英語「to」の使い方でもう混乱しない!前置詞toと不定詞toの意味と使い方を徹底解説

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「to」には前置詞としての働きと不定詞としての働きがあります。一見同じように見えますが2つの違いを整理して、それぞれの詳しい意味や使い方を知っておけば、英語学習がよりはかどります。英語学習に対して前向きな気持ちになり、英会話といったコミュニケーションにも取り組んでいけばさらに、世界がぐっと広がるでしょう。

前置詞のtoといえば to Japan(日本へ)といった言い回しがすぐに思い浮かびますが、「to」が何度も出てくる長い英文中ではそれらが全て「~へ」という意味であるとは限りません。そこで、toの役割をきちんと理解して、正しく英文を読みこなせるように、詳しく解説していきます。

前置詞のtoと不定詞のtoの違い

「to」は一見簡単な単語に見えますが、前置詞の用法と不定詞の用法をきちんと整理して理解することがポイントです。具体的な見分け方についてルールを理解しておくと、より英文を理解できるようになり読むのが楽しくなりますよ。違いについて理解にするには「一見してわかる形式面からの違い」と「役割の違い」の両面から確認しておく必要があります。このあとで体系立てて解説をしていきますので、確認していきましょう。

前置詞toの基本的なイメージは「向かい合う」

前置詞 toについては、 「対象に向いている」「対象に向かい合っている」の2つをコアイメージとして持っておきましょう。以下で前置詞toの6つの意味を解説していくので、どちらのイメージなのかを思い描きながら確認してみてください。

前置詞toの6つの意味と使い方

まず前置詞は基本として後ろに必ず名詞が来ます。toの直後が名詞の時は前置詞として用いられていると理解してください。前置詞で使われるtoには、主に6つの意味と使い方があるので以下で詳しく見ていきましょう。

1. 目的地や方向を表すto

目的地などある一点への方向を表す時に用いられます。

He walked to the next town.(彼は隣町まで歩いた。)

go などの「移動」を示す動詞に伴って用いられる場合、to は「対象(目的地)まで行く」という意味になります。最も一般的な 用法と言えるでしょう。この例では、「対象に向いている」イメージを「対象に顔を向けて行く」→「対象まで行く」という流れでとらえれば、違和感なく結びつけられます。

A five minutes’ walk brought me to the school. (5分歩くと学校についた。)

この場合でも前置詞toの果たす役割は同じです。5分間歩くことによって(A five minutes’ walk)、学校という目的地に(to school)私を連れて行った(brought me)と捉えるとわかりやすいでしょう。

He‘s expecting a transfer to the branch office. (彼は支社への転勤を予想している。)

支社という目的地への(to the branch office)転勤(transfer)という流れです。

We went to Okinawa for a vacation. (私たちは休暇で沖縄へ行った。)

沖縄という目的地へ向かって行ったという意味でtoが使われています。

2. 結果を表すto

変化を表す動詞に伴って結果を表す時に用いられます。主に程度や度合いの変化に用いられることが多いです。

The film moved me to tears. (その映画に感動して涙が出た。)

映画を見た(The film)その結果(to)、涙が出るという状態に(tears)自分の感情が動いた(moved)という流れで捉えることができます。

She nursed me back to health.(彼女の看護のおかげで、彼は健康になった。)

彼女がケアしてくれた(She nursed)その結果(to)、健康になった(health)という流れで捉えることができます。

To my surprise, they got married.(驚いたことに、彼らは結婚した。)

この文では最初にToが来ていますが、何かが起きた結果(to)私が驚くに至った(my surprise)と捉えられます。

The glass fell on the floor to pieces.(グラスが床に落ちて粉々になった。)

グラスが床に落ちて(The glass fell on the floor)その結果(to)、粉々になった(pieces)となります。

To some extent what we discussed is true. (私たちが議論したことのある程度は正しい。)

程度を表すtoとして、to some extent(ある程度)やto my knowledge(私の知る限りでは)など、熟語として使われることが多いです。

3. 時間や期限を表すto

到達点として、時間や期限を表す時に使われます。

We work from Monday to Friday. (私たちは月曜日から金曜日まで働く。)

時間を表すtoの典型的な例で、ここでは月曜日から金曜日へと時間的な到達点に向かっているイメージです。

The construction will be conducted from Feb.18th to 23rd. (工事は2月18日から23日まで実施される。)

Films are usually seen from beginning to end. (映画はたいてい最初から最後まで鑑賞される。)

Our hotel can accommodate up to 300 guests. (私たちのホテルは100名までの客を収容できる。)

4. 結合や付加を表すto

ある対象に向かって結合や付加を表す時に使われます。

Attach your photo to your application form.(写真を申請書に添付しなさい。)

