TOEFLは就職に有利?TOEICとの違いやスコア目安とは

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就職活動を進めるなかで、履歴書や面接でのアピールポイントとなる英語力。その英語力を証明する資格の1つにTOEFLがありますが、日本ではTOEICほどメジャーではないため、興味はあってもなかなか具体的な受験までは踏み出せない人もいると思います。

実際、就職活動の面でTOEFLにはどんなメリットがあるのでしょうか? TOEFLについて、TOEICとの違いを中心にくわしく見ていきましょう。特に、TOEICとTOEICどちらを受験すべきかで悩んでいる人は、ぜひご一読を!

TOEFLとTOEICの違い

米国ETS(Education Testing Service)が主催するTOEFLは、Test Of English as a Foreign Languageの略語で、1964年からグローバルで実施されている伝統ある英語資格試験です。

対するTOEICは、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が主催する英語コミュニケーション能力評価試験。Test of English for International Communicationの略語です。世界160国以上で実施されています。

名前は似ていますが、両者には実施目的や出題内容、また試験の形式などで明確な違いがあります。ポイント別に見ていきましょう。

実施目的

まずは、それぞれの実施目的について見ていきましょう。

TOEIC

TOEICは、日常生活やグローバルビジネスで通用する英語力の測定を目的とした試験で、ビジネスパーソンを主眼に置いて試験問題が設計されるのが大きな特徴です。

TOEICには、TOEIC TestsとTOEIC Bridge Testsと呼ばれる2つのブランドがあります。このうちのTOEIC Testsには、リスニング力と読解力を測定するTOEIC Listening & Reading Test(以下 「TOEIC L & R」)、会話力とライティング力を測定するTOEIC Speaking & Writing Tests(以下「TOEIC S & W」)、そして会話力をメインに測定するTOEIC Speaking Testの3種類の試験があります。日本で一般的にTOEICとして認知されているのは、このうちのTOEIC L & Rのことです。

一方のTOEIC Bridge Testsは、初級・中級者を対象に、日常生活を送るのに必要な英語コミュニケーション力を測定するテストのこと。TOEIC Bridge Listening & Reading Testsと、TOEIC Bridge Speaking & Writing Testsの2つの試験があります。

TOEFL

TOEFLは、英語を母国語としない人々を対象に、「読む」「聴く」「書く」「話す」の4つの能力を総合的に評価します。おもに大学・大学院レベルのアカデミックな場面で必要とされる英語コミュニケーション能力の測定を目的とした試験で、大学入試や海外留学など、グローバルに活用できるのが特徴です。留学先の教育機関で入学要件に定められるTOEFL iBTテストと、団体受験向けのTOEFL iTPテストの2つに大別されます。

出題内容

次に、出題内容の違いについてそれぞれ見ていきましょう。

TOEIC

TOEICは、ビジネスパーソンを主眼とした英語コミュニケーション能力の測定という実施目的から、ビジネスシーンや日常生活でよくある場面をテーマにした問題が多く出されます。

TOEFL

TOEFLは、留学先での入学条件として、大学や大学院で通用する英語能力を備えているかの評価に使用されます。そのため、自然科学や社会科学、芸術など、アカデミックなテーマを中心に出題されるほか、留学生活で必要となる実践的なコミュニケーション能力も測定されます。

試験形式

TOEICとTOEFL、それぞれに試験形式が異なります。

TOEIC

TOEICは、日本国内では47都道府県の各地で、年間10回前後のスケジュールで開催される公開テストです。複数あるテスト日程のなかから、自分が希望する開催場所と日時を選んでインターネットで予約します。当日、受験者は決められた会場に赴き、一斉に試験を受けます。テストはペーパーで出題され、マークシート方式で回答します。所要時間は、最も一般的なTOEIC L & Rの場合、リスニング45分、リーディング75分、合計120分程度です。

TOEFL

TOEFLは、各地のテストセンターで受験可能な試験日の中から、受験者が希望の日程を選んでインターネット経由で予約して受験するシステムです。試験当日、受験者は会場となるテストセンターに赴き、会場のパソコンを使用して、インターネットベースで試験問題に回答します。スピーキングはパソコンに向かって話しかけ、ライティングは直にタイピングをするかたちで回答します。所要時間は、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングのすべてを合わせて約4時間です。

スコア

TOEICとTOEFLは両方ともスコア形式です。TOEICの場合、最も一般的なTOEIC L & Rは990満点。TOEFLの場合、最も一般的なTOEFL iBTテストは120点満点です。

気になるのが、TOEICとTOEFL、どちらの難易度が高いかという点です。

文部科学省が作成した「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」によると、TOEFL iBTスコアの8割から満点レベルに該当するスコア「95〜120」は、TOEIC L & RとTOEIC S & Wの合算スコアの9割程度〜満点レベルに該当する「1845〜1990」と同レベルです。

さらに、TOEFL iBTスコアの6〜8割程度にあたる「72〜94」は、TOEIC L & RとTOEIC S & Wの合算スコアの8〜9割程度にあたる「1560〜1840」に該当します。

一方で、TOEFL iBTスコアの3〜6割程度にあたる「42〜71」は、TOEIC L & RとTOEIC S & Wの合算スコアの6〜8割程度にあたる「1150〜1555」に該当します。

