英語のイントネーションとリズムは自力で改善できる!そのルールと練習法を解説

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英語学習で苦労することの1つが、ネイティブのようなイントネーションや強弱、音の時間的なリズムを身につけることです。日本語は橋と箸のように単語の中にピッチ(高低)アクセントがあるものの、文全体は英語と比べるとかなり平坦です。また、日本語の平仮名は1拍ずつ同じ音の長さで発音され、「こん・にち・は」「おは・よう・ご・ざい・ます」のように2拍ずつまとめてリズムをとる特徴があります。

一方、英語のリズムの特徴は「長短」と「強弱」です。外国人が話す日本語が不自然に聞こえるのは、日本語を英語のリズムで話すからです。外国人が「こんにちは」を「タッ・ターン・タタ」のようなリズムで、「に」を長く強く「こん・にー・ちわ」のように言うのを聞いたことがあるでしょう。

イントネーションとリズムを身につけるのは難しいと感じるかもしれませんが、スピーキング力だけでなくリスニング力もアップするので英語習得においてとても重要です。

この記事では、イントネーションやリズムを改善するために知っておくべきルールと練習法を解説します。

イントネーションのルール

イントネーションとは、音調を上げたり下げたりして「抑揚」をつけることです。しっかりルールを理解しておきましょう。

文の種類によるイントネーション

英語のイントネーションの基本は、下げ調子になる「下降調」、上げ調子になる「上昇調」の2つです。実際の発話では、下げ調子から上げ調子になる「下降上昇調」、上げ調子から下げ調子になる「上昇下降調」、音調を変えない「平坦調」などもあります。

下降調:音調を下げる( ⤵ )
上昇調:音調を上げる( ⤴ )
下降上昇調:音調を下げてから上げる( ⤵ ⤴ )
下降上昇調:音調を上げてから下げる( ⤴ ⤵ )
平坦調:音調を変えない( → )

まず、基本となる上昇調と下降調がどんな文で使われるのか見ていきます。

下降調になる文

下降調になる文は以下の3つです。

下降調:肯定文、否定文、5W1Hの疑問文

肯定文は否定を表す単語(not、never、noなど)を使わずに肯定の意味を表す文で、反対に否定文は否定を表す単語を使って否定の意味を表す文を指します。また5W1Hの疑問文は、疑問詞「What、Where、When、Who、Why、How」を使った文です。

肯定文

He speaks English at work. ( ⤵ ) (彼は職場で英語を話す。)

否定文

He does not speak English at work. ( ⤵ ) (彼は職場で英語を話さない。)

5W1Hの疑問文

Why does he speak English at work? ( ⤵ ) (どうして彼は職場で英語を話すの?)

上昇調になる文

上昇調になるのは以下のような文や状況のときです。

上昇調:Yes / Noの疑問文、付加疑問文、相手の発言が聞こえない・分からないとき、相手の発言が腑に落ちないとき

Yes / Noの疑問文とは5W1Hを使わずに疑問を表して「はい」「いいえ」で答えられる文のことで、付加疑問文とは相手に同意を求めるときなどに「~だよね?」という意味で使う文のことです。

Yes / Noの疑問文

Do you play tennis? ( ⤴ ) (テニスをする?)

付加疑問文

You play tennis, don’t you? ( ⤴ ) (テニスをするよね?) = 同意

相手の発言が聞こえない・分からないとき

What did you say? ( ⤴ ) (何て言ったの?)

相手の発言が腑に落ちないとき

You play tennis? ( ⤴ ) (テニスをするの?) = 疑い

話者の意図によるイントネーション

以下のように話者の意図でフレーズや単語のイントネーションを変えることも可能で、イントネーションにより意味が変わります。

Excuse me, ( ⤵ )と下げると「すみませんが」という意味
Excuse me? ( ⤴ )と上げると「何と言いましたか?」と聞き返す意味
Excuse me? ( ⤴ )と上げて全体的に強く言うと「何を言ってるの?」と怒っている意味

また先に示したように、肯定文を上昇調にすると「疑いや驚き」を表します。

He speaks English at work? ( ⤴ ) (彼は職場で英語を話すの?)
= 疑い・驚き

付加疑問文は同じ文でも下降調にすると「同意」から「念を押す」「確認する」というニュアンスに変わります。

You play tennis, don’t you? ( ⤵ ) (テニスをするよね?)
= 念押し・確認

強弱と時間的なリズムのルール

英語に強弱と時間的なリズムをつけると、ぐっとネイティブの発話に近づきます。ルールから見ていきましょう。

内容語と機能語

強弱をつけるためには、「内容語(content word)」と「機能語(function word)」を見分ける必要があります。それぞれ何を表し、どんな品詞があるか見ていきます。