申請書(your application form)に向かって(to)写真(photos)を添付すると捉えられます。「attach A to B 」 は「A を B に添付する」というひとまとまりの意味で覚えている人も多いかと思いますtoのイメージとともに覚えることでよりふに落ちるのではないでしょうか。

I added a little bit of broccoli to the omelet. (オムレツにブロッコリーを少し添えた。)

ブロッコリーがオムレツに付加される(to the omlet)ことを表すのにtoが使われています。

5. 比較を表すto

比較を表す時に使います。「対象に向かい合っている」というコアのイメージで捉えるとわかりやすいでしょう。

I prefer music to math. (音楽の方が数学より好きだ。)

「prefer A to B」は「B よりも A の方を好む」という意味です。to は music(音楽)と math(数学)を並べて対比させる働きをしています。

Let us compare baseball to football.(野球とフットボールを比較してみよう。)

「compare A to B」は「AとBを比較する」という意味ですが、toはbaseball(野球)とfootball(フットボール)を並べて対比させる働きをしています。

Urawa Reds beat Shimizu S-PULSE by 3 to 2.(浦和レッズが清水エスパルスに3対2で勝った。)

3 to 2 は「3対2」という意味でto は 3 と2を並べて対比させる働きをしています。

このように対比を表すtoは、他にも以下のような言い回しがあります。よく使われる表現でもあるので、熟語として覚えておきましょう。

seniore / junior to A (A よりも年上である/年下である)

superior / inferior to A (A よりも優れている/劣っている)

prior to A (A よりも前に)

6. 適合や一致を表すto

適合や一致を表す時に使います。向かい合った状態で2つの対象がお互いに向かって進み2つの対象が重なるというイメージから、適合や一致を表すと捉えるとわかりやすいかもしれません。

We danced to his saxophone.(私達は彼のサックスに合わせて踊った。)

彼が演奏するサックスに合わせて(to his saxophone )踊っているという意味です。

I cannot find the key to the door.(そのドアに合う鍵が見つからない。)

key to the doorは「そのドアに適合する鍵」という意味で、そのドアを開けることができる鍵ということです。

We need to work for an answer to the problem.(その問題に対する答えを見つけなければならない。)

an answer to the problemは「その問題に適合する答え=その問題を解決する答え」と考えられます。

This expression is equivalent to that one in meaning.(この表現は意味的にそれと対応する。)

that one はthis expressionに対して「あの表現」という意味になっています。equivalent(同等の)という表現がすでにありますが、this expressionがthat one と一致していると表すのにtoが使われています。

「to」と似ている前置詞「for」との違い

前置詞「to」と「for」はどちらも「~へ向かって」と捉えていて、どう使い分ければいいか迷っている人も多いのではないでしょうか。基本的に使い分けは、(1)結果を含んでいるかどうか(2)その行動が相手を必要とするかどうかで判断します。

(1)結果を含んでいるかどうかについて「for」は「向かう方向」だけを意味しますが、「to」には「向かう方向」と「到達する」という結果の意味も含まれます。

The airplane left for France. (飛行機はフランスに向けて出発した。)

この場合、飛行機がフランスへ向けて出発したということまでしかわかりません。

The airplane went to France. (飛行機はフランスへ行った。)

こちらのtoを使うと「飛行機がフランスへ到着した」という事実が含まれています。

(2)「for」は相手がいなくてもできる動作を表す時に、「to」は相手がいないとできない動作を表す時に使います。以下の例文を確認しましょう。

I bought a watch for him.(彼のために時計を買った。)

ここでは相手がいなくても時計を買うことができます。

I showed a watch to him.(彼に時計を見せた。)

時計を見せるためには相手が必要なので、「to」を使います。

不定詞で使われるtoとは

不定詞とは動詞の意味は持ちながら動詞ではなく、名詞や形容詞、副詞など他の品詞として文中で働くことができるものです。一般的には、動詞に準じる働きをすることから準動詞と呼ばれるものの1つとされています。

不定詞は原形不定詞とto不定詞があります。原形不定詞は動詞の原形と同じ形で、to不定詞は「to+動詞の原形」の形を取るものです。いずれも、主語の違いや単数・複数などに「限定されない」ことから「不定」詞と呼ばれます。過去形の-edや三単現の-sのような活用はされません。

toには、先に紹介した前置詞の他にto不定詞として使われることもよくあります。以下でto不定詞の働きについて詳しく見ていきましょう。

to不定詞の働きとは

toには前置詞とto不定詞の働きがありますが、toの直後が名詞の場合は前置詞、動詞の原形が来る場合はto不定詞と覚えましょう。

toには「対象に向いている」といったコアイメージがあるとすでに解説をしましたが、to不定詞のtoにも「以後の動作に向いている」といったイメージを持つことができます。なのでto不定詞は基本的には未来志向の表現と言えます。以下の例文でもイメージをつかんでみてください。