この資料をもとに考えると、 TOEICよりもTOEFLのほうが高得点を獲得するうえで難易度が高いと解釈できます。

有効期限

TOEICの場合、取得したスコアに有効期限はありません。ただし、就活の際は企業側が「受験後◯年以内のスコアを認める」と期限を定めているケースも見受けられます。また、有効期限がないとはいえ、スコアレポートの再発行を依頼する場合は受験してから2年が過ぎると対応してもらえなくなるので、要注意です。スコアレポートは、受験後30日以内に発送されるほか、受験してから17日後にインターネット上で確認できます。

TOEFLの場合、スコアの有効期限は受験日から2年以内で、期限を過ぎるとスコアは無効となります。スコアはテスト実施日から約6日後にETSアカウントで確認できます。必要があれば、ETSアカウントからスコアレポートのダウンロードが可能なほか、コピー送付を申請できます。

国内の就活は基本的にTOEICが有利

日本国内での就活には、基本的に知名度の高さによりTOEICのほうが有利です。また、TOEFLよりもTOEICのほうが比較的難易度が低く、教材も豊富にそろっているため、受験勉強がしやすいのもポイントです。日本国内で就職したいなら、より英語力をアピールしやすいTOEICの受験をおすすめします。

海外で働きたい場合はTOEFLもおすすめ

海外で就職したい場合、長い歴史を持ち国際的な知名度が高いTOEFLのほうが、英語力のアピールにはTOEICよりもはるかに有利です。確かに、TOEFLはビジネスよりもアカデミックな分野のトピックが多く出題される傾向がありますが、海外では非英語圏出身者の英語力を測る基準として定着しています。

国内の就職でアピールできるTOEFLのスコアは?T

日本国内で就職する場合、TOEFLのスコアを考慮してくれる企業はまだまだ少ないものの、まったくゼロというわけではありません。TOEFLを評価の目安として採用している企業に向けて、どの程度のスコアなら自信を持って英語力をアピールできるのでしょうか?

2019年度のデータによると、TOEFLの日本人スコアの平均点は72点。世界平均の83点を下回るレベルです。この点数は、前述の文科省資料「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」に照らし合わせると、だいたい準1級レベルに該当するため、それなりの英語力があることを示す1つの目安と考えられます。70点以上のスコアであれば、日本人の平均を上回る英語力があるとアピールできるでしょう。

就活でアピールできるTOEFLのスコアは

日本では、TOEFLよりも知名度で勝るTOEICのほうが、就活の際にアピールしやすいことが理解できました。それでも、あえて就職活動のためにTOEFLを受験する場合、どの程度のスコアを獲得すれば英語力のアピールになるのでしょうか?企業タイプ別に見ていきます。

一般企業の場合

前述の「国内の就職でアピールできるTOEFLのスコアは?」の項と重複しますが、日本国内でTOEFLスコアを考慮してくれる国内企業の場合、日本人平均的なスコアである70点を確保していれば「英語上級者」として評価されると考えられます。

また、TOEFLの中身は知らなくても、名称自体は知っているケースもよく見受けられます。むしろ、日本では受験者数が少ないTOEFLを受験したことが、1つのアピールポイントとして受け止められる可能性もあります。

外資系の場合

日本に拠点を置く外資系企業の場合、日系企業よりはTOEFLを評価の目安として考慮する可能性が高いと予想できます。

一般的にTOEFLのスコアは、だいたい80点がアメリカの四年制大学への入学を許可される基準です。そのため、80点程度のスコアなら外資系での就職活動で、アカデミックな環境でも通用する英語力の持ち主であることを十分にアピールできるでしょう。

ただし、外資系企業でも、業種や職種によってはさらに高度な英語力が求められるケースもあります。事前によく調べたうえで、希望のスコア取得に向けて受験勉強を進めましょう。

海外の場合

海外の企業に就職する場合、普段のやりとりはすべて英語でおこなわれるため、実際の面接の場で実践的な英語コミュニケーション能力が試されます。

そのため、TOEFLのスコアは、企業側ではあくまで書類審査上での参考情報として扱われる可能性があります。80点以上を確保しておけば、レジュメ(履歴書)に記載するうえでの英語力として不足ないでしょう。

履歴書にTOEFLのスコアを記載する際の注意点

せっかく取得したTOEFLのスコアを適切にアピールするために、履歴書に記載する場合の注意点を押さえておきましょう。

前述のとおり、TOEFLのスコアは受験日から2年が経過すると自動的に無効となります。有効期間内で余裕をもって対応できるよう、就職活動に必要とされる期間を考慮しながら、履歴書には取得年月日を正確に記載しましょう。

また、TOEFLに限らず、すべての資格情報に対して言えることですが、虚偽の記載は禁物。自分が取得したスコアをそのまま正確に記載しましょう。場合によっては確認のために公式のスコアレポートの提出を求める企業もあるので、記載内容と実態が一致している必要があります。

まとめ

TOEFLとTOEICを比較した場合、日本国内での就職活動には知名度で勝るTOEICの方が有利です。とはいえ、外資系企業や一部の日系企業など、TOEFLを英語力の目安として考慮してくれるケースも皆無ではありません。海外で働きたいと思っている場合は、国際的な知名度が高いTOEFLのほうが有利です。

将来に向けて描きたいキャリアパスに沿って、TOEICとTOEFLのどちらを受験するかを決めましょう。いずれにせよ、受験勉強がんばってくださいね!

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