英検のスピーキングってどんなテスト?5級~1級の試験内容・対策を解説

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英検のスピーキングテストは、審査基準のレベルの英語を「使用・表現できる」か、をチェックする試験です。ただし、スピーキングテストの特徴や内容は、5級から1級まで異なるもの。そのため、レベルや英語学習の達成目標に沿って受験する必要があります。

今回は、試験内容と対策を中心に、英検のスピーキングについてお話します。これから英検を受ける人や検討中の人は、必見です!

英検スピーキングテストの基本情報

日本でもっとも受験者数が多く、受験からビジネスまで広く活用されている英検。5級~3級、準2級・2級・準1級・1級の7段階で英語力が測られます。

従来、日本の英語学習では、リーディングとリスリングばかりを重要視してスピーキングは軽視されがちでした。しかし、国際社会が広がるにつれ、「聞く・読む・書く・話す」と全ての能力が求められるようになっています。

英検も、昨今の英語に対する環境の変化に応じて、2015年度より英検5級・4級にスピーキングテストを導入しました。

英検のスピーキングテストとは?

試験実施は年に3回、1月・6月・10月。英検3級以上は、1次試験合格者のみ、2次試験としてスピーキングテストを受ける権利を与えられます。

一方で、5級・4級では希望者のみを対象に、スピーキングテストが行われます。通常の5級・4級の試験では、リスニングとリーディングで合否が判定されるため、スピーキングテストを受けるためには別途申し込みが必要です。合否も独立して判断され、結果は受験日から数えて30日以内にインターネット上で発表されます。

英検のスピーキングテストの受検方式

英検3級以上のスピーキングテストは、面接官との対面方式で行われます。

一方、5級・4級は面接する必要はなく、録音された音声で英語力を試されます。受験サイトにログインして、試験を受ける仕組みなので、インターネットがある環境下ならどこでも受けられます。面接官からのプレッシャーもなく、取り組みやすいテストといえるでしょう。

5級・4級のスピーキングテストの特徴と対策

5級・4級のスピーキングテストは、自宅でも気軽に受けられます。リラックスした環境で試験に臨める点が魅力。ただし、合格点をとるためには、事前に試験内容や流れを掴んで、しっかり対策をして挑みたいところです。

スピーキングテストの合格は級認定とは異なる!

希望者のみ受けられる5級・4級のスピーキングテストは、「英検」と名がついているものの、全く別の試験と考えておきましょう。級の合否に影響しないため、合格しても英検そのものが合格になることはないので要注意。

ただ「スピーキングテスト合格」という認定をもらえるので、英語学習の自信に繋がります。初級レベルの英語が話せることを証明できるのは、心強いのではないでしょうか。豊かな英語力を養う機会となることは間違いないでしょう。

5級・4級のスピーキングテストの試験内容

それでは、5級・4級のスピーキングテストが実際にどのような内容なのか、具体的に見ていきましょう。基本的な英語力を試す試験なので、イラストを使った子どもでも親しみやすい内容となっています。

5級

初歩的な英語を試される5級。登場する英文は、ごく身近でみられるシチュエーションです。中学1年生の初期レベルといっても良いでしょう。非常にわかりやすい大きな絵が表示され、2行ほどの短い文章が書いてあります。

引用:「どんな試験なの?」
引用元:公益財団法人日本英語検定協会

試験では、問題文の英文を音読し、提示された絵と文章に関して出される3問程度の質問に答えます。

単語をはっきりと発音し、WhatやWhoなど5W1Hの意味を聞き取り理解する能力を養っておきましょう。答えも疑問詞に応じて答える必要があるので、代名詞で答える訓練をすることも大切です。

4級

4級のスピーキングテストは、5級よりもややレベルが上がります。身近なシチュエーションでありつつも、状況が多様化して少し複雑なことも表現できなければなりません。大きな絵が表示されるのは5級と同じですが、登場人物やその行動も多様化します。

