう |
|---|---|
| make up (with someone) | (〜と)仲直りする |
| make friends (with someone) | (〜と)友達になる |
| make someone’s day | 〜を嬉しい気持ちにさせる |
| make yourself at home | くつろぐ |
状況、状態、変化に関するフレーズ
| make a big deal (out of something) | 大げさにする |
|---|---|
| make up for something | 〜の埋め合わせをする |
| make a scene | 騒ぎ立てる |
| make sense | 意味が通じる、納得できる |
| make one’s head spin | 頭が混乱する |
| make waves | 反響を呼ぶ、波風を立てる |
| make something from scratch | 〜を一から作る |
| make a living (by something) | (〜で)生計を立てる |
| make a mess | 散らかす、混乱させる |
| make a difference | 影響を与える |
| make the cut | 選抜に残る |
| make an exception | 例外を設ける |
| make do (with something) | (〜で)間に合わせる |
どれも日常英会話で頻出フレーズです。リズムに合わせて声に出すと覚えやすいですよ!
行動、努力、決意に関するフレーズ
行動、努力、決意に関するフレーズは、一覧の中に6個です。例文を参考にして紹介します。
| make a point (of doing something) | 必ず(〜するように)する |
|---|---|
| make an effort | 努力する |
| make a move | 行動を起こす |
| make time (for) | (〜のために)時間を作る |
| make up one’s mind | 決心する |
| make it happen | 実現させる |
make a point (of doing something) 必ず(〜するように)する
あることを意識的に、あるいは意図的に行うという意味です。ここでのpoint は文字通りの「ポイント」ではなく、重要なことや意識的に行うことを指します。特定の行動を決意を持って意識的に行ったり、習慣化することを意味します。「これをやることに決めた!」というニュアンスです。
She makes a point of jogging every morning.(彼女は毎朝ジョギングを欠かさない。)
I always make a point of saying thank you.(私はいつも「ありがとう」と言うようにしている。)
make an effort:努力する
何かを達成するために力を入れて取り組むと言う意味です。effortは努力を意味する名詞ですが、effortを作り出す、時間やエネルギーを使って意識的に行動することを指します。何かに挑戦するときに使います。
He made an effort to learn English.(彼は英語を学ぼうと努力した。)
make a move:行動を起こす
ここでいうmoveは物理的な動きというよりも、次のステップに進む、つまり精神的なものや社会的な行動、決断を指します。第一歩を踏み出すことに使うことが多い表現です。
I guess it’s time to make a move and change my job.(そろそろ行動を起こして転職するときかもしれないな。)
make time (for):(〜のために)時間を作る
忙しい中でも、意識的に時間を作り出すことを意味します。対象は人も物も両方に使えます。
I’ve been swamped, but I’ll make time for you tomorrow.(忙しくしているけど、明日は君のために時間を作るよ。)
I manage to make time for my hobby.(なんとか趣味のための時間を作っている。)
make up one’s mind:決心する
心を整える、つまり迷いを断ち切って決断を下すという意味です。
I still haven’t made up my mind if I should accept the offer.(オファーを受けるべきかどうかまだ決心がついていない。)
make it happen:実現させる
それを実現する、という文字通りの意味です。モチベーションを高める言葉として自己啓発などでよく使われますが、友人同士で旅行の話をしているときに「ぜひ実現させよう」といった場合にも使えます。
Don’t just talk about it, make it happen!(語っているだけじゃなく、それを実現しよう!)
人間関係、感情に関するフレーズ
makeを使った人間関係、感情に関する日常英会話でよく使うフレーズは、5個あります。
| make fun of | 〜をからかう |
|---|---|
| make up (with someone) | (〜と)仲直りする |
| make friends (with someone) | (〜と)友達になる |
| make someone’s day | 〜を嬉しい気持ちにさせる |
| make yourself at home | くつろぐ |
make fun of:〜をからかう
誰かをネタにして楽しむ、つまりからかったり笑いものにすることを意味します。軽い気持ちで意図的にからかう行為を指しますが、シチュエーションによってはネガティブな意味で使われることもあります。
Stop making fun of me!(私をからかうのをやめて!)
(このフレーズを相手が笑いながら言っているのであれば本人も面白がっている軽いノリで、怒っている場合はからかいの度が過ぎていたり、傷ついていたりする)
They always make fun of his accent.(彼らはいつも彼のアクセントをからかっている。)
(こういうケースはネガティブな意味合いが強いことが多い)
make up (with someone):(〜と)仲直りする
友達や家族と喧嘩したり、意見や考え方、価値観の違いで仲が悪くなることもあるでしょう。このイディオムはそのような状態から関係を修復するための行動を意味します。make upは何かを作り上げたり整えることで、壊れた関係を修復して新しく作り直すというイメージです。
Let’s make up.(仲直りしようよ。)
It took a while, but eventually, she made up with her sister.(時間はかかったが、やがて彼女は妹(姉)と仲直りした。)
make friends (with someone):(〜と)友達になる
友達を作ること、特に初対面の人と親しくなるという意味の表現です。
It’s not easy to make friends.(友達を作るのは簡単ではない。)
I made friends with Sarah.(サラと友達になった。)
make someone’s day:〜を嬉しい気持ちにさせる
誰かの1日を作る、というすごくドラマチックな表現ですが、誰かにとって特別な行動をした場合に使います。感謝を表すフレーズとして非常によく使われるので、ぜひ覚えておきましょう。
You made my day!(本当に嬉しい! ありがとう!)
