英語学習で類推?辞書を使わずに単語の暗記を効率化しよう!

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知らない英単語を見つけたとき、どのように対処しますか?おそらく多くの人が辞書で意味を調べるのではないでしょうか。しかし、試験のように辞書で調べられないときには、文脈や英単語の成り立ちから類推するしかありません。

実は、このような類推スキルが身に付けば、単語の暗記が効率的に進められます。そこで今回は、辞書を使わずに単語の意味を類推するスキルを向上させる英語学習について解説します。

知らない単語を類推するメリット

知らない単語が出てくると、どうしてもそこで時間をとられてしまいます。試験などの場合は大きな時間のロスになり、スコアにも影響を及ぼすかもしれません。ですから知らない単語を類推するスキルが身に付けば、不必要に時間をロスすることが防げます。つまり、リーディングスピードが上がり、読解力も向上するということです。さらに、類推を続けていれば類推自体が楽になるので、英語学習の負担も軽減されます。

また、単語を類推できるようになれば、リーディング力だけでなく他の能力の向上も期待できます。なぜなら、英会話で知らない単語を聞いたとき、リーディングと同じように単語の意味を類推できるからです。単語の成り立ち(語源)から類推できるようになれば、そこで培った知識をスピーキングやライティングで応用できるようになります。つまり、丸暗記する必要がないので単語の暗記が効率化できるということ。さらに、英語学習で重要な語彙力の強化も期待できます。以下は単語の意味を類推するメリットのまとめです。

単語を類推するメリット

・時間をロスしない
・リーディングスピード・読解力が向上する
・英語学習の負担が軽減される
・スピーキング力・リスニング力・ライティング力の向上も期待できる
・語源から類推できるようになれば応用が効くようになる
・単語の暗記が効率化できる
・語彙力の強化が期待できる

知らない単語を「文脈」から類推する方法

知らない単語の意味を類推する方法は、大別すると2つあります。1つは「文脈」から、もう1つは「単語の成り立ち」からです。

まず、「文脈」から類推する方法の解説です。「文脈」から類推するときには、「接続語」「同義語・対義語」「文型」という3つの観点からアプローチします。それぞれ詳しく見ていきましょう。

接続語から類推

「接続語」とは、文や文節をつなげて前後の関係を示す語です。例えば、「だから」「でも」「しかも」といった語で、日本語でも日常的に使われていますね。文や文節の前後の関係は、前の結果が後の文脈につながる「順接」、前とは反対の文脈につなげる「逆接」、相違点や共通点を比較する「対比」などがあり、耳にしたことがある人もいるでしょう。

英語でも日本語と同様に接続語により前後の文や文節をつなげて関係を表します。そのため、接続語が前後の文をどのようにつなげているのかを考えれば、意味が分からない単語を類推することが可能になるのです。

ここでは、異なる点を比較する「on the other hand(一方で)」という接続語から、「humid」という単語の意味を類推します。

In summer, it gets very humid in Japan.
On the other hand, it gets very dry in winter.

上記の文では、in summerとin winterで比較する環境を示しています。On the other handという相違点を挙げる接続語でつながれていることを考慮すると、「乾燥した」という意味の形容詞「dry」から未知の単語「humid」の意味を類推することができます。「乾燥した」の反対は「湿った」なので、「humid」を「湿った」と仮定して文全体をチェックし、問題がなければ完了です。上記の文の意味を以下に示しておきます。

(日本では、夏はとても湿度が高くなります。)
(一方、冬はとても乾燥します。)

同義語・対義語から類推

次は、同義語・対義語から類推する方法です。

英文読解では、たいてい重要な単語は同じような意味を持つ単語(同義語)や内容に変えられて、どこかに示されています。要するに、同義語や同じ内容を繰り返したり、反対の意味の語(対義語)を対象的に使ったりしながら、重要な部分を強調しているのです。ここでは以下の2文を同義語や対義語からアプローチして、未知の単語の意味を類推します。

When comparing the native animals and plants of Australia during the Jurassic Era to the present day, they seem quite different.
However, some of the flora and fauna from that age remain today.

