「痛みを我慢する」「甘い物を我慢する」など、「我慢する」「こらえる」というのはいかにも日本的な発想のように思えますが、これを英語で表現するにはどのような言葉を使えばいいのでしょうか。put up with ~(~を我慢する)といったイディオムを上手に使う方法を覚え、「やせ我慢」「我慢も限界」なども英語で言えるようになりましょう。
「忍耐強く我慢する」を英語で
「我慢する」の最も典型的な使い方は、「痛みを我慢する」のような、「つらいことに耐える」という言い方ではないしょうか。さまざまな表現をどのように使い分ければいいのか見ていきましょう。
「耐える」のbe patient
It hurts, but I have to be patient.
(痛いけれど我慢しないと)
けがをして治療してもらったりするときの言い方。patientは「患者」という名詞でもありますが、形容詞で「忍耐強い、我慢強い」という意味になります。患者とは、「我慢強い」人のことなのです。
「受け入れる」のput up with
He’s not nice, but I can put up with him.
(彼は感じ悪いけれど、我慢できます)
put up with ~は「~を許す、受け入れる、我慢する」というイメージで、このように「人」に対して直接使うこともできます。
「耐え続ける」のendure
We have to endure long, suffering, hot days.
(長く、つらい、暑い日々を我慢しなければなりません)
endureは「つらい経験にさらされている」ということで、それがある程度長く続いているイメージになります。sufferingは「つらい、苦しい」という意味。
「やりたいけどやらない」を英語で
日本語では「甘い物を我慢する」のように「やりたいことをやらない」場合にも「我慢する」を使いますが、be patientやput up withなどを使ってもうまくいきません。それではどのような言い方をすればいいのかを紹介します。
「近寄らせない」のhold off
I will hold off on the sweets.
(甘い物は我慢します)
hold offは「近寄らせない、離れている」ということで、hold off on ~で「~を近寄らせない、我慢する」ということになります。
「トイレを我慢する」のhold it in
A: There’s no bathroom until the next stop.
(次に止まるところまで、トイレはありません)
B: No problem, I can hold it in.
(大丈夫、我慢できます)
hold it inは一般に「内側に押さえておく」ということで、口語では「トイレを我慢する」という意味で使われます。
「我慢できない」も英語で言ってみよう
「我慢」のシチュエーションとしては、「我慢できない」「耐えられない」と言うことも多いのではないでしょうか。会話で便利に使える「我慢できない」の表現を覚えておきましょう。
「我慢できない」のcan’t stand
I’m starving, I can’t stand it anymore.
(お腹が空きすぎて、もう我慢できない)
standだけで「我慢する、耐える」という意味の動詞になりますが、会話ではよくcan’t stand(我慢できない)という場面で使われます。starvingは「飢えている、ひどく空腹である」という意味。
「認められない」のno tolerate
We will not tolerate such behavior.
(そういう行いには我慢できません)
tolerateには「人の行為や考えを受け入れる、認める」という意味があり、このように「受け入れられない、認められない」という場面でよく使われます。
「耐えられない」のcan’t bear
It’s so miserable, I can’t bear to see it.
(あまりにも悲惨で、見ていられません)
bearは動詞で「じっと耐える、こらえる」という意味になりますが、can’t bear to ~で「~するのには耐えられない」といった表現になります。
英語で「我慢」を使った慣用句を覚えよう!
日本語には「やせ我慢」など「我慢」を使った慣用句がいろいろあります。英語ではどのように表現すればいいかを知っておきましょう。
「やせ我慢」のout of pride
She refused their help out of pride.
(彼女はやせ我慢をして彼らの助けを断りました)
prideは「誇り、自尊心」で、out of prideと言うと「自尊心から」「自分はできると思っているから」となり、「やせ我慢」に近い表現だと言えます。
「我慢の限界」はcan’t take it anymore
This is too hard. I can’t take it anymore.
(これは大変過ぎます。我慢の限界です)
can’t take it anymoreで、「もうこれ以上受け入れることはできない、我慢の限界だ」という意味になります。精神的に、気持ちのうえでいっぱいいっぱいという感じです。
「我慢はよくない」はdon’t push yourself
Don’t push yourself too hard.
(がんばりすぎないほうがいいですよ=我慢しすぎはよくありません)
push oneselfで「すごくがんばる」ということ。don’t push yourselfは、「我慢してがんばりすぎる必要はない」というときに使われます。
英会話で「我慢する」を使ってみよう!
ここで紹介した表現を使って、例えば次のような会話をすることができます。
職場で
A: The air conditioner stopped working again! I can’t stand it anymore.
(またエアコンが壊れました!もう我慢できません)
B: It’ll be fixed soon, please be patient.
(すぐに修理します、耐えてください)
友人同士で
A: Here are some chocolates.
(チョコレートどうぞ)
B: No, thanks. I’m on a diet, holding off on the sweets.
(いいよ、ダイエット中で甘いものは我慢しているの)
A: Good for you, but don’t push yourself too hard.
(いいことだけれど、我慢しすぎはよくないよ)
「我慢する」には、場面によっていろいろな表現を使うことがおわかりいただけたでしょうか。
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