TOEICと異文化コミュニケーションで英語を磨けば最強です!/ロバート・ヒルキさん

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恰幅がよくって、いっけん強面。でも話してみると、すごく笑顔がすてきで、とってもチャーミングなロバート・ヒルキ先生。「TOEICテストのスコアアップ請負人」として企業研修やメディアにも引っぱりダコのヒルキ先生に、どうすればTOEICで高得点が獲得できるか、さらにどうすれば英語をうまく話せるようになるか、いろいろおたずねした。また、先生がTOEICと並行して精力を注いでいる「異文化コミュニケーション」教育のほか、レアジョブ英会話についても、お話しいただいた。

37年前の初来日では鬱寸前に!?

Q: ヒルキ先生ご自身のことをまず聞かせてください。来日のきっかけは?

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大学院生のころ、日本人留学生の世話をする小さな会社を経営していました。学生を募ってもらう旅行代理店に会いに初めて日本にやってきました。1978年、 昭和53年です。ずいぶん昔のことです。

来日してまず感動したことは、コンビニの店員の方が「いらっしゃいませ」、「ありがとうございます」と挨拶してくれたことです。とても新鮮でした。

でも、ショックを感じたこともあります。たとえば、タクシーの運転手さんは、私を全然乗せてくれませんでした。外国人である私の顔を見るとサっと行ってしまいました。あと、混雑した電車でも、私の隣りには誰も座りません。これは今でもよくあります。今はこの状況を客観的に受け止められますが、あのころはショックでした。

当時、上智大学で、ロバート・バルーン(Robert Ballon)教授のコースを履修していました。そのバルーン先生が、大学のカフェテリアで涙が出るほど悲嘆にくれていた私を見て、どうしたんだい、とやさしく声をかけてくれました。

もっと長く日本で暮らしてみたいですが、つらいです、国に帰りたいです、とわたしは正直に先生に話しました。すると先生は、「客観性を持ちなさい」とアドバイスしてくれました。そう言われて、「タクシーの運転手さんはなぜ乗せてくれなかったんだろう?」と、わたしは冷静に考えてみました。

37年前の東京を想像してみてください。当時は日本語を話す白人といえば、ケント・ギルバートぐらいでしたね(笑)。電車の隣が空席なのも、私の身体がとても大きいとか(笑)、外国人に話しかけられたらどうしようとか、日本人のみなさんはいろいろ心配になったのかもしれない。そんなふうに日本人の気持ちを客観的に考えてみることができたことで、気持ちを落ち着かせることができました。客観的に物ごとを考えられない思いを経験したのは、とてもいいことでした。今は日本人のみなさんが海外に赴任する前の研修を担当することがよくありますが、そこでその頃の自分の経験を交えて話すことができるのです。

TOEICテストと異文化コミュニケーションが2本柱

Q:TOEICテストの「スコアアップの請負人」として広く知られるヒルキ先生ですが、そもそもなぜTOEICを教えるようになったのですか?

テストには常に興味がありました。私自身、テスト全般が得意だったんですね。最初はTOEFLを指導しました。 74年か75年ですね。アメリカで大学院生だったころです。アメリカの大学に進学を目指す準備コースで教えていて、生徒の多くは日本からの留学生でした。そこで多くの日本人と友達になり、日本について色々教えてもらいました。

85年からICUでTOEFLを教え始めるようになってから、TOEICにも興味を持つようになりました。TOEICが誕生する79年までビジネスパーソンを対象としたよいテストはありませんでした。85年でもまだTOEICは新しいテストでしたから、自分で情報を集めて教え始めました。TOEFLも人気がありましたが、就職活動の学生にTOEICのスコアをたずねる企業も増えていたので、このテストの需要が高まっていたのです。

Q:最初は、ICUで大学の授業の一環としてTOEICを教えられたんですね?

はい、English Language Programの一環として教えていました。ICUは最初の2年間で、英語はもちろん、ウェスタンレトリックや議論の仕方などをみっちり教えるんです。素晴らしいプログラムを教える一員になれて光栄でした。

15年ほど前は、ほとんど誰も、人材開発分野の人ですら、異文化コミュニケーションをビジネスに結びつけることを考えていませんでした。異文化交流で楽しい思いをしたとしても、それが仕事に直結するという意識はなかったのです。でも、今世紀に入ったあたりから、トヨタ自動車を筆頭に重要性を認識し始める企業が出てきました。

異文化コミュニケーションがわかるとどんな得が?

Q:なぜ変わり始めたのでしょうか?

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あなたがトヨタの社員であるとしましょう。世界一のエリート企業にいて仕事のスキルもある。国内であれば、言葉や常識やビジネスの仕方などが同じですから、100%自分の能力を発揮できる。でも、海外へ行って仕事をするとなると、言葉の問題だけなく、異文化コミュニケーションを理解していないことによって、自分の能力を完全に発揮できない。これは大きなその人にとっても、企業にとっても、まったくいいことではありません。異文化コミュニケーションを学ぶことで、海外赴任する社員の生産性をアップさせられるし、コストの節減にもつながると、トヨタはいち早く考えたのです。

そして私は、日本人が異文化コミュニケーションを学ぶ手段として、TOEICテストが効果的であると気づいたのです。ビジネス英語をバランスよく学べるし、時間をかけて勉強すれば、それだけ効果が出る。日本人のみなさんにこのテスト対策をしてもらうことで、異文化コミュニケーションの大切さも知ってほしいと思いました。

こうして私は、日本人向けの効果的なTOEIC対策に取り組みました。最初はすべて一人で行っていましたが、仲間も生まれました。ヒロ前田さんをご存知ですか? もともとアルクの社員だった彼は、当時私のTOEICセミナーの担当者だったんです。セミナーのたびにTOEICについて語り合いました。私への質問があまりに洗練されていたので、「君も教えられるよ」と言ったんですね。独立してTOEICを教える講師となった前田さんは、今では私より有名です(笑)。前田さんは私の優秀なビジネスパートナーでもあります。ヒロ前田さんと2人でTOEIC対策のメソッドを作り上げ、多くの人のスコアアップに貢献することができました。

ヒルキ・メソッドが効く人、効かない人がいる!?

