英語の日常会話で頻繁に使われる動詞のaskは、「尋ねる」「頼む」「求める」「招待する」など多くの意味を持ちます。また、forやofなどの前置詞を伴うと本来の意味とは異なり、使い分けに戸惑うかもしれませんね。けれども、これらの使い分けはコミュニケーションを円滑に行うためには重要です。
そこで今回は、しっかり使い分けられるように、askの本来の意味はもちろん、askとさまざまな前置詞を組み合わせた使い方を解説します。
askのコアイメージと使い方
「ask」のコアイメージは「相手に情報や行動を求めること」です。このコアイメージを中心に、さまざまな使い方が展開されます。
askのコアイメージ
askのコアイメージは、基本的に、情報や要求を求めること、開放性と応答や助けを期待することを意味します。これがaskのコアイメージです。コアイメージの詳細を見ていきましょう。
情報を求める
他人から情報や回答を得るために質問する行為。ask+情報 → 尋ねる
Can I ask you a question? (質問してもいいですか?)
コアイメージ:相手に情報を求めるために話しかける
行動を求める
他人に何か行動を依頼する行為。ask+行動 → 頼む
He asked her to help him with the project. (彼は彼女にプロジェクトの手伝いを頼んだ)
コアイメージ: 相手に特定の行動を求める
許可を求める
何かをするために許可を得る行為。ask+もの → 求める
She asked if she could leave early. (彼女は早退してもいいか尋ねた)
コアイメージ: 相手からの許可や同意を求める
askの使い方のバリエーション
askのコアイメージからも分かるように、askは「何かを求める」ことです。さまざまな場面で使われますが、大別すると「尋ねる・質問する」「頼む・依頼する」「招く・招待する」の3つの意味でよく使われます。
ask:尋ねる・質問する
他人に情報を求める際に使います。他動詞の場合は、askの直後に目的語(尋ねる相手)を入れましょう。自動詞の場合はその限りではありません。
Can I ask you where the nearest station is? (最寄りの駅がどこか尋ねてもいいですか?)
Please ask at the reception desk. (受付で聞いてください)
ask:頼む・依頼する
他人に何かを依頼する際に使います。人に何かをするよう頼む場合も、askの直後に目的語(頼む人)が必要です。また、人に何かをさせてくれるように頼む場合は、2つ目の文のように「ask + to do」で表します。この場合、thatやifを用いても同じ意味。that節を使うとより文語的で、if節を使うとより口語的です。
Could you ask them to wait? (彼らに待ってもらうように頼んでもらえますか?)
She asked to see the new car. (彼女は新しい車を見せてほしいと頼んだ)
She asked that she could see the new car. (彼女は新しい車を見せてほしいと頼んだ)
She asked if she could see the new car. (彼女は新しい車を見せてほしいと頼んだ)
ask:招く・招待する
askには「招く」という意味もあり、さまざまな状況で適用されます。例えば、「問題を招く」や「トラブルを招く」というように、ある結果や状況を引き起こすことを意味します。誰かを自分の家や特定の場所に招待する場合は後述するask overの方が適していますが、簡略的にaskのみで表現する場合もあります。
Their decision to cut costs asked for layoffs. (コスト削減の決定は解雇を招いた)
My boss asked me to dinner. (上司が私を夕食に誘ってくれた)
「ask+前置詞」の使い分け
「ask + 前置詞」にはさまざまな組み合わせがあり、それぞれ異なる意味やニュアンスを持ちます。それぞれの違いを確認してみてください。
ask for:~を求める、~を頼む
ask forは、具体的なものや助けを求める際に使います。「~を求める」「~を頼む」という意味。
He asked for more time to complete the project. (彼はプロジェクトを完了するためにもっと時間を要求した)
They asked for advice on how to improve their product. (彼らは製品を改善する方法について助言を求めた)
ask of:~に頼む、~に要求する
ask ofは、誰かに対して要求やお願いをする際に使います。「~に頼む」「~に要求する」という意味。
This is all I ask of you. (これが君に頼む全てだ)
They asked advice of their relative. (彼らは親戚に助言を求めた)
ask forとask ofはどちらも「頼む」や「求める」という意味を持つ表現ですが、使い方やニュアンスに違いがあるので注意しましょう。ask forは具体的なリクエストや要求をする場合に使い、求める対象がはっきりしています。一方、ask ofは誰かに対して何かを要求することを示し、依頼の対象が「誰か」を強調する場合に使います。簡単にまとめると以下の通り。
<ask forとask ofの違い>
ask for:求める具体的なものや行動が焦点
He asked for help. (彼は「助け」を求めた)
ask of:依頼や要求の対象である人が焦点
He asked a favor of his friend. (彼は「友人」に頼みごとをした)
ask about:~について尋ねる
ask aboutは、特定の話題や情報について質問する際に使います。「~について尋ねる」という意味。
She asked about his plans for the weekend. (彼女は彼の週末の予定について尋ねた)
I asked about the new project during the meeting. (会議中に新しいプロジェクトについて質問した)
ask after:~の安否を尋ねる
ask afterは、誰かの健康や状況を気にかけて尋ねる際に使います。「~の安否を尋ねる」という意味。
