TOEIC700点のレベルはどれくらい?700点を超えるための学習のコツとおすすめの参考書もご紹介

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英語力を必要とする企業への就職や転職、あるいは社内で海外との取引を必要とする仕事を担当する場合、一定レベルの英語力が求められます。英語力を示す基準として広く用いられているのがTOEICです。一般的に履歴書に記入できるレベルは600点からと言われていますが、それよりもさらに高い700点を取得できればビジネス面においてより評価につながることも。ここでは、TOEIC700点の英語レベルや700点を超えるための学習のポイントについて解説していきます。

TOEIC700点はどれほどの英語力が?

TOEIC700点と聞いてもどれほどの英語レベルなのかピンとこないという人も多いでしょう。具体的なレベル感が想像できるように、取得の難易度や他の英語資格と比較しながら解説していきます。

TOEIC平均点とスコア分布から見るTOEIC700点の難易度

まずTOEIC受験者の平均点を見てみましょう。リスニングセクションが495点満点に対して平均が282点、リーディングセクションが495点満点に対して平均が337点、総合の満点が990点に対し平均は620点です。一般的にリーディングよりもリスニングの平均点の方が高い傾向が見られます。次に、受験者全体のスコア分布について見ていきましょう。2020年度受験者の受験者のスコア分布を見ると、平均点を含む595点から644点の人は全体の10.6%と、最も高い割合を占めています。TOEIC700点を目指すなら、平均点以上のスコアを取得する必要がありますので、それなりの英語力が求められるでしょう。

参考:TOEIC Program DAA2021|国際ビジネスコミュニケーション協会

TOEIC700点のレベルを英検と比べると?

英語レベルを測るメジャーな試験の一つに英検があります。TOEICで700点レベルを取得できると英検では何級に該当するのでしょうか。英語レベルをわかりやすく比較するために、外国語学習者の習熟度レベルを示す国際的な指標のCEFRを用いてTOEIC700点と英検のレベルを比べてみましょう。CEFRはレベルの低い順からA1、A2、B1、B2、C1、C2と6段階あります。TOEICではリスニング、リーディングの各スコアでCEFRのレベルが示されており、TOEIC700点はB1〜B2の間のレベルに相当します(※)。

もう少し詳しく見てみると、CEFRのB1はリスニングとリーディングそれぞれ275点以上のレベルに相当し、B2では、リスニングで400点以上、リーディングで385点以上のレベルに相当します。CEFRではB1、B2レベルは中級の英語力に該当し、英検では準1級に該当します(※2)。ただし、2つの試験では問われる内容が異なるため、スコア換算によるレベルがそのまま当てはまるとは限りません。あくまでも参考程度としてとらえておきましょう。

(※)参考:TOEIC® Program各テストスコアとCEFRとの対照表|一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会

(※2)参考:各資格・検定試験とCEFRとの対照表|文部科学省

TOEIC700点を目指す人が到着すべきリーディングレベル

TOEICで700点を目指すには、リーディングではその半分の350点を取得できるレベルが必要です。350点を取得できる人は、英文法や英文読解の基礎が身につけていることが大前提です。不定詞、比較級、分詞構文、仮定法過去など難易度の高い英文法が使われる表現が出てきても、時間をかければ理解できるスキルがあります。

一方で基礎はできているものの、それぞれの項目について理解がまだ浅いため、TOEICのように時間の制限がある中で正解を導き出すのがやや苦手と言えます。また、自分が詳しい分野であればわからない単語を調べつつであれば、専門的な文章の内容も理解できます。しかし興味がなかったり苦手だったりする分野については、辞書を使っても内容を理解するのに苦労する傾向があるでしょう。仕事に関しては業務に関連する専門用語を覚えておけば、問題なく作業ができるレベルだと言えます。

TOEIC700点を目指す人が到着すべきリスニングレベル

TOEIC700点取得の目安、リスニングで350点を取得できる人は聴き取った英語をスムーズに理解できるレベルでしょう。仕事で使用する時には、相手の話していることが8割以上理解できる状態です。1対1の会話、聞き取れなかった箇所を質問できる状況であれば相手の言っていることをほぼ理解できますが、会話の参加人数が増えると内容の理解が難しくなります。ネイティブスピーカー同士の速度で会話が進むと不明な単語や言い回しも多く、会話についていけない可能性が高いでしょう。

TOEIC700点のスピーキングやライティングのレベルは?

