英語の未来完了形の3つの意味と使い方、未来形との違いなどを例文でわかりやすく解説!

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英語の未来完了形は使いどころが難しい文法の一つです。英語と日本語では時制の捉え方が微妙に違うため、「未来形とどう違うの?」「現在完了形と間違える……」という声も少なくありません。今回はなかなかとっつきにくい未来完了形の基本の形や、3つの意味についてわかりやすく解説します。

未来完了形は普段あまり使わない文法ですが、うまく使いこなせるようになれれば英語での表現力がグッと高まります。使い方や意味について確認し、レベルアップを目指しましょう。

未来完了形の押さえておくべきポイント

未来完了形の形や、基本的な意味について確認しましょう。完了形は時制に関わらず「期間」の広がりを含んだ表現です。単なる未来形では「未来の具体的な瞬間」を指しますが、未来完了形では「未来のどこかで起きる漠然とした期間」を表現できます。

未来完了形の作り方【will+have+過去分詞】

未来完了形は「will+have +過去分詞」という形で表します。一見すると難しい印象ですが、実は中学レベルでもよく使う現在完了形「have+過去分詞」の応用です。未来を表すために助動詞willを足しています。

未来完了形の3つの意味【完了・経験・継続】

未来完了形には「完了」「経験」「継続」の3つの意味があります。それぞれを訳し分けると以下の通りです。

・完了:「〜し終えているだろう」
・経験:「〜したことになるだろう」
・継続:「〜し続けていることになるだろう」

訳からもわかる通り、未来完了形は「している」という期間・継続の意味と、「~だろう」という推測の意味が含まれます。詳しい使い分けは以下で説明しますので、参考にしてください。

「している」と「~だろう」だけでは現在完了形とほとんど同じです。一方、現在完了形が「今この時点まで」の継続、経験、完了を表すのに対して、未来完了形は「未来のある時点まで」を基準とします。

未来のある時点を基準にしているということ

未来完了形は「未来のある時点まで」が基準となります。日本語でも、「来年の春には5周年となるだろう」「明後日までに終えているだろう」といった表現を使うことがありますよね。これが未来完了の代表的な表現です。「来年の春には(まで)」や「明後日まで」など、文中に必ず将来の時間を含みます。

また未来完了形は「未来のある時点まで」を表すため、”by”(まで)や”by the time SV”(SがVするまでに)などの語句とよく使われます。

The delivery will have finished by tomorrow morning.(明日の朝には配達が終わっているはずだ。)

We will have reached our destination by the time the sun sets.(日が沈むころには、目的地に到着していることでしょう。)

”by”と”by the time SV”の使い分けですが、未来のある時点を表す言葉が、1つ目の例文のように「明日の朝」といった名詞句の場合は”by”を使い、2つ目の例文のように「太陽が沈むまでに」といったSVの入った名詞節の場合は”by the time SV”を使います。

未来完了形の使い方を例文で解説

以下では未来完了形の使い方を意味ごとに確認します。未来完了形には3つの意味があります。詳しく例文とともに見ていきましょう。

「完了:〜し終えているだろう」の使い方

未来完了形の完了は「~し終えているだろう」と訳します。以下のような例文で覚えると理解しやすいでしょう。

I will have finished my assignment at 12:00 tomorrow.(明日の12:00までには課題を終えているだろう。)

ちなみに未来形で似た例文を作ると、” I will finish my assignment at 12:00 tomorrow.” となります。これは「明日の12:00『ちょうど』に課題を終えるつもりだ」と訳せます。未来完了形だと、「12:00までのどこか」という期間で表すことができるのです。未来完了形と未来形を使い分けることで、このように微妙なニュアンスを伝えられます。

未来完了形「完了」の肯定文

Demolition of the school buildings will have been completed by the end of the year.(校舎の解体は年内に完了する予定です。)

未来完了形「完了」の基本の形です。“by”を使い、「年内まで」と時間の基準を示しています。

They will have been ready by the time we arrive.(私たちが到着するころにはもう準備ができているはずです。)

未来完了形と“be ready” (準備ができている)が組み合わさったことで、beがbeenになりました。

The fireworks will have finished before he leaves the house.(彼が家を出る前に、花火は終わっているだろう。)

”finish” や”complete” など、「終える」意味の単語が使われている場合は完了の意味になりやすいです。

未来完了形「完了」の否定文

上記で述べた例文を使い、未来完了形「完了」の否定文を確認しましょう。形は「will not have+過去分詞」です。助動詞willを使うため、否定のnotはhaveではなくwillの後ろに置きます。

Demolition of the school buildings will not have been completed by the end of the year.(校舎の解体は年内に完了しない予定です。)