未知の単語は「flora and fauna」です。この場合、前文からこの2つの文は「animals and plants」について書かれていると類推できます。

「animals and plants」は「動植物」だと分かっているので、理解できなかった部分も「動植物」に関連した内容だと考えられます。しかも、理解できなかった部分には、「floral(花のような)」に似た「flora」という単語が使われているので、「flora and fauna」も「animals and plants」と同じような意味合いで使われていると仮定。その上で文全体の意味をチェックし、内容に矛盾がなければ類推は完了です。こちらも上記の文の意味を以下に示しておきます。

(ジュラ紀と現在のオーストラリアの在来動植物を比較すると、かなり違った様子である。)
(しかし、その時代の動植物のいくつかは今日でも残っている。)

文型から類推

文脈からの類推の最後は、文型からアプローチする方法です。

英文には「主語 + 動詞」を軸に、5つの文型があります。知らない単語が含まれる文が、この5文型のどれに当てはまるのかを考え、その単語が補語なのか目的語なのかを見分けるのが最初のステップです。では、文型の構成と文型の見分け方を見ていきましょう。

第1文型: S + V → He works. (彼は働く。)
第2文型: S + V + C → She became a doctor. (彼女は医者になった。)
第3文型: S + V + O → I read my book. (私は本を読む。)
第4文型: S + V + O + O → My dad gave me a car. (父は私に車をくれた。)
第5文型: S + V + O + C →My younger brother leave the door open. (弟はドアを開けっ放しにする。)

* 主語 = S(Subject)、動詞 = V(Verb)、補語 = C(Complement)、目的語 = O(Object)

文型の見分け方

第1文型:Vは自動詞、Vの後に前置詞が置かれる(Vの後に修飾語が置かれるケースが多い)
第2文型:Vはbe動詞が多い、「S = C」の関係、Cは名詞または形容詞
第3文型:Vは他動詞、「S ≠ O」の関係
第4文型:Vは他動詞、2つの目的語は「O1 ≠ O2」関係、O1には「人」、O2には「もの」
第5文型:Vは他動詞、「O = C」の関係、V以下は「名詞 + 名詞」あるいは「名詞 + 形容詞」

She makes me appalled.

上記の文で、「appalled」という単語の意味を類推します。この文では、「S(She) ≠ O(me)」の関係なので第3文型が第1候補になりますが、未知の単語はOの後に置かれているので第3は選択肢から除外。

そうなると第4あるいは第5文型だと考えられますが、「- ed」で終わる単語が「もの」だとは考えにくいので第4も除外します。残されたのは第5文型だけなので、「O = C」の関係であるかチェック。「O(me) = C(appalled)」だと仮定できそうです。

未知の単語は「- ed」で終わるので「appalled」は形容詞だと考えるべきでしょう。第5のV以下には「名詞 + 形容詞」があるので、第5文型だと見分けられます。つまり、「彼女は私を(形容詞)させる」と類推できます。上記の文の意味は以下の通りです。

(彼女は私を呆れさせる。)

知らない単語を「成り立ち」から類推する方法

次の方法は、単語の成り立ち、つまり語源(要素の結びつき方)から知らない単語の意味を類推するというものです。単語の成り立ちから意味を類推する場合、単語を「接頭辞(prefix)」「語根(root)」「接尾辞(suffix)」に分解して意味を考えていきます。bicycleとobserverの単語の成り立ちを見てみましょう。

bicycle(bi – が接頭辞、cycleが語根)
bi – 「2つの」 + cycle 「輪」
⇒ 自転車

observer(ob – が接頭辞、servが語根、- erが接尾辞)
ob – 「その方向へ」 + serv 「見守る」 + – er 「人・もの」
⇒ 観察者・監視員(見守る人)

分解された「接頭辞」「語根」「接尾辞」にはそれぞれ意味があります。それぞれのパーツを関連付けたり組み合わせを変えたりしながら類推するため、類推スキルが身に付けば応用力が抜群に上がるはずです。

では、代表的な「接頭辞」「語根」「接尾辞」を見ていきましょう。

代表的な接頭辞

接頭辞は単独では使われず、常に語根の前、つまり単語の先頭に置かれる要素です。代表的な接頭辞とその意味を確認します。

ad – 「その方向へ」

address
ad – 「その方向へ」 + ress 「導く」
⇒ 【名】住所

adjust
ad – 「その方向へ」 + just 「ちょうど」
⇒ 【動】調整する

un – 「否定」

uncomfortable
un – 「否定」 + com – 「強意」 + fort 「強い」 + – able 「できる」
⇒ 【形】心地よくない

unconsciously
un – 「否定」 + con – 「強意」 + sci 「知る」 + – ous 「のような」 + – ly「のように」
⇒ 【副】無意識に、知らず知らずに