Her surprise visit made her grandma’s day.(彼女のサプライズ訪問で彼女の祖母は本当に幸せな気持ちになった。)
make yourself at home:くつろぐ
ホスピタリティのある表現で、相手に安心感を与えるフレーズとして覚えておきたいひとことです。「自宅のようにくつろいでください」という意味で、相手を出迎えたときに使います。
Come in and make yourself at home!(どうぞ入ってゆっくりしてね!)
状況、状態、変化に関するフレーズ
makeを使った状況、状態、変化に関する日常英会話でよく使うフレーズは、13個です。
| make a big deal (out of something) | 大げさにする |
|---|---|
| make up for something | 〜の埋め合わせをする |
| make a scene | 騒ぎ立てる |
| make sense | 意味が通じる、納得できる |
| make one’s head spin | 頭が混乱する |
| make waves | 反響を呼ぶ、波風を立てる |
| make something from scratch | 〜を一から作る |
| make a living (by something) | (〜で)生計を立てる |
| make a mess | 散らかす、混乱させる |
| make a difference | 影響を与える |
| make the cut | 選抜に残る |
| make an exception | 例外を設ける |
| make do (with something) | (〜で)間に合わせる |
make a big deal (out of something):大げさにする
big dealは重要な出来事や大きな問題という意味で、make a big dealは何かを過度に重要視して大げさにすることを指します。「大したことではないのに大きな問題にする」というニュアンスです。
Don’t make a big deal out of nothing.(何でもないことに騒ぎ立てないで。)
make up for something:〜の埋め合わせをする
時間やお金、努力など足りないものを補填したり、失敗を償う、遅れなどを取り戻す、といった意味で使われます。make up withは、対象が人で壊れたもの(=関係)を修繕したり、新たに作り上げるイメージですが、forは対象が物になり、何かに対して、何かのために、という意味に変わります。
It took some time, but finally, she made up with her best friend.(時間がかかりましたが、最終的に彼女は親友と仲直りしました。)
Sorry, I can’t join your birthday party, but I’ll make up for it!(ごめん、誕生日パーティに行けないから、埋め合わせするね!)
I studied hard to make up for missing some classes.(休んだ授業の分を取り返すために、一生懸命勉強した。)
make a scene:騒ぎ立てる
シーンを作る、つまり人前で騒ぎたてることを意味します。公共の場で感情を爆発させ、周囲の注目を集めることです。
She made a scene when she saw her boyfriend walking with another girl.(彼女は彼氏が他の女の子と歩いているのを見て大騒ぎした。)
make sense:意味が通じる、納得できる
物事が論理的で理解しやすい場合に、「I understand.」の代わりに使われることが多いのが「It makes sense.」です。「理にかなっていてよくわかったよ」というニュアンスの言葉です。「なるほどね、よくわかったよ」という気持ちを伝えたいときのフレーズに、「I see your point.」 「 It’s reasonable.」「That figures.」などがあります。相槌を打つ時のバリエーションも覚えておくと表現の幅が広がります。
His explanation finally made sense.(彼の説明がやっと理解できた。)
Does that make sense to you?(わかる?)
make one’s head spin:頭が混乱する
頭をぐるぐると回す、つまり混乱してクラクラしている様子のイメージです。例えば、あまりに速いスピードで何かが起こっていたり、びっくりするぐらい複雑な状況のときに使います。
The amount of work I have to do today is enough to make my head spin.(今日やらなければ行けない仕事の量は、頭がクラクラするほどだ。)
The plot twist in the movie made my head spin!(映画のストーリーのひねりが(複雑過ぎて)頭が混乱した。)
make waves:反響を呼ぶ、波風を立てる
波を起こす、つまり注目を集めるような強い影響を与えることを指します。
His controversial speech made waves in the media.(彼の物議を醸し出すスピーチはメディアで大きな反響を呼んだ。)
make something from scratch:〜を一から作る
from scratchは、「ゼロから」「一から」という意味で、make something from scratchで既存のものを使わずに最初から完全にて手作りすることを指します。例えば料理をレトルトや缶詰のソーシに頼らず生の材料で一から作ったり、すでにあるコードを使わずにプログラムを書いたり、板の状態から家具を作ったり、といった場合に使います。日常で割と役立つ表現です。
I made the sauce from scratch using only fresh ingredients.(生の材料だけを使ってソースを一から全部作った。)
make a living (by something):(〜で)生計を立てる
livingは生活や生計を意味する名詞です。生活・生計を作る、つまり働いてお金を稼ぐことを意味し、職業や収入源について話すときによく使われます。
She makes a living by teaching Japanese online.(彼女はオンラインで日本語を教えて生計を立てている。)
make a mess:散らかす、混乱させる
messはぐちゃぐちゃに散らかっている状態や、抽象的な出来事の混乱を意味する単語です。物理的に汚す場合と、状況をややこしくする場合の両方に使えます。
Don’t make a mess in the living room!(リビングを散らかさないで!)