引用:「どんな試験なの?」
引用元:公益財団法人日本英語検定協会

5級と同じく文章を音読し、絵と文章に関して4つ程度の質問に答えます。5W1Hを聞き取り、代名詞で答える必要があるのは5級と同じ。ただし、やや長く、複雑になった文章なので、音読しながら質問をしっかり理解しておくことが大切です。質問される度に、文章を確認しないでも回答できるのが理想ですね。

5級・4級のスピーキングテストの流れ

<テストが始まる前の準備の流れ>

引用:「スピーキングテスト受験サイト」
引用元:公益財団法人日本英語検定協会

(1)英検IDとパスワードを使って受験サイトからログイン。該当する級を選択。
(2)テストに使う機器やソフトのバージョン確認とマイクの音量調整。
(3)画面に面接委員や、英文が載ったカードが登場し、どのように問題を解くかを説明。
(4)問題がなければ、「テストを始める」をクリックしてテスト開始。

<試験中の流れ>
(1)問題文とイラストが表示される。
(2)問題文を黙読。
(3)問題文を音読したものを録音。
(4)問題文に関する質問が画面に登場する面接委員によって出題される。声に出して答え、録音。
(5)受験者自身についての質問に答え、それを録音。

不安な人は公式サイトにサンプルが出ているので、事前に確認しておくのがおすすめです。

5級・4級のスピーキングテストに有効な対策

実際の流れを把握したところで、試験はどんな内容なのか確認していきます。人によって、苦手・得意があるもの。英語スキルと照らし合わせながら、自分に必要なスピーキングテストに有効な対策を練っていきましょう。

発音できる単語を増やす

やはり、ボキャブラリーは多いに越したことはありません。スピーキングテストでは単語を明確に発音し、「しっかりと伝わるように音読できているか」をテストされます。知らない単語が登場すると、言い淀んでしまったり、躊躇したりして、しっかり聞き取ってもらえないこともあるので要注意です。

知っている単語でも、イントネーションやアクセントが間違っていると認識されないので、しっかり正しく発音できるようにしておきましょう。

疑問詞を聞き取る練習をする

疑問詞は、英語を話すための基本の”キ”です。スピーキングテストに限らず、使いこなしておきたい用法・単語といえます。

疑問詞の意味だけでなく、質問に対してすぐに応答できるよう、訓練しておくことがポイント。どの疑問詞に、どのような答え方をするのが良いのか、頭を使わずに自然と出るようになれば、5級・4級のスピーキングテストは問題ないでしょう。疑問詞がわかるだけで、ほとんどの質問は答えられたも同然です。

代名詞を使う練習をする

質問に対する回答には、基本的に代名詞で答えます。代名詞といえば、He・She・ Theyなど人を指すものや、This・These・That・Thoseなど指示代名詞などが代表的です。

When does Ken play soccer? であればどうなるでしょうか?回答は、Ken plays soccer after school.でも間違ってはいないのですが、ややまどろっこしく聞こえます。そのため、He plays soccer after school.と、代名詞を使って回答する必要があります。

3級以上のスピーキングテストの特徴と対策

試験の基本構成は4級・5級と大きな違いはありません。黙読・音読し、文章とイラストについての質問と、受験者自身について質問が、面接官から投げかけられます。ただし、準2級からは受験者自身の意見を求められる場面も出てきます。

3級以上のスピーキングテストの試験内容

3級以上になると、面接委員1人との個人面談です。3級〜2級までのスピーキングテストの構成はほぼ同じですが、級が上がるごとに文章やイラストの複雑さが増します。

準1級以上は、スピーキングする内容は、受験者に委ねられる部分が多くなります。問題文を瞬時に理解し、自分の意見をまとめ、自然に発信できるのかポイントです。

3級

<問題構成>

形式・課題 内容 問題数
音読 30語程度の文章を読む 1
文章についての質問 文章の内容について、質問に答える 1
イラストについての質問 イラストに登場する人物の行動や物の状況を描写する 2
受験者自身のこと 日常生活の身近な事柄についての質問に答える 2

