英語学習にはTEDがおすすめ!スピーチの達人から英語を学ぼう

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世界のさまざまなジャンルのプレゼンテーションを無料で視聴できるTEDは、好みの分野の専門家や識者の話を聞いて情報や知識を仕入れるだけでなく、英語学習にも最適です。著名人だけではなく、小学生のプレゼンターもいて、バラエティ豊か。英語のスクリプトに加え、日本語の字幕も見れるので英語が苦手な人でも取り組みやすいのが特徴です。

具体的にTEDを利用した学習方法を解説し、あわせてTEDに馴染みがない方や動画の選択に迷う方のために初級者から視聴可能なおすすめ動画をご紹介します。

TEDが英語学習におすすめの理由

TEDを英語学習に利用する観点からみると次のような特徴があります。

素晴らしいプレゼンテーションが見放題

あらゆる分野に精通した著名人・識者のプレゼンテーションを無料で視聴できます。英語学習目的ではなくても、興味ある分野のプレゼンテーションを視聴することで、自分の知識を増やしたりビジネス上のヒントを得ることができます。

最先端の研究者やエンジニア、面白いアイデアのある起業家、人とは違った角度の視点から意見を述べている子供など実に多種多様な人のスピーチを見ることができます。TEDでこれまでで最も若いスピーカーはオーストラリア人の7歳の女の子です。

動画のトランスクリプトが見れる

全ての動画ではありませんが、スピーチ原稿を見ることができます。スピーチや発音の練習をするのであれば、動画の速度を少し遅めに設定してトランスクリプトを見ながら真似をする訓練ができます。また、字幕なしで見てわからない部分や、じっくり内容を把握したい部分もトランスクリプトで確認できます。

トランスクリプトは英語だけのものではなく、各国語に翻訳されているものも一緒についている場合があります。

字幕つき

「英語のリスニングが苦手。まずは話している内容を知りたい」「英語学習に使うには難易度が高い動画だけど、内容に興味がある」という場合には、日本語字幕をオンにして視聴するといいでしょう。また、「全体の内容を理解したつもりでも細かい部分がわからない」「どうしても意味がわからない部分がある」といった場合にも日本語字幕があるのはとても便利です。

補足資料が見れる

動画によってはReading List( 図書目録)や Footnotes(補足)がついているものがあります。Reading Listはプレゼンターが書いた過去の記事や本、関わっている組織などがリスト化されており、クリックすると見られるようになっています。

また、Footnotesはプレゼンテーションの内容を補足する資料のリストが掲載されています。スピーチの内容についてさらに深く知りたい方はぜひこちらにも目を通すと、さらに知識が広がりますし、英語のリーディングの訓練にもなります。

プレゼンテーションの方法を学べる

TEDのスピーカーになるのは超難関です。TEDxという各地のカンファレンスで認められるようになって初めてスピーカーとして招待されます。狭き門をくぐり抜けて選ばれた凄腕スピーカーたちのプレゼンテーションから学ぶものが非常に多くあります。

ストーリーの作り方、タイミング、視聴者の興味に逸らさない工夫、プレゼンターとしてのスタイルや態度、わかりやすい話し方や内容など、普段日本語でしかプレゼンテーションをする機会がない方でも学べることは大変多いでしょう。

TEDのスピーチ時間は18分です。神経科学及び戦略的に考え抜かれた時間です。内容を説明するには十分で、視聴者が飽きない時間とされています。プレゼンテーションは実は時間が長い方が楽な場合が多く、短くなればなるほど困難になります。「短い時間内にいかにポイントを余すところなくわかりやすく説明するか」が難しいことは普段社内外が学校でプレゼンテーションの機会がある方はお分かりになるのではないでしょうか。

TEDのスピーチの準備は、人によっては100時間以上かけられているとのこと。たった18分のために100時間!膨大な時間を使って、綿密に準備され考え抜かれたプレゼンテーションが無料で視聴できるなんて素晴らしいですよね。英語学習だけではなくプレゼンテーション訓練にもTEDをぜひ活用してください。

TEDを使った学習方法

TEDを効果的に英語学習に活用する方法を解説します。今までなんとなく視聴していた方や、どう学習に利用すればいいのかわからない方はぜひ参考になさってくださいね。

リスニング

TEDはおすすめ動画の中から選ぶか、スピーチの長さやジャンルを指定して検索することができます。
英語学習に活用することに重点を置く場合、短めのものが最適です。英語のリスニングが楽になるまでは、10分以内の短い動画を選びましょう。

いくら内容が面白くても、英語学習という観点から考えると長いと飽きて疲れてしまいます。5分程度でもずっと英語だけを聞き続けるのは苦痛に感じる方もいらっしゃるかもしれません。その場合は今日は前半半分、翌日は後半半分、というように分けて視聴します。