(親がよく子どもにいうフレーズ)
Poor project management made a huge mess of the timeline and budget.(ずさんなプロジェクト管理が、スケジュールと予算をメチャクチャにしてしまった。)
make a difference:影響を与える
ボランティア団体や有名ブランドのスローガンや広告などでよく目にする表現なので、馴染みがある人も多いでしょう。違いを作る=影響を与える、という意味で、特にポジティブな変化に対して使われます。
同じ「影響を与える」という意味のイディオムで「make an impact」がありますが、こちらは社会や相手に強烈な印象を残したり、影響を及ぼすことを指します。make a differenceはポジティブで道徳的な意味合いが強い「影響」を意味しますが、make an impactは衝撃や目に見える変化が強調され、独特な意味合いも弱く、ポジティブにもネガティブにも使えわれるという違いがあります。
Even a small act of kindness can make a difference.(たとえ小さな親切も大きな影響になることがある。)
Her passion and dedication to education made a difference to students.(彼女の教育への情熱と献身は生徒たちに大きな影響を与えた。)
The new technology made a significant impact on the industry.(その新技術は業界に大きな影響を与えた。)
The scandal made a negative impact on his reputation.(スキャンダルは彼の評判にネガティブな影響を及ぼした。)
make the cut:選抜に残る
オーディションや採用試験、コンペなど競争の中で、「選ばれる」「選考を通過する」という意味で使われます。このフレーズは、スポーツで予選を通過して本選に出場できない選手をcut(基準で除外する)ことからきていて、その基準に達して生き残ることを指しています。
Only 10 out of 1000 applicants made the cut for the scholarship.(応募者1000人のうち10人だけが奨学金の選考に通った。)
make an exception:例外を設ける
exceptionは例外という意味の名詞で、通常のルールを一時的に変えて、特例を認める、特別扱いをする、という意味で使います。
We normally don’t accept late submissions, but we will make an exception this time.(通常は遅れての提出は受け付けませんが、今回は特別に認めます。)
make do (with something):(〜で)間に合わせる
ここでのdoは「なんとかする」のニュアンスで、make doは「我慢しながら工夫してなんとかやる」という意味です。必要なものが足りない時にありあわせのもので間に合わせる場合などに使います。
I was out of cream, but I made do with milk.(クリームが切れていたが、牛乳で間に合わせた。)
He had no proper tools to fix the table, but he made do with what he had.(彼はテーブルを修理するきちんとした道具を持っていなかったが、なんとかありあわせのものでやりくりした。)
練習問題:穴埋め問題に挑戦!
最後に、学んだ語彙の理解度のチェックとして穴埋め問題を解いてみましょう。
穴埋め問題
次の会話文の括弧()に適切な語彙を入れましょう。括弧()には3語〜6語の言葉が入ります。答えと和訳は問題の後にあります。少し難しいと感じるかもしれませんが、お時間があればぜひ復習を兼ねてトライしてみてください。
A: Hey, are you coming to Keiko’s party tonight? I ( 1 ) showing up.
B: Hmm, I’m not sure. I have a lot of assignments and I really need to ( 2 ) to finish them. That professor’s class is really tough. The content is so difficult, and it ( 3 ).
A: I know what you mean. I took his class last semester. By the way, have you ( 4 ) Reiko after that fight you had?
B: Yeah, we talked the other day. We admitted we were both wrong and apologized to each other.
A: That’s good! Sorry to say this, but I personally thought it was a stupid fight, and it’s not something to ( 5 ) .
B: Exactly. Well, I should start working on my assignments. Tell Keiko that I’m sorry I can’t join her party and I will ( 6 ) some time next week.
A: Sure. It’s too bad you can’t join, but maybe next time! Good luck on your assignments!
B: Thanks. I’ll see you tomorrow.
問題が解けたら答え合わせをしましょう。答えと和訳を見て、理解度チェックをしてください。
(答え)
- make a point of 2. make an effort 3. makes my head spin 4. made up with 5. make a big deal out of 6. make up for it
(和訳)
A: ねえ、今夜恵子のパーティーに来る?私は行くことにするけど。
B:うーん、わかんない。宿題がたくさんあって、頑張って終えないとなんだよね。あの教授の授業、本当に大変。内容がめちゃ難しくて、頭がクラクラする。
A:わかるよ。前期に彼のクラスを取ったから。話は変わるけど、あの喧嘩の後、玲子と仲直りしたの?
B: うん、先日話した。お互い悪かったし、謝り合ったんだ。
A: 良かった!こんなこというのもなんだけど、個人的にあれはくだらない喧嘩で、大騒ぎするようなものじゃないと思ったんだよね。
B:本当に。じゃあ、宿題やらないとだから。恵子に私が参加できなくてごめん、来週のどこかで埋め合わせするって伝えてね。
A: わかった。あなたが来れないのは残念だけど、また次回!宿題頑張ってね。
B: ありがとう。また明日ね。
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