TOEIC700点レベルのスピーキングについては、話す経験や練習の有無によってレベルにかなりのばらつきがあります。短文、長文共にある程度聞き取れて、自分の意見を述べたり難解な要求にもある程度応えられたりする人もいますが、TOEIC700点を取得できていても自己紹介すら満足にできないような人も少なくありません。ライティングについては、スピーキングよりも時間をかけて文章を作成できるため、大きなミスなく言いたいことを文章で伝えられる、実用的に使えるレベルの人が多いでしょう。

TOEIC700点を取るメリットは?

TOEICで700点を取得できるとある程度英語の能力を認められ、就職や転職など仕事面で得られるメリットも増えてきます。以下でその例をご紹介しましょう。

就活や転職でアピールできる

大企業だけでなく中小企業でも国際化が進んでおり、英語の必要性が高まっています。履歴書で記載できるのはTOEIC600点からと言われていますが、ビジネスシーンではより高い英語力のある人材が重宝されます。TOEIC700以上あれば自身のスキルとして就活や転職の際、積極的にアピールできるでしょう。

昇給につながりやすい

企業によっては昇給の条件としてTOEICのスコアを設定している、もしくは取得を義務付けているところがあります。早めに勉強を始めてTOEIC700点以上を取得することで、後の昇給の条件をクリアしやすくなる可能性があるでしょう

仕事の幅が広がりやすい

海外や外国人とのやり取りが増えていますので、英語力があれば仕事の幅を広げられます。特に、TOEICはビジネスシーンからの出題が多いため、平均以上のスコアを取得していると関われる仕事や任せられる仕事が増えます。700点前後のスコアがあると、貿易事務や英語講師、海外営業といった職種の選択肢も増えるでしょう。

TOEIC700点を取るための学習のポイントは?

TOEIC700点を取得するためには、地道な英語学習を重ねることです。ここでは、英語学習のポイントについて詳しく解説していきます。

TOEIC700点を取得に必要な学習時間は?

どれくらいの学習時間を費やしたらスコアをアップできるのか疑問に思ったことはありませんか。TOEICの現在のスコアから目標スコア到達に必要なおよその学習時間を示した論文(※)を参考に目安を紹介すると、750点に到達するためには現在のスコアが550点の人は約450時間、現在650点の人は約225時間の学習時間が必要と言われています。ただし、勉強方法や利用する参考書次第で短時間でも効率よく学べる場合があるので、勉強時間はあくまでも目安です。目標達成までに必要なおおよその学習時間を把握することで、今後の勉強計画を立てる参考にしてみてください。

(※)参考:A Teacher’s Guide to TOEIC Listening and Reading Test Preparing your Students for Success|Oxford University Press

基礎的な文法は理解する

中学と高校で習う文法の基礎をしっかりと理解しておきましょう。特にリーディングセクションのパート5と6では文法の問題が多く出題されるので、基礎が固まっていないと高得点を取るのが難しくなります。毎回同じような文法事項が出題されるので、その傾向に沿った参考書や問題集を利用して学習を進めることで、スコアアップにつながる文法を効率よく習得できますよ。

高校卒業程度以上の単語力をつける

リーディングセクションにおいて高得点を狙うためには、単語力を鍛えることです。高校で学習する基礎的なものを覚えるのに加えて、TOEIC頻出単語も意識して覚えましょう。例えば、TOEICはビジネスシーンを題材にした問題が多いので、仕事や職場などで使われる単語を覚えておくとスコアアップにつなげやすくなります。頻出単語を習得するには、TOEIC対策専用の単語張をうまく活用するとよいでしょう。

長文読解力を伸ばす

ある程度のスコアを取得するためには長文読解力も必要です。文法の知識と単語力を高めることで文章の内容を理解できるようになりますが、時間が限られているため英文を読むスピードも上げる必要があります。読解のスピードアップには、音読がおすすめです。ただし文章を一度時間をかけて精読し、単語や文法構造などの不明点を解決してしっかりと理解した上で、音読をしましょう。

よく理解した文章を繰り返し音読することで、しだいに英語の語順のまま意味を理解できるようになり、頭の中での英語の処理スピードが上がります。結果として長文読解力を上げることになるので、ぜひ実践してみてください。