面接官は、応答内容だけではなく、発音・回答のスムーズさ・文法・情報量・積極的にコミュニケーションを取る姿勢を評価します。それぞれを意識して答えられるように練習を重ねましょう。

引用:「3級二次試験サンプル」
引用元:公益財団法人日本英語検定協会

過去には、携帯電話やラジオ、読書週間、冬のスポーツ、朝市、四季についての質問が出題されました。求められるのは中学卒業程度のレベルなので、初級者向けといえるでしょう。

準2級

<問題構成>

形式・課題 内容 問題数
音読 50語程度の文章を読む 1
文章についての質問 文章の内容について、質問に答える 1
イラストについての質問 イラストに登場する人物の行動や物の状況を描写する 1
受験者自身の意見など 問題カードと関連した内容についての質問に答える 1
受験者自身の意見など 日常生活の身近な事柄についての質問に答える 1

準2級の構成や内容は、3級とほとんど同じですが、イラストに対する質問に加えて、自身の意見も求められるようになります。文章量もグッと増えるので、難易度が上がったと感じる人が多いかもしれません。


引用:「準2級二次試験サンプル」
引用元:公益財団法人日本英語検定協会

過去には、ホームシアターやボランティアガイド、電子辞書、食品フェア、映画館、プリペイドカードについてのトピックが取り上げられました。確かに日常生活の身近なトピックではありますが、ある程度の語彙力・文法力・スピーキング力がないと、すぐ英語で話せるほど簡単なトピックとはいえません。

2級

<問題構成>

形式・課題 内容 問題数
音読 60語程度の文章を読む 1
文章についての質問 文章の内容について、質問に答える 1
イラストについての質問 3コマのイラスト展開を説明する 1
受験者自身の意見など 問題カードと関連した内容について意見を述べる 1
受験者自身の意見など 日常生活の一般的な事柄に関する自分の意見を述べる 1

2級の構成は準2級とほぼ同じですが、イラストについては、質問ではなく説明を求められます。

引用:「2級二次試験サンプル」
引用元:公益財団法人日本英語検定協会

文章量はそこまで増えないものの、経験に基づいて答えられるほどの日常性がある内容とは限りません。過去には、環境にやさしい素材、オンライン会議、屋上緑化、ペット産業、新しいエネルギー、サプリメントなどのトピックが取り上げられました。

知っている内容であればラッキーですが、上の例題のようにピンポイントで状況把握が必要になることも。そのため、リーディング能力をしっかり身につけ、試験会場で対処できるようにしておきたいところ。質問はどれだけ流暢かを確かめるような内容が多いため、英会話を重点的に勉強した方が良いでしょう。

準1級

<問題構成>

形式・課題 内容 問題数
自由会話 面接官と簡単な日常会話を行う
ナレーション 4コマのイラスト展開を2分間かけて説明する 1
受験者自身の意見など イラストと関連した質問に答える 1
受験者自身の意見など イラストと関連した内容について質問に答える 2
受験者自身の意見など イラストのトピックとやや関連のある、社会性のある内容についての質問に答える。 1

準1級以降の構成は、何をどのように話すのか、受験者自身に委ねられる部分が増えます。イラストのみが与えられ、手元に文章はありません。イラストから何を理解し、どう感じたか、しっかりと英語で一から説明する能力が求められます。

引用:「準1級二次試験サンプル」
引用元:公益財団法人日本英語検定協会

過去には、在宅勤務、レストランでの喫煙、チャイルドシート、住民運動、キャッチセールス、護身術などのトピックが取り上げられました。イラストや問題を理解したかどうかというより、「自分の意見を新しいトピックに対して英語で表明できるか」が問われます。

1級

<問題構成>

形式・課題 内容 問題数
自由会話 面接官と簡単な日常会話を行う
スピーチ 5つのうち1つのトピックを選んで2分間のスピーチを行う。 1
Q&A イラストと関連した質問に答える 1

1級の構成は至ってシンプルです。イラストもなく、質問項目が並びます。問われるのは「どこまで受験者が意見を持ち、それを発信できるか」という部分。時事や社会問題に精通している必要もあるので、簡単ではありません。