内容語

内容語とは「実質的な内容」を表す語で、文法的な意味はありません。以下に内容語になる品詞と代表例を示します。

内容語

名詞:flower / people / library / dog / orange / Peter
形容詞:cute / happy / careful / dangerous / expensive
一般動詞:come / eat / read / listen / swim
副詞:exactly / very / sometimes / almost
指示代名詞:this / that / these / those (この・その・あの~を指すもの)
所有代名詞:mine / yours / her / theirs / Peter’s
疑問詞:what / when / where / why / who / how
再帰代名詞:myself / yourself / herself
notやnotを含む否定短縮形:not / don’t / shouldn’t / can’t / haven’t

「notやnotを含む否定短縮形」は品詞ではありませんが、内容語と同じ役割があるので併せて示しました。

機能語

機能語とは語の意味が曖昧で、「文法的な構造」を表す語です。以下に機能語になる品詞と代表例を示します。

機能語

前置詞:at / on / between / about / by / with / for
助動詞:do / have / should / must / will / would / can / could / shall / may
冠詞:a / an / the
人称代名詞:I / my/ me / you / he / his / they / our / them
関係代名詞:who / that / which / that
接続詞:but / and / because / if / as / while / so / although
Be動詞:am / is / are / was / were / be

内容語は「強・遅」、機能語は「弱・速」

英文は実質的な内容を表す「内容語を強くゆっくり」、文法的な構造を表す「機能語を弱く速く」発話して、強弱と時間的なリズムをつけます。

I would probably take a long holiday if I won the lottery. (もし宝くじに当たったら、おそらく長い休暇をとるだろう。)
takeは「動詞」で「内容語」 ⇒ 強くゆっくり

この文を順番に品詞に分けると以下のようになります。

I は「人称代名詞」で「機能語」 ⇒ 弱く速く
would は「助動詞」で「機能語」 ⇒ 弱く速く
probably は「副詞」で「内容語」 ⇒ 強くゆっくり
take は「動詞」で「内容語」⇒ 強くゆっくり
a は「冠詞」で「機能語」 ⇒ 弱く速く
long は「形容詞」で「内容語」 ⇒ 強くゆっくり
holiday は「名詞」で「内容語」 ⇒ 強くゆっくり
if は「接続詞」で「機能語」 ⇒ 弱く速く
I は「人称代名詞」で「機能語」 ⇒ 弱く速く
won は「動詞」で「内容語」 ⇒ 強くゆっくり
the は「冠詞」で「機能語」 ⇒ 弱く速く
lottery は「名詞」で「内容語」 ⇒ 強くゆっくり

強くゆっくり発話する部分を太字にしてみましょう。

I would probably take a long holiday if I won the lottery.

このように内容語と機能語を見分けて、「強くゆっくり」発話する部分と「弱く速く」発話する部分を明らかにします。

話者の意図による強弱

リズムも話者の意図で「強調したい部分を強くゆっくり」発話することがあります。

This is my bag. (これが私のかばんです。)
⇒ 他のどれでもない「これ」を強調

This is my bag. (これは私のかばんです。)
⇒ 他の誰のものでもない「私の」を強調

This is my bag. (これは私のかばんです。)
⇒ かばん以外のなにものでもないことを強調

上記の文は通常、指示代名詞のThisと名詞bagが強くゆっくり発話されますが、このように強弱と速さを変えて話者の意図を表します。以下も同様の例です。

You should go now. (あなたは今行くべきだ。)
⇒ 他の誰でもない「あなた」を強調

You should go now. (あなたは今行くべきだ。)
⇒ 後ではなく「今」を強調

イントネーションと強弱をつけて練習しよう

英文のどこを強くゆっくり発話するのかが分かったところで、効果的な練習法を見ていきます。最初は2~3文のまとまりで内容語と機能語を見分けて練習しましょう。

ステップ1:文を分割する

まず、2~3のまとまった文を「意味的あるいは文法的に適切な位置」で分けて、いくつかのグループを作ります。以下のような文があった場合、どこで文を分ければいいのでしょう?大きな分け目を「 // 」、小さな分け目を「 / 」で示します。

Excuse me, I’d like to go to Akihabara, but I’m not sure how to get there. Do you know which train I should take?(すみません、秋葉原に行きたいのですが、行き方が分かりません。どの電車に乗ればいいの知っていますか?)