ディクテーションでリスニング力をあげる

リスニング力を上げるためにはディクテーションが効果的です。ディクテーションとは、テキストを見ないで英語を聴き取り、それを書き起こす作業のことを指します。耳で聞くだけだと難しくて理解できない英文でも、スクリプトを見たら知っている単語や文法で構成されていてすぐに意味を理解できたという経験はありませんか。

ディクテーションにより、自分では気がつきにくい英語特有の発音に気づき理解しやすくなります。また、自分の弱点が明確になるというメリットもあります。聞き取れなかった箇所が見つかった時は単語や熟語の知識不足なのか、または発音の誤認識なのかなど理由を自己分析することで、克服するべき弱点に気づいて、そこに特化した学習を進められます。

本番の時間配分でできる練習をする

実際のテストに近いレベルで作られているTOEICの公式問題集を活用して、本番と同様に途中で止まることなくリスニング45分、リーディング75分で問題を解く練習もしましょう。本番では、時間配分を考えて解き進めることや集中力を維持することなども必要になるので、本番と同じような環境で問題を解く練習も大切になるのです。問題を解き終わったら、間違ったところを必ず復習するよう徹底しましょう。

TOEIC700点をとるためのパート別目標正解数

TOEICで700点を取得するためにも、目標としたい正解数をパート別に紹介していきます。

リスニング|パート1は全問正解を目指す

1枚の写真につき4つの短い説明文が1度だけ放送され、その中から写真の状況を的確に表現しているものを選ぶ問題です。700点を目指すならこのセクションは全問正解を目指したいところです。英文自体は短く、その内容の出題傾向もあるので演習をしっかりとして問題に慣れることで、スコアを取りやすくなるでしょう。

リスニング|パート2は25問中20問正解を目指す

1つの質問や文章と、それに対する3つの答えが1度だけ流され、設問に対するふさわしい答えを選ぶ問題です。whatやwhyなど疑問詞から始まる文章については、答えを導きやすいため必ず正解できるように努めましょう。このパートは25問ありますが、20問正解を目指してみてください。ときどき、ひねられた問題が出題されることもあるため、過去問を複数解いて問題のパターンに慣れておくことをおすすめします。

リスニング|パート3は39問中20問正解を目指す

2人もしくは3人による会話が一度だけ放送されます。問題用紙に印刷されている設問と解答を読んで、4つの答えの中から最も適したものを選びます。1回の会話について設問が3つ用意されていますので、会話が放送される前に設問に目を通しておくのがポイントです。このパートは39問あり、20問正解を目指して取り組みましょう。限られた時間の中でいかに速く設問を先読みできるかが、正解率に大きく影響します。普段からシャドーイングやディクテーションでリスニング力を鍛えておくようにしましょう。

リスニング|パート4は30問中24問正解を目指す

アナウンスやナレーションのような短いトークが一度だけ流れます。パート3と同じように設問が3つ用意されており、4つの答えの中から最もふさわしいものを選びます。パート4もパート3と同じように先に設問を読んでおくと答えを聞き逃しにくくなります。先読みが間に合わなかったり、解答に迷ってしまったりすると、時間が足りず次の問題にも影響が出てしまいます。どうしても答えがわからない時は、思い切って次の設問に進むことをおすすめします。このパートは30問あり、24問正解を目指しましょう。

リーディング|パート5は30問中21問正解を目指す

不完全な短い文章の穴埋め問題で、4つの答えの中から空欄に入る最も適当なものを選び解答します。全部で30問あり、21問正解を目指しましょう。中でも多く出題される品詞問題は単語の意味を知らなくても解ける問題がほとんどなので、問題演習でしっかりと慣れて、必ず正解できるようにしておきたい問題です。確実に正答するためにはスピードが大切なので、1問につき1分を目安に解答できるように意識して演習に取り組んでみてください。

リーディング|パート6は16問中12問正解を目指す

不完全な長い文章の穴埋め問題で、4つの選択肢の中から空欄に入るものを選びます。パート5が短文だったのに対して、パート6は長文で選択肢は単語だけでなく句や文もあります。長文読解は単語力、文法力に加えて読み進めるスピードが必要なので、日頃から長文読解の練習や音読をすることをおすすめします。解答に時間をかけすぎると、最後まで解ききれなくなるかもしれないので、時間を意識しながらわからない設問は思い切って捨てる決断もしながら、16問中12問正解を目指して取り組んでみてください。