内容把握のためのリスニング訓練は次のような順序で行うことがおすすめです。

1. 字幕なしで視聴

まずは1-2回字幕なしで視聴します。この際、細かい部分ではなく、「全体の大まかな内容及びスピーカーが伝えようとしている大事なポイントが理解できるか」に集中します。日本語もそうですが、一語一句単語が聞き取れる必要はありません。80%の理解を目指しましょう。

最初に字幕なしで視聴した時に、スピーチのサマリーや理解できたことをメモしておくといいですね。あとで確認する時に自分のリスニングレベルの確認になります。

いくら全てが理解できたといっても内容をサマリーすることは、たとえ日本語でも難しく感じることも多いですよね。「ポイントをつかみ、短い文章でまとめる」という訓練は仕事や学校の勉強にも役立つはずです。

英語で誰かと特定の内容についてディスカッションするときは、この素早いサマリー能力が重要となります。英語の資格試験にも必要な能力となるので、面倒臭がらずぜひ続けてみてください。

2. 英語字幕で聞き取れなかったところを確認

次に字幕付きで再度視聴し、内容がきちんと理解できるかを確認します。字幕なしで見たときの自分のメモも確認しましょう。聞き逃したりわからなかったポイントを確かめます。

またトランスクリプトで気になった英語フレーズや単語をメモして復習に役立てると、語彙力強化につながります。

余力があれば字幕つきで視聴する前に最初の2-30秒ほどをディクテーション(書き取り)してもいいでしょう。終わったらトランスクリプトで確認します。やってみるとわかりますが、30秒でもなんども聞き直して書き取るのは結構時間がかかります。毎回だと負担になるので、あくまで余力のあるときにします。

3. (日本語訳で確認)

英語字幕で視聴しても、やはり内容の理解度が低く感じる方は日本語字幕で再度視聴してみましょう。英語字幕やトランスクリプトでチェックしておいた部分の日本語訳を確認してもいいかもしれません。

英語字幕で内容がきちんと理解できた方は、この作業は飛ばしてもかまいません。

4. 字幕なしで視聴

最後にもう一度字幕なしで視聴します。内容がきちんと理解できているので、驚くほど聞き取れるようになっていることを実感できるはずです。自信にもつながりますし、何度も同じものを聴くことがリスニング力向上のカギです。早い方なら数週間、遅くとも数ヶ月以内に自分のリスニング力の飛躍を感じられことでしょう。

スピーキング

TEDはリスニングだけではなく、スピーキング訓練にも活用することができます。

まずはリスニング練習をきちんと行い、その延長線としてスピーキング練習をしますが、リスニング訓練中に次のようなことをあわせて行うと、リスニング練習のついでにスピーキングの練習もできます。

1. サマリーを英語で口頭で行う

字幕なしでみたときのサマリーをできればメモにする前に、口頭で英語で行ってみましょう。この口頭でのサマリー能力は英語資格試験の2次試験にも役立つはずです。

また英会話でも相手に対して反論したいとき・自分の意見を述べたいときに、「あなたの意見はこうだけど私は違う」「あなたの意見のこういうところに賛成する」のように一度サマリーすると説得力がありますよね。

「口頭ではどうしてもサッと英語が出てこない」という場合はメモを日本語にする代わりに英語で書いてにて、あとで読み上げてもいいですが、自分だけの勉強なのでいくら間違ってもたどたどしくても恥ずかしいことは全くありません。

簡単な一文だったり文法的に間違っていてもかまわないので、まずは英語で考えて口頭で内容を要約する努力をしましょう。最初はものすごく大変かもしれませんが、徐々に慣れていきます。日本語に訳さず英語で直接考える力も養われるので、ぜひトライしてください。

2. 学んだフレーズの例文を作成・発話

英語字幕を見ながら視聴したときや、トランスクリプトでチェックしたフレーズや単語の例文を自分で作ってみましょう。できればその場で口頭で行うことが効果的ですが、まず書いてから口に出してみても大丈夫です。さらにその例文を使った会話を想像し、一人英会話するとスピーキングのとてもいい練習になります。

3. スピーチのシャドーウィング

最後に字幕なしで視聴したとき、あるいは最初に字幕なしでみるときにシャドーウィングを行います。シャドーウィングとは、少しテンポをずらして耳から聞こえるものをそのまま声に出していく作業です。発音やアクセント、イントネーションの訓練になります、

また英語自体の訓練だけではなく、プレゼンテーションの訓練に使いたい場合もこのシャドーウィングが有効です。

そのとき、スピーカーが「どの部分をゆっくりめに話したり、早めたり、強調しているのか」「イントネーションが上がっているか下がっているか、またそれによって聴衆にどのような反応を与えているのか」などに注意しながら行います。

