アクティブ・リコールで英単語を記憶に定着させよう

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Active recall(アクティブ・リコール)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「active(能動的)にrecall(思い出す)」という意味で、何かを記憶するときに単なる丸暗記で終わらせず、使いながら思い出していくことで記憶に定着させる学習法です。科学的に効果が証明されているこの方法を英語学習に用いて、英単語やフレーズを効率よく覚えていきましょう。TOEICテストなどの試験対策としても効果的です。

そもそもアクティブ・リコールとは?

「アクティブ・リコール」という言葉になじみがない人も多いかもしれませんが、さまざまな研究者が実験を重ね、海外の学校の教育現場で取り入れられている学習法です。まずは基本的な知識を身につけておきましょう。

丸暗記で終わらせない

英単語を覚えようとするとき、「英単語を見てその意味が言えるようにする」「日本語を見て英語を言う」という勉強法を取っていませんか?この場合、しばらくすると「あっ、思い出せない」といって最初から覚え直す、ということになりかねません。いったん覚えた単語は使ってみる。このプロセスを入れることで、単語はグンと記憶に定着しやすくなります。

アクティブ・リコールは科学的に証明されている

アクティブ・リコールに関しては、海外の研究者たちがさまざまな実験を行っています。それによると、単語の意味を何度も見たり蛍光ペンで印をつけたりといったことをして脳に記憶させても、やがてそれは短期記憶として失われていってしまいます。

しかし、一度覚えた記憶を引き出して何度も繰り返し使うことにより、それは重要な情報として認識され、長期記憶に変わります。つまり、一度「覚えた」と思った単語を自分で使ってみる、さらにそれを繰り返すことによって、いつまでも残る記憶となるのです。

アクティブ・リコールを実践するには

「覚えた」と思ったところで安心してしまわず、学習の中に、それを使うプロセスを「繰り返し」取り入れるようにしましょう。どのような学習法に効果があるのか、次にいくつか例を紹介します。一人でも実践できるので、自分にとって始めやすいものから取り組んでみましょう。

実践A:自分でテストを作ってみよう

学校で単語の小テストを受けたように、アクティブ・リコールを実践するため、問題を作るところから自分でやってみます。覚えたい単語を集中的に取り出してみましょう。

1) 単語を選ぶ

単語帳や英語のニュースなどを見ながら、覚えにくいと思われる語を見つけ、書き出していきます。品詞もつけておくといいでしょう。

concern (名)心配、懸念
perception (名)知覚、認識
stimulate (動)刺激する

2) テストを作る

意味のところを空欄にして、改めて書き出します。パソコンやスマートフォンを使ってテスト帳を作るのもいいでしょう。

concern (名)__________
perception (名)__________
stimulate (動)__________

3) 間隔を空けて何度も挑戦

1日おき、3日おき、1週間おきと、間隔を空けて何度も繰り返し解いてみます。 短時間、短期間で引き出すこと により、記憶が定着していきます。単語の意味が書き出せるようになったら、日本語を書き出してそれを英語にする練習をしてみてもいいでしょう。

実践B:覚えた単語を使って表現してみよう

英単語を使って文を作る練習をします。ここで大切なのは、自分で考えたことや自分の体験に基づいて独り言をいってみたり、書いたみたり表現すること。その単語を自分のものとして使いこなせるようになります。

1) 単語を見ながらイメージをふくらませる

単語を見てまっさきに何が思い浮かぶか考えてみましょう。頭の中で思い浮かべるだけでもかまいません。

concern(名)心配、懸念⇒「今一番心配なのは、次のプレゼン」

2) 自分なりに英語にしてみる

思い浮かんだことを、自分なりに英語にして書いてみます。

Currently, my biggest concern is the next presentation.
(今一番心配なのは、次のプレゼン)

3) アプリで添削する

英文添削アプリなどでチェックしてみます。

自分で作った文の下に添削された文も書いておいて、後から読み返すようにしましょう。

自分の文:Currently, my biggest concern is the next presentation.
(今一番心配なのは、次のプレゼン)
添削された文:
My biggest concern right now is the next presentation.

実践C:要約して、人に説明してみよう

英語の文章を書き写すという学習法がありますが、単に書き写すだけでなく、それを要約すると、より脳が刺激され、書かれていることが記憶に残りやすくなるようです。さらにそれを人に説明する機会を持つと、より学習効果がアップします。

1) 英語の文章をよく読む

インターネットのニュースやブログなど、自分が興味あるものを読んでみましょう。知らない単語は調べ、いったんしっかりと意味を把握します。

例:レアジョブ Daily News Article
https://www.rarejob.com/dna/
世界の気になるニュースを日々更新。コンパクトにまとまっていて、単語の注釈もあります。

2) 要点を把握する

英語の文章が何を言おうとしているか、頭の中でまとめてみます。例えば、デンマークで始まった、持ち帰り用コーヒーカップをリサイクルする試みについての記事に、次のような一節があります。

“When you buy your coffee, you get the possibilities to buy a reusable cup. Then you pay five kroner,” explains Go’ Kaffe manager, Martin Agger. “When you have (drank) your coffee, you can leave it in one of the deposit boxes and get your money back.”
(「コーヒーを買うときに、再利用可能なカップを手にすることになります。このときクローネ払います」とGo’ Kaffeのマネジャー、マーティン・アッゲルは説明します。「コーヒーを飲んで、回収箱にそれを置いていくと、お金が戻ってきます」。
https://www.rarejob.com/dna/2024/02/28/danish-city-tackles-single-use-trash-with-first-of-its-kind-deposit-scheme/

⇒要点:「コーヒーカップを返すとお金が戻ってくるんだな」

3)要点を自分なりに英語にしてみる

元の英文の表現も参考にしながら、要点を英語で書き出してみます。

You get your money back if you leave the coffee cup in the deposit box.
(コーヒーカップを回収箱に置いていくとお金が戻ってくる)

自信がなければ、英文添削アプリでチェックしてみてもいいでしょう。

4) 人に説明してみる

自分で書いてみたことを、人に説明するつもりで口に出して言ってみます。「内容を思い出しながら話す」という行為を取り入れることで、英文がより記憶に残りやすくなるでしょう。例えば、こんなふうに説明してみてください。

Coffee shops in Denmark have started something new for recycling. You get your money back if you leave the coffee cup in the deposit box.
(デンマークのコーヒーショップが、リサイクルのために新しいことを始めたんです。コーヒーカップを回収箱に置いていくと、お金が戻ってきます)

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1人で口に出して言ってみるだけでなく、実際に説明する相手がいるといいですね。相手の反応を得ることでより刺激的な体験となり、使った英語がより深く長く記憶の中に残るはずです。

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