Q:パート別の時間配分からスコアアップのための語彙力増強法など、有名なヒルキ・メソッドは長い期間をかけて生まれたわけですね?

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はい、そうです。最近気付いたのは、私のメソッドはTOEIC470点ぐらいのスコア層の方に最も効果があるということです。この人たちは200〜250点のスコアアップが、時にはそれ以上点数を上げることが期待できます。

でも、450点以下の人たちの場合は、そこまで劇的なスコアアップは期待できないかもしれない。ただし、450点以下の人でもaptitudeがある人は大きく伸びる可能性があります。aptitude はability to learnのことです。ただ、外国語習得に関してaptitudeがそれほどなく、スコアがまだ低いという場合は、日本人の先生の助けがまず必要だと思います。

中級者、上級者がTOEICスコアをアップさせるには?

Q:では、レベル別にTOEIC学習へのアドバイスをお願いします。

中級者はヒルキ・メソッドを学ぶといいでしょう。必ずしも私のメソッドである必要はありませんが、ヒルキ・メソッドなら 200ポイントほどアップできます。

Q:参考書をたくさん出されていますが、中級者向けにはどの1冊がお勧めですか?

アルクの「新TOEICテスト 直前の技術」を薦めます。これまでに約30万部売れています。

次は上級者ですが、ハイレベルでは、本格的な、実際のテストよりも難しいTOEICの問題でトレーニングを重ねる必要があります。ネクストバッターズサークルで、野球の重いバットを振るのに似ています。お勧めの教材としては、研究社から出ている「頂上制覇」シリーズです。このシリーズは、TOEIC SWテスト(スピーキングテスト/ライティングテスト)対策本も含めて全6冊からなりますが、TOEICテストを総合的に学習できます。900点を目指すなら、このシリーズの問題を繰り返し解けばいいでしょう。

Q:TOEICテストだけでなく、アウトプット(スピーキングとライティング)をはかれるテストも受けるべきでしょうか?

はい、そう思います。今は英語でビジネスをしなければならない日本人はたくさんいます。彼らはとにかく会議で英語を話さなければならない。上司が外国人であれば、英語でメールを書いて、状況を報告する必要がある。そのためには、アウトプット能力を磨く必要があります。TOEIC SWテストやTOEFL iBTテストを受けることで、自分の英語を話す力と書く力が確認できます。TOEICテストにあわせて、こうしたテストもぜひ受けていただきたいです。

ヒルキ先生から見た、レアジョブ英会話の魅力とは?

私は自分のTOEICセミナーでは、いつもレアジョブ英会話を勧めているんですよ。スカイプ英会話は数多くありますが、レアジョブが最大手でいちばんいいと思います。TOEICスコアの低いレベルの人は、日本人の先生の助けと共に、ネイティブスピーカーに近いレベルの外国人の先生と日常的に学習できるのは、大きな助けになります。

Q:レアジョブ英会話を勧めていただいているとのことで、ありがとうございます。

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I am a huge fun. (大好きですよ)。スカイプ英会話のパイオニア的存在ですよね。セミナーではいつもレアジョブ英会話をやっている人の数を聞くんです。60人にいたら10人ぐらいがやっていますって手を挙げます。 今ではもっと安い競合他社もいるんじゃないかと思いますが、レアジョブ英会話利用者に好きな理由をたずねると、アフターサービスが充実していて、問題があってもすぐに解決してくれるという答えが返ってきます。

Q:うれしいです。英語のネイティブスピーカーであるヒルキ先生から見て、ネイティブスピーカーではないフィリピン人から英語を習うことはどう映りますか?

特に大学で勉強した経験を持つフィリピン人であれば、ほぼネイティブスピーカーといっていいと思います。上手に英語が話せるのであれば、どこの国の先生に習ってもいいと思います。ドイツ人も、フランス人も、スペイン人も、もちろんフィリピン人も、いい先生になり得る。英語を外国語として基本から学んだ経験があるノンネイティブスーピーカーのほうが、むしろ日本人にとってはいい先生になれるかもしれない。ネイティブスピーカーより、文法の説明などはうまくできるかもしれません。

毎日10分か、週1で5時間か?

Q:それでは最後に、読者にメッセージをお願いします。

Ten minutes every day is better than five hours on a Sunday.
日曜に5時間学習するより、毎日10分するほうが効果的だ。

1日に長時間集中して勉強しても、そのあと何日も空いてしまえば、せっかく得た知識もたちまち忘れてしまいます。でも、毎日続けることで、前の日に覚えたことを確認しつつ、その上に知識を積み重ねていくことができます。頭を“英語モード”に保ちやすく、確実に上達できるので、おすすめです。

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