I want to see her.(私は彼女に会いたい。)

to不定詞で使われている「to see her」を見ると、「彼女に会う」というのはこれから起こる未来のことです。

to不定詞の3つの意味と使い方

to不定詞には、文中で3つの働きがあります。名詞として働く「名詞的用法」、形容詞として働く「形容詞的用法」、副詞として働く「副詞的用法」です。以下で1つずつ順に解説していきます。

名詞的用法「〜すること」

名詞的用法のto不定詞は、名詞として働きます。名詞は文の中で(1)主語または(2)補語または(3)目的語となるので、それぞれの場合の例文を以下で見ていきましょう。

(1)主語として用いられる場合

To meet a student from overseas will be exciting.(海外の学生に会うのは興奮する。)

to不定詞を使った「To meet a student from overseas」(海外の学生に会うこと)はひとまとまりの名詞となり、この文の主語になっています。ただし主語が長くなるのを英語では避ける傾向があるので、この場合は形式主語のitを使って以下のように表現される方が多いです。

It will be exciting to meet a student from overseas.(海外の学生に会うのは興奮する。)

(2)補語として用いられる場合

Your duty is to study.(君の仕事は勉強をすることだ。)

この文はSVC(主語・述語・補語)の文型となっていて「to study」(勉強をすること)が補語の働きをしています。ちなみにSVCの文型の時、S=Cの関係性があるので「your duty」(あなたの仕事)= 「to study」(勉強すること)となるのがわかりますね。

(3)目的語として用いられる場合

I love to learn foreign languages.(私は外国語を勉強するのが大好きだ。)

この文はSVO(主語・述語・目的語)の文型で、loveという動詞は必ず目的語をとる他動詞です。to不定詞を使った「to learn foreign languages」(外国語を学ぶこと)はひとまとまりの名詞でloveの目的語になっています。

形容詞的用法「〜するための」

形容詞的用法のto不定詞は、名詞を修飾する形容詞として働きます。ただし、名詞を後ろから修飾する点に注意しましょう。形容詞一語で名詞を修飾する場合は a red car(赤い車) のように名詞の前に置かれますが、形容詞的用法のto不定詞は、a car to share with friends (友達と共有する車)のように必ず修飾する名詞の後に置かれます。以下の例文で見ていきましょう。

Please bring someone to take care of the baby.(赤ちゃんの世話をする人を誰か連れてきてください。)

どんなsomeone(誰か)なのかを、to不定詞を含む「to take care of the baby」(赤ちゃんの世話をする)が後ろから詳しく説明しています。

I need something to drink.(何か飲み物がほしい。)

どんなsomething(何か)なのかを「to drink」 (飲む)が後ろから説明しています。

I made a decision to study abroad.(私は留学するという決断をした。)

どんな decision(決断)なのかを、「to study abroad」(留学する)が説明しています。

You need a permit to park here.(ここに車を止めるには許可が必要でしょう。)

どんなpermit(許可)なのかを「 to park here」(ここに駐車する)が説明しています。

副詞的用法「〜するために」

副詞的用法のto不定詞は、動詞や文全体など名詞以外を修飾する副詞として働きます。以下の例文で見ていきましょう。

I save money to buy a car.(私は車を買うためにお金をためている。)

「I save money」(お金をためている)という文に、「to buy a car.」(車を買うために)という目的に関するプラスの情報を付け加えています。

The boy grew up to be a tennis player.(少年は大きくなってテニスプレーヤーになった。)

少年が大きくなってテニスプレーヤーになったという結果を表す意味でto不定詞が使われています。

I’m very glad to help you.(お役にたてて光栄です。)

嬉しい気持ちになった理由として「to help you」(あなたの役にたてた)とto不定詞が使われています。

He cannot be a good artisan to make such a careless mistake.(そんなうっかりミスをするなんて彼はいい職人なはずがない。)

彼がいい職人なはずがないと判断している理由として「 to make such a careless mistake」(そんなうっかりミスをするような)を示しています。

She is so kind to help me.(彼女は私を手伝ってくれてやさしい。)

「to help me」(私を手伝ってくれる)が付くことで、どのようにやさしいのかを説明しています。

まとめ

前置詞のtoと不定詞のtoの理解は、英語を理解する上でとても大切です。前置詞のtoはその後に名詞が来る、不定詞のtoは動詞の原形が続くといった基本的な文法上の違いをまずはわかるようになりましょう。そうすれば英文中にたくさんtoが使われていても、文章の構造をつかんだり、読み解いたりすることがスムーズにできるのではないでしょうか。

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