引用:「1級二次試験サンプル」
引用元:公益財団法人日本英語検定協会

過去には、「科学の発展は常に有益か」「芸術絵の財政的支援増加の是非」「世界経済における日本の役割」「選挙権の行使を義務化するべきか」「遺伝子組み換え食品の安全性」などが課題になりました。新聞やニュースなどを日頃から情報収集していないと、何も話せなくなるようなトピックばかりです。

ビジネス英語ができるレベルに挑むと思って、間違いありません。語彙力や文法力はもちろん、プレゼン能力に磨きをかけましょう。

3級以上のスピーキングテストに有効な対策

3級から1級までで、すでに大きな英語レベルの差がありますが、どのレベルでも面接官との個人面談で緊張しないようにするのが1番です。英語を口にしても気負わずにいられるよう、普段から英語に慣れていく必要があるでしょう。

ここからは、3級以上のスピーキングテストの対策方法を解説していきます。

聞き取れないことは聞き返せるようにする

英語学習者の日本人の多くは、 聞き返すと申し訳ない・恥ずかしいなど、余計なことを考えてしまいがちです。しかし、スピーキングテストでは、理解できないまま先に進んでしまうと、間違った答えを言いかねません。

もう一度質問を聴きたいとき、考える時間が欲しいときは、遠慮なく面接官に伝えましょう。考えて沈黙しているだけなのに、面接官に「わかっていない」という印象を与えてしまうこともあります。面接官とコミュニケーションを取ることを大前提として、試験に臨みましょう。

結論や主張は最初に提示する

英語でスピーチをする際は、結論から先に述べるのが定石です。日本人は婉曲な言い回しを好みがちですが、英語圏の人は自分の立場・考え方を最初に明らかにします。

話す順番は下記をベースとして練習しておくことで、本番でも文章を構成しやすくなります。

(1)結論や主張を伝える。
(2)そう考える理由・実例・根拠などを提示する。
(3)まとめで、結論や主張をおさらいする。

正しい発音でゆっくり&はっきり話す

ネイティブスピーカーからみると、日本人は英語を喋り過ぎると感じられる傾向があります。だからと言って、ゆっくり過ぎると言いたいことが伝わりにくくなります。そこで、相手に自分の言葉がしっかり伝わっているか、相手の反応を意識しながら話しましょう。

さらに、日本人は声が小さいともよくいわれます。ボソボソと聞こえてしまう傾向にあるので、発音は明瞭に、大きな声で口をしっかり動かして話しましょう。TEDなど、海外のスピーチを参考にするのがおすすめです。

英語的な抑揚・リズム・アクセントを意識する

英語的な抑揚・リズム・アクセントはかなり重要です。英語らしい話し方をしないと、正しい単語を正しい発音で使っているにも関わらず、全く伝わらないこともよくあります。

特にアクセントは要注意。どれだけ語彙が豊富でも、アクセントが間違っていれば言葉の意味が変わったり、主張が伝わらなかったりします。英単語帳を使って語彙を増やすときは、必ず音声をチェックしてアクセントと一緒に覚えましょう。

抑揚やリズムは、英会話での講師のスピーキング、映画やドラマ、ラジオなど多くの英語と触れながら習得するのがおすすめです。実際に自分で声に出して、真似をしながら、何度も練習を繰り返してみましょう。

まとめ

どのレベルでも、スピーキングテストに合格するためには、実際に声を出して練習をする必要があります。自分の英語が実際にどのように聞こえるのか、録画・録音をしてみるのも1つのやり方です。ただし、2級以上のスピーキングテストなど、とっさの状況で真の英語力を出すためには、実際に誰かの前で話す練習をしておく必要があります。

そこで、スピーキングの練習場所として、「レアジョブ英会話」を活用してみるのはいかがでしょうか。プロの講師に自分の英語がどう伝わるか、客観的に見てもらうことで、飛躍的に成長できますよ!

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