「will not have~」は慣れないと順番を間違える可能性が高いため、実際に声に出してリズムを覚えることが効果的です。オンラインの英会話レッスンなどで練習を繰り返しましょう。

They will not have been ready by the time we arrive.(私たちが到着するころにはまだ準備はできていないだろう。)

「will not have been ready」も、とっさに口頭で並び替えるのはなかなか簡単ではありません。will beの否定形will not beに、完了のhaveとbeの過去分詞形beenがくっついていると考えましょう。

The fireworks will not have finished before he leaves the house.(彼が家を出るまでに花火が終わることはないだろう。)

「終わることはない」(完了の否定)は、言い換えると「まだ続いているだろう」(継続)を表します。英文ではよく出る言い回しなので、覚えておきましょう。

未来完了形「完了」の疑問文

未来完了形の疑問文は「Will+主語+have+過去分詞」で表現できます。

Will the Demolition of the school buildings have completed by the end of the year?(校舎の解体は今年度中に完了するのでしょうか?)

Will they have been ready by the time we arrive?(私たちが到着する頃には、もう準備はできていますか?)

未来形の疑問文と異なり、この未来完了形の文では「準備ができている状態」になっているか?と尋ねています。未来完了形は期間や継続など時間の広がりを表すことから、派生して「状態」を表すこともできます。

Will the fireworks have finished before he leaves the house?(彼が家を出る前に花火は終わっているでしょうか?)

「経験:〜したことになるだろう」の使い方

未来完了形の2つ目の意味は「経験」(〜したことになるだろう)です。現在完了形では” I have read that book before.” (以前、その本を読んだことがあります。)など、過去から現在にかけての経験を表せます。

現在完了形「~したことがある」を未来完了形にすると、「(ある未来の時点で)~したことになるだろう」になります。具体的な例文を以下で確認しましょう。

未来完了形「経験」の肯定文

If you watch this movie next time, you will have watched it seven times.(次にこの映画を見れば、7回見たことになるだろう。)

未来完了形「経験」の基本の形です。まずIfの副詞節で「もし~なら」という条件を提示します。これがこの文で「基準となる未来の時間」です。つまり、「次にこの映画を見たとき(未来の時間)」に「7回読んだことになる(経験しているはずだ)」となります。

You will have met him once by next Wednesday.(来週の水曜日までに彼と一度会っているでしょう。)

経験の未来完了形は具体的な日時を基準にすることもできます。今回は「来週の水曜日」が基準です。

We will have gone to that beach before we get married.(結婚する前に、そのビーチに行くことになるだろう。)

逆に、漠然とした未来を基準にすることも可能です。こちらの文では結婚が具体的にいつかは明言されていませんが、ここを基準にすることで「現在から結婚するときまでの期間」を表しています。

未来完了形「経験」の否定文

If you watch this movie next time, you will not have watched it seven times.(次にこの映画を見るときは、7回も見ていないはずです。)

上記の文を意訳すると「次に映画を見たとしても、7回は見ていないだろう」と言えます。前半の条件は同じですが、「7回見た」という経験(結果)を否定しています。未来完了形の否定文はnotがどこに掛かっているかに注意しましょう。

You will not have met him once by next Wednesday.(来週の水曜日まで彼と会うことは一度もないだろう。)

未来完了形の否定は「経験」を否定します。今回は「彼と会うという経験」が一度もないと言い換えられます。

We will never have gone to that beach before we get married.(結婚するまであのビーチに行くことはないだろう。)

現在完了形同様、notの代わりにneverを使うこともできます。

未来完了形「経験」の疑問文

経験の疑問文では「経験するかどうか」を尋ねます。未来の基準や回数ではなく、あくまで「その時点までに経験するかどうか?」が焦点となるので、注意しましょう。

If you watch this movie next time, will you have watched it seven times?(次にこの映画を見れば、7回見たことになりますか?)

Will I have met him once by next Wednesday?(来週の水曜日までには彼と一度でも会えているでしょうか?)

Will we have gone to that beach before we get married?(結婚するまでに、あのビーチに行くことがあるでしょうか?)