Excuse me, // I’d like to go to Akihabara, / but I’m not sure how to get there. // Do you know which train I should take?

4つのグループに分けることができました。文の中に接続詞(ここではbut)などが入るときには小さな分け目とし、話すときに大きな分け目ほどポーズをおかずに発話します。

ステップ2:「強・遅」で発話する部分を明確にする

次に、強くゆっくり発話する「内容語」を文の中から見つけます。内容語を太字で示すので確認してください。

Excuse me, // I’d like to go to Akihabara, / but I’m not sure how to get there. //Do you know which train I should take?

ステップ3:「最も強く」発話する部分を明確にする

分けたグループに内容語が1つなら、その単語をそのグループの中で強くゆっくり発話します。また、グループ内に2つ以上の内容語がある場合は、内容語の中でどの単語が最も重要なのかを明らかにしておかなければなりません。

そして最も重要となる語を最も強くゆっくり発話するようにしましょう。最も強くゆっくり発話する単語を大文字の太字で示します。

EXCUSE me, // I’d like to go to AKIHABARA, / but I’m NOT SURE how to get there. // Do you know which TRAIN I should take?

上記例文の2つ目のグループでは行きたい場所である「秋葉原」が、3つ目のグループでは行き方が「分からない」が、4つ目のグループでは乗るべき「電車」が重要だと考えられます。

ステップ4:「イントネーション」を明確にする

さらに、グループごとにイントネーションが上昇調か下降調かを明らかにしておきます。

EXCUSE me, ( ⤵ ) // I’d like to go to AKIHABARA, ( ⤵ ) / but I’m NOT SURE how to get there. ( ⤵ ) // Do you know which TRAIN I should take? ( ⤴ )

ちなみに、ネイティブは3つ目のグループのNOT SURE以下はhow toが「ハウラ」または「ハウダ」のようになり、get thereを「ゲッゼア」のように発話します。つまり、how to get thereが「ハウラ(ハウダ)ゲッゼア」のような発音になるということです。無理にそのように発音する必要はありませんが、toが「ハ」「タ」「ダ」のように弱く速く発音されることを知っておくとリスニングに役立つでしょう。

ステップ5:何度も「声に出して練習」する

準備が整ったので、イントネーション、強弱、時間的なリズムを意識しながら何度も声に出して練習します。最初はゆっくりでも構いませんが、少しずつ速く発話するようにしてください。うまくできるようになったら、他の英文に変えて1から5を繰り返してイントネーションと強弱に慣れていきましょう。

応用編

先に述べたように、話者の意図で強調したい部分を変えることができるので、同じ文で強くゆっくり発話する部分を変えて練習してみましょう。

Police finally caught the thief outside the building. (警察はついに建物の外で泥棒を捕まえた。)

上記の文では2つのthe以外はすべて内容語になり、強弱や時間的なリズムをつけるのが少し難しいですよね。そんなときには以下のように、自分が強調したい部分を強くゆっくり発話します。このような練習をすれば、感情のこもった発話も可能になるでしょう。

Police finally caught the thief outside the building. ⇒ 「警察」を強調
Police finally caught the thief outside the building. ⇒ 「ついに捕まえた」を強調
Police finally caught the thief outside the building. ⇒ 「泥棒」を強調
Police finally caught the thief outside the building. ⇒ 「建物の外」を強調

オーバーラッピングなどでさらにスキルアップ!

イントネーション、強弱、時間的なリズムに慣れてきたら、それらを意識しながらオーバーラッピング、シャドーイング、リピーティング、音読など他のトレーニングを取り入れましょう。これまで以上にリスニングもスピーキングもしやすくなるはずです。さまざまなトレーニングを組み合わせることで、さらなるスキルアップが期待できます。

まとめ

慣れないうちは「内容語」を見つけたり、内容語の中から最も重要な単語を選んだりするのは大変かもしれません。けれども、ここでご紹介したステップを繰り返していくうちに、あまり意識しなくても「強くゆっくり」発話する部分が把握できるようになっていくはずです。リズムをとるのが難しい場合は、手を叩いたり「タンタタターン」のように音のリズムで考えたりするのも1つの方法です。ルールをしっかり理解して練習を繰り返せば、イントネーションやリズムは改善できます。スキルアップしてネイティブの発話に近づけていきましょう!

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