リーディング|パート7は54問中30問正解を目指す

1から3つの長文読解問題です。パート7では1つの文章を読む問題からスタートしますが、問題が進むにつれて文章が2つ3つと増えていきます。問題数は54問と多く、30問正解を目指して解きましょう。自分が苦手な箇所や分野が出題された時は無理に解こうとせず、確実に点がとれるところを取るという気持ちに切り替え、自信のある設問から解くという手もあります。

TOEIC700点を目指す人へおすすめの問題集・参考書

TOEIC700点を目指すための効果的な学習に役立つ参考書や問題集について紹介していきます。

基礎を固める文法書

TOEIC700点取得に必要な文法の基礎固めをするのに「TOEIC®テスト英文法 プラチナ講義」がおすすめです。これまでの文法のテキストといえば5文型の解説から始まり全体を網羅するのが一般的でしたが、出題されない文法単元まで学ぶ必要がありました。この参考書では、1200問以上の問題を分析してテストに出る問題だけを収録してあります。TOEICに出題される必須項目を効率よく学べますので、学習時間を十分に確保できない人におすすめです。

おすすめレベル 初級〜中級
著者 濱崎 潤之輔
出版社 ジャパンタイムズ
価格(税込み) 1,980円

TOEIC700点を目指すのにおすすめの単語帳

TOEICの頻出英単語の習得をするなら「キクタンTOEIC TEST SCORE 600」がおすすめです。耳から英単語を聞きながら覚えられるようになっていて、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアの4カ国の発音で音声が収録されています。和訳の音声も続いて流れるので、CDを聞いているだけで単語の発音と意味を学べます。車や電車といった移動時間を有効活用して英単語学習を進めたい方に適しています。基礎力をより高めたい方には「キクタンTOEIC TEST SCORE 800」もおすすめです。

おすすめレベル 初級〜中級
著者 一杉 武史
出版社 アルク
価格(税込み) 1,760円

受験者は持っておきたい公式問題集

公式問題集の「公式TOEIC Listening & Reading 問題集 8」は受験者は必ず持っておきたい1冊です。TOEICの教育プログラムを提供している団体であるETSが本番のテストと同じプロセスで作製した問題集です。付属のCDにリスニングの音声が収録されていますが、リーディングセクションの一部の音声はスマートフォンやパソコンにダウンロードできます。解いた後は、リスニング力を鍛えるのに、音声を聞いて真似をしながら自分で口に出すシャドーイングの教材としても活用できますよ。

おすすめレベル 初級〜上級
著者 ETS
出版社 国際ビジネスコミュニケーション協会
価格(税込み) 3,300円

リーディングの集中対策に

リーディングのスキルを高めたいなら「TOEIC® L&Rテスト精選模試 リーディング3」を活用してみてください。TOEICで満点の990点を取得した著者が、最新の出題傾向を研究して作成した問題に取り組め、正解に導くための手順や思考を詳しく解説してくれています。ただし、難易度が高いため上級者向けです。

おすすめレベル 上級
著者 小林美和 Bradley Towle
出版社 ジャパンタイムズ
価格(税込み) 2,090円

リスニングの徹底演習に

リスニングの集中対策として「TOEIC® L&Rテスト精選模試 リスニング3」を利用してみましょう。先ほど紹介した「TOEIC® L&Rテスト精選模試 リーディング3」と同じ講師が監修しています。最新の出題傾向が研究されており、解説も非常に丁寧です。本番よりも難しい問題が出題されていることもあるため、上級者向けです。

おすすめレベル 上級
著者 小林美和 Bradley Towle
出版社 ジャパンタイムズ
価格(税込み) 2,090円

まとめ

TOEIC700点を取得できれば、平均よりも高い英語力があるとみなされて就職や転職で有利に働きます。TOEIC700点を取得するためにはある程度の勉強時間が必要ですが、学習のコツをつかむことで効率よく学習を進められます。

TOEICの対策を通して単語や文法などの理解が深まったら、アウトプットの機会もぜひ増やしてみてください。学んだことをより定着させることができ、コミュニケーションで使える実践的な英語力も身につきます。アウトプットの練習では、オンライン英会話のレアジョブがおすすめです。時間や場所を選ばず自分のペースで学習を進められるので、忙しい社会人でも受講がしやすいですよ。無料体験レッスンを受けられるので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?

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