筆者自身も子供のときに何度か英語のスピーチコンテストに参加したことがあります。準備の際にネイティブ講師にスピーチの組み立てのしかたはもちろん、実際のスピーチの抑揚とメリハリ、スピードについて徹底指導を受けました。

いくら内容が素晴らしくても、スピーチにメリハリがなく、強調ポイントが伝わらないととてもつまらないスピーチになります。トップレベルのプレゼンテーションスタイルを学ぶいい機会なので、スピーキング練習の延長で、スピーチの練習も意識して行ってみましょう。

英語学習におすすめのTED動画

TEDのスピーチの基本は18分ですが、5分程度の短い動画も多数アップされています。話すスピードもそれほど早くなく、平易な言葉ではっきり話されているもので、初級者から英語学習に使えるおすすめ動画をいくつかご紹介します。どの動画を選んだらいいのかわからない場合は、まずはこのリストの中から視聴してみてくださいね。

12歳のアプリ開発者

ipadやiphoneでアプリを開発している12歳の少年のスピーチです。自分でどうアプリを開発していったのかの経験を話しています。易しい単語を使っているので初級者におすすめ。欧米の学校では小学生、場合によっては幼稚園からプレゼンテーションを訓練しており、学校の成績や大学入試に大きく影響します。子供ながら非常によくできたプレゼンテーションで、自分の経験を面白く語っていますので、中高生の英語学習者にもおすすめのスピーチです。

免疫システムの働きについて

通常の壇上でのプレゼンテーションではなく、スライドを使った講義的な動画です。免疫システムの働きについてわかりやすく説明されています。健康に関する基本的英語表現を学ぶことができます。

決断を早める方法

FOMO(=fear of missing out、見逃すことに対する恐怖)という流行り言葉がありますが、そのFOMOという言葉を生み出した人によるプレゼンテーションです。動画ではFOMOをモジってたFOBO(=fear of a better option、さらに良い選択肢を恐ること)について解説し、決断を鈍らせる理由とその解消法について話しています。新しいことを始めようとして迷っていたり、自分は決断力がないことに悩んでいる方には興味深い内容でしょう。

ストーリーテリング技術


飛び出す絵本を開発したドイツのローター・メッゲンドルファーについての話からストーリーを伝える技術がどう変わってのかについて面白おかしく話されたスピーチです。

動画がバイラルになる理由

YouTubeのカルチャー&トレンド責任者であるケヴィン・アロッカのスピーチ。いくつかバイラルになった動画を紹介しながら、バイラルになる理由について説明しています。話すスピードは少し早めなので、初級者ならスピードを遅めに設定してリスニングするといいでしょう。

リモートワーク疲労を解消する3つの方法

パンデミックの影響で自宅でリモートワークをする人が増えましたが、仕事と私生活の切り替えが難しかったり、ビデオ会議にうんざりしているなど、「リモートワーク疲労」に悩む人がたくさんいます。リモートワーク疲労を解消する3つの方法について解説しています。

次のアウトブレイク

今回のパンデミックを予想したと言われ、話題になった有名なビル・ゲイツのスピーチです。エボラ熱はどう対策されたか、この病気にはどのような特徴があるのかについて説明したあとに、スペイン風邪の例を出して未来のアウトブレイクに警笛を鳴らしています。旅行した人が国外に運んだり市場に行ったりして他人に空気感染させるウイルスに言及したことにより話題になりました。

人生をどう生きるか

知らない人はいないと言われるほど有名な、スタンフォード大卒業式で行われたスティーブ・ジョブスのスピーチです。15分と他の動画より長いですが、一度は見るべき素晴らしいスピーチです。

ジョブスが自分の半生について語り、卒業して社会に出る学生に向かって「時間は限られているから無駄にするのはやめよう。レールに敷かれた人生を歩んだり他人やの評価や気にするのではなく、自分の直感と心に従おう」と訴えています。

学生や若者だけでなく、すでに社会に出て時間がたっているや、リタイアしてこれからの余生をどう過ごそうかと思っている人にも学びを得られる言葉が散らばっています。

人生をどう生きるか

まとめ

TEDでは数え切れないほどの良質なプレゼンテーションやスピーチを無料で視聴し放題です。これを英語学習に役立てないなんてもったいないですよね。英語学習用に作られた動画は純粋に英語学習だけが目的ですが、TEDでは仕事や私生活に役立てられる学びを同時に得ることができます。なんといっても素晴らしいスピーチを会場に足を運ばずして自宅で見れるのです。ぜひ活用しましょう。

普段YouTubeの面白い動画を見ている時間を少しTEDを見る時間にあててください。1本の動画は一日で学習し終わる必要はありません。スキマ時間を使い、「今日はまず字幕なしで通してみる、明日は字幕つきで、明後日は単語をチェックして…」のように何日かかけて一通りの学習をする方法もあります。無理のない方法で少しずつ楽しんで学習を続けましょう。

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