「継続:〜し続けていることになるだろう」の使い方

未来完了形の3つ目の意味は「継続」(~し続けていることになるだろう)です。現在あるいは過去から、未来のある時点まで続いている状態です。

継続の特徴は期間を表す表現とセットになっている点です。例えば”for ten years” (10年間)や”since” (~から)などが挙げられます。以下で例文を確認しましょう。

未来完了形「継続」の肯定文

I will have known him for 10 years next year.(来年で彼とは10年の付き合いになります。)

継続の未来完了形の基本的な形です。時間を表す表現が2つありますが、今回は”next year”が未来完了形の基準となる時間で、”for 10 years” が継続を表しています。

If the rain continues through next week, it will have rained for 10 days.(来週まで雨が続けば、10日間雨が降り続いていることになります。)

経験の意味と同じように、条件のifを使って基準の時間を表すこともできます。

She will have lived in Chicago through next spring.(彼女は来年の春までシカゴに住んでいるでしょう。)

継続は「(未来のある時点までずっと)~しているだろう」という意味です。彼女が実際来年の春まで住み続けているかははっきりしませんが、「おそらくそうだろう」という推測が含まれます。

未来完了形「継続」の否定文

継続の否定文は「し続けていること」を否定します。この性質上、完了や経験と比べて訳しにくいですが、肯定文と比べてどう変化するのか、以下の例文を見ながら、訳し方と合わせて確認しましょう。

I will not have known him for 10 years next year.(来年になっても彼とは知り合って10年にもなりません。)

If the rain continues through next week, it will not have rained for 10 days.(来週まで雨が続いても、10日間雨が降り続いていることにはなりません。)

上記2つは「~だとしても~にはならない」と訳すとスムーズです。

She will not have lived in Chicago through next spring.(彼女は来年の春までシカゴに住んでいるわけではありません。)

この例文では、「来年の春まで住む」継続を否定しています。明言はしていませんが「来年の春より前に退居する」ことを暗示しています。

未来完了形「継続」の疑問文

「(このまま続けば)未来のある時点まで継続しているか?」という意味になるため、未来完了形の継続は疑問文で使うことが少なくありません。訳するときは基準点を表す時間と期間を表す時間を取り違えないよう注意しましょう。

Will I have known him for 10 years next year?(来年には知り合って10年になりますか?)

If the rain continues through next week, will it have rained for 10 days?(このまま来週まで雨が続けば、10日間雨が降ったことになるのでしょうか?)

Will she have lived in Chicago through next spring?(彼女は来春までシカゴに住み続けているでしょうか?)

未来完了形のややこしいポイント2点

未来完了形はややこしいと言われがちです。ややこしく思われがちな理由のひとつとして、未来完了形を表すには「will have+過去分詞」と3つのフレーズを使うため、聞き手に回りくどい印象を与えてしまいます。

今回は「未来形との使い分け」「条件を表す副詞節の中で使えない」という混乱しやすい2点について詳しく確認します。

会話では未来完了形より未来形がよく使われる

未来完了形の難しい点の一つは日常会話であまり使われない点です。未来形と未来完了形では細かなニュアンスの違いがあるのですが、会話では正確に伝えることよりも伝わりやすさを優先して未来形を使うことが少なくありません。

未来形と未来完了形は特に「継続」の意味でよく使い分けます。例えば、例で使った”She will have lived in Chicago through next spring.” (彼女は来年の春までシカゴに住んでいるでしょう。)を未来形で表すと以下の意味になります。

She will live in Chicago next spring.(彼女は来年の春にシカゴに住む予定です。)

未来完了形との違いとしては、まずシカゴに住むタイミングが「来年の春まで」から「来年の春から」に変わっています。合わせて、期間を表していたthroughがなくなりました。

完了や経験は未来形でも似たような表現ができますが、「期間中ずっとし続けている」継続は未来完了形の方がふさわしいでしょう。

時や条件を表す副詞節の中では未来完了形は使えない

未来完了形が使いにくい理由の2つ目は、「時や条件を表す副詞節では未来形は使えない」という英文法のルールです。時や条件を表す副詞節の例として以下が挙げられます。

・by the time〜(~までに)
・when〜(~のとき)
・before〜、until~(~までに)
・if〜(もし~)

主文と独立した副詞節のとき、未来完了形は使えません。

正:Can you wait until I’m ready? (支度ができるまで待っていてくれる?)
誤:Can you wait until I will have been ready?

上記の例ではuntil以下の副詞節で未来完了形を使っていますが、これは誤りです。副詞節で未来を表すときは必ず現在形を使います。

ただし以下の例文のように、副詞節とは別に未来完了形の文をくっつけることは問題ありません。

If the rain continues through next week, it will not have rained for 10 days. (来週まで雨が続いても、10日間雨が降り続いていることにはなりません。)

未来完了形について理解したら

未来完了形は大まかに分けて「完了」「経験」「継続」の3つの意味を持ちます。日本語とは時制の考え方に違いがありますので、最初は未来形や現在完了形との使い分けに戸惑うかもしれません。特に、口頭での使い分けは慣れないうちは大変でしょう。

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