She always asks after my family whenever we meet. (彼女は会うたびに私の家族の安否を尋ねる)
He asked after his old friend who was in the hospital. (彼は入院している昔の友人の安否を尋ねた)
ask out:~をデートに誘う
ask ~ outで「~をデートに誘う」という意味。誰かを外出やデートに誘う際に使います。
He asked her out for coffee. (彼は彼女をコーヒーに誘った)
They asked each other out and started dating. (彼らはお互いにデートに誘い、つき合い始めた)
ask over:~を家などに招く
ask ~ overで「~を家などに招く」という意味。誰かを自宅や特定の場所に招く際に使います。to inviteと同じような意味。
They asked their friends over for a barbecue. (彼らは友達をバーベキューに招待した)
My husband often asks colleagues over for dinner. (夫はよく同僚を夕食に招待する)
ask around:~に尋ね回る
ask aroundは、多くの人に尋ねる際に使います。「~に尋ね回る」という意味。
She asked around to find the best restaurant. (彼女は一番いいレストランを見つけるために尋ね回った)
If you don’t know the cause, try asking around. (原因が分からない場合は、周りに聞いてみて)
askを使った英語フレーズ
askを使った英語フレーズは、日常会話やビジネスの場面でも頻繁に使われます。文脈に応じて使い分けることで、より自然で多彩な英語表現ができるようになるでしょう。すでに示したask a favor of someone(誰かに頼みごとをする)もよく使われるフレーズなので覚えておくと便利ですよ。
ask for trouble
ask for troubleは「面倒を招く」「トラブルを引き起こす」という意味。行動が予期せぬ問題や危険を引き起こす可能性が高いことを警告する際に使われます。
If you park in a no-parking zone, you’re just asking for trouble. (駐車禁止区域に車を停めるのは、ただトラブルを招いているだけだ)
Going to that dangerous area at night is asking for trouble. (夜にその危険な地域に行くのは、トラブルを招くことになる)
ask for it
ask for itは「自業自得である」「当然の報いを受ける」という意味。行動が直接的または間接的に問題を引き起こす場合にこの表現が適しています。
He was ticketed for speeding. He was asking for it. (彼はスピード違反で切符を切られた。自業自得だ)
She has been late for work every day this week. If she’s not careful, she’s going to ask for it. (彼女は今週毎日仕事に遅刻している。気をつけないと、その報いを受けることになる)
ask for a hand
ask for a handは「助けを求める」という意味。日常生活や仕事で他人に助けを求める場面で使います。
I’m moving to a new apartment this Saturday, can I ask for a hand with carrying boxes? (今週土曜日に新しいアパートに引っ越すんだけど、荷物を運ぶのを手伝ってもらってもいいかな?)
He asked for a hand fixing his car over the weekend. (彼は週末に車の修理を手伝ってもらった)
ask for someone’s hand (in marriage)
ask for someone’s hand (in marriage)は「(結婚の)プロポーズをする」という意味。
He asked for her hand in marriage during their vacation. (彼は休暇中に彼女にプロポーズした)
He planned a surprise picnic in the park to ask for her hand in marriage. (彼は彼女にプロポーズするために公園でサプライズのピクニックを計画した)
ask to see someone
ask to see someoneは「誰かに面会を求める」という意味。特定の人に会いたいという意思を表現できます。
He asked to see a doctor regarding his persistent cough. (彼は慢性的な咳について医者の診察を求めた)
I’d like to ask to see the manager to discuss my promotion. (昇進の話をするためにマネジャーに会いたいのですが)
if you ask me
if you ask meは直訳すると「もしあなたが私に尋ねるなら」という意味ですが、実際には「言わせてもらえば」「私に言わせれば」という意味。話し手が自分の意見や感想を述べる際に使う表現で、特に自分の主観的な見解や意見を述べるときに使います。
If you ask me, I think she should have handled the situation differently. (私に言わせれば、彼女はその状況を別の方法で対処すべきだったと思う)
If you ask me, that movie was a waste of time. (私に言わせれば、あの映画は時間のムダだった)
「ask+前置詞」を実践で使いこなしてみよう!
ask だけでなく、前置詞の使い分けを知りたくなったら、「英語の前置詞とは?使い分けやイメージの例を一覧で紹介」を読んで、理解を深めてみましょう。
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