com – 「ともに」「強意」

combine
com – 「ともに」 + bi – 「2 つの」
⇒ 【動】結合する、混ぜ合わせる

complete
com – 「強意」 + ple 「満たす」
⇒ 【動】完了する

ex – 「外へ」

excellent
ex – 「外へ」 + cel 「上げる」 + – ent「のような」
⇒ 【形】優れた

expectation
ex – 「外へ」 + spect 「見る」 + – ation 「すること・もの」
⇒ 【名】期待、予想

pre – 「前もって」

pregnant
pre – 「前に」 + gn 「生む」 + – ant 「人、もの」
⇒ 【形】妊娠した

prepare
pre – 「前もって」 + pare 「準備する」
⇒ 【動】準備する、整える

その他にも、ex – 「外へ」、 sub – 「下に」、de – 「否定」「強意」、dis – 「否定」「離れて」、 en – 「その状態にする」、 inter – 「間の」、 ob – 「その方向へ」、 pro – 「前に」、 trans – 「向こう側へ」など数多く存在します。

代表的な語根

語根は単語の基本的な意味を表す要素です。代表的な語根とその意味を見ていきます。

port 「運ぶ」

export
ex – 「外へ」 + port 「運ぶ」
⇒ 【動】輸出する

supporter
sup – 「下に」 + port 「運ぶ」 + – er「人・もの」
⇒ 【名】支持者、サポーター

spect 「見る」

prospective
pro – 「前に」 + spect 「見る」 + – ive「のような」
⇒ 【形】将来の、今後の

respect
re – 「後ろへ」 + spect 「見る」
⇒ 【名】尊敬、敬意

form 「形」

formation
form 「形」 + – tion 「こと・もの」
⇒ 【名】形成、編成

transform
trans – 「変換」 + form 「形」
⇒ 【動】変形する、変化する

press 「押す」

expression
ex – 「外へ」 + press 「押す」 + – ion 「こと・もの」
⇒ 【名】表現

depress
de- 「下へ」 + press 「押す」
⇒ 【動】落胆させる、押し下げる

mit 「送る」

commit
com – 「ともに」 + mit 「送る」
⇒ 【動】約束する、表明する

permission
per – 「徹底的に」 + mit 「送る」 + -ion 「こと・もの」
⇒ 【名】許可

その他にも、vis「見る」、sist / st / stand「立つ」、ject「投げる」、tain「つかむ」、duct「導く」、cred「信じる」などはチェックした方がいいでしょう。

代表的な接尾辞

接尾辞は語根の後ろ、つまり単語の末尾に置かれ、品詞を変化させたり意味を加えたりする要素です。代表的な接尾辞とその意味を見ていきます。

– able 「できる」

fashionable
fact 「つくる」 + – ion 「こと・もの」 + – able「できる」
⇒ 【形】流行の

probably
prob 「試す」 + – able 「できる」 + – ly 「のように」
⇒ 【副】たぶん

– ful 「満たされたような」

beautiful
bene – 「よい」 + – ty 「こと」 + – ful 「満たされたような」
⇒ 【形】美しい、素敵な

successful
suc – 「下に」 + cess 「進む」 + – ful「満たされたような」
⇒ 【形】成功した

– al 「のような」

international
inter – 「間の」 + nat 「生まれる」 + – ion 「こと・もの」 + – al 「のような」
⇒ 【形】国際的な、国家間の

memorial
memor 「心に留める」 + – al「のような」
⇒ 【形】memorial 【名】記念碑

– ous 「のような」

suspicious
sus – 「下に 」+ spect 「見る」 + – ous「のような」
⇒ 【形】疑い深い、疑わしい

previous
pre – 「前に」 + via 「行く」 + – ous「のような」
⇒ 【形】前の、以前の

– ly 「のように」

generally
gene 「種類」 + – al 「のような」 + – ly 「のように」
⇒ 【副】一般に、広く

individually
in – 「否定」 + di – 「離れて」 + vid 「分ける」 + – al 「のような」 + – ly 「のように」
⇒ 【副】個別に、個人的には

その他にも、- less「~がないような」、- ate「する」、- ic「のような」、- ing「こと・もの」、- en「する」、- an「のような」、- ence「もの・こと」、- ize「する」のような汎用性が高い接尾辞は掘り下げておくことをおすすめします。

まとめ

慣れないうちは未知の単語の意味を類推するのは大変かもしれませんが、慣れてくると意識せずに関連性を見つけて類推できるようになります。辞書を使わずに類推するスキルを向上できれば、新たな単語を暗記するときも、接頭語や語根の成り立ちを見て簡単に覚えられるはずです。やればやるほど単語の暗記が楽になる類推英語学習でレベルアップを目指しましょう!

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