アメリカの最高裁判所がなぜいま話題となっているか知ってる?最高裁判所についてその仕組みや英語表現をご紹介します。

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英語でニュースやTwitterなどを読んでいると、裁判や法廷に関する用語がよく出てくるものです。一見難しく感じられますが、基本的な単語を最低限おさえていれば、ニュースがぐんと理解しやすくなるもの。今回は、そんな司法関係の中でも、とくにアメリカの最高裁判所に関する背景や英語表現をご紹介し、時事ニュースの理解を深めるお手伝いができればと思います。

女性の生き方を変えた?! ルース・ベイダー・ギンズバーグ判事

2020年9月にアメリカ連邦裁判所判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ氏が癌で急逝し、非常に話題となりました。彼女は1993年に2人目の女性最高裁判判事として就任して以来27年間、職場での機会均等や待遇の平等など、女性の権利向上に力を注ぎ、非常に人気を集めていました。それだけに彼女の逝去はアメリカ社会に大きな衝撃と混乱をもたらしました。裁判所判事の存在は、アメリカにとって、日本とは全く異なる意味合いをもつ部分が大きいためです。そんなアメリカの連邦最高裁判所とその判事について詳しくみてみましょう。

アメリカの最高裁判所と最高裁判事について

最高裁判所といえばその国の司法の最高機関。その最高裁の判決が、社会にとって重要な意味を持っているのは日本だけではありません。アメリカでも人工妊娠中絶や同性婚、銃規制などといった憲法の解釈を変えるような事例に対し、これまで最高裁は重大な判断を下してきました。そしてそれらの判決に対する賛否は、実際にアメリカ社会を大きく二分しており、その点では日本以上に最高裁判所が与える社会への影響力は大きいといえます。

また何よりアメリカの最高裁判所では、国の行方を決める選挙結果を左右する判断が行われることもあります。在籍する判事が「保守派」であるか「リベラル派」であるかによって、選挙結果が変わることもあり、その意味においても最高裁判所判事が誰になるのかというのは、国民にとって非常に大きな意味を持っていると言えるでしょう。

最高裁判事の在任期間は「永久」?

アメリカの最高裁判所(連邦最高裁判所)は、2020年12月現在9名の判事が在籍することになっています。最高裁の判事に欠員が出た場合、アメリカでは大統領が判事を指名し、その後、議会上院の承認を得て決定に至ります。

判事には任期がなく、弾劾裁判を除いては事実上、終身で務めることになっているため、とくに若い判事が新しく選ばれると在任期間が長くなり、いったん決まった体制が長期化する可能性があるとされています。

最高裁判所に関する英語表現

ニュースを読んでいると裁判関係の英語表現に出くわすことが多々あると思います。難しく捉えがちな時事ニュースも、基本的な単語を抑えるだけで感じ方はずいぶん異なるものです。次にそんな裁判関係の英語表現をご紹介したいと思います。

最高裁判所:Supreme Court

His appeal to the Supreme Court was rejected.
(彼の最高裁判所への上告は却下された。)

アメリカでは司法の最高機関は「Supreme Court(最高裁判所・連邦最高裁判所)」と表現されます。ちなみに日本の「最高裁判所」も「Supreme Court (of Japan)」と表現しますよ。

「上告・控訴」は日本語の「アピールする」の元になった「appeal」という単語が使われます。「reject」は「拒否する」という意味ですが、法的な意味では「却下する」と訳すことができます。また、単純に「裁判所」とだけ言いたい場合には「court」と表現しますよ。

裁判官:Justice / Judge

She has been tipped for the Justice of the Supreme Court.
(彼女は最高裁判所の裁判官に任命されると予想されている。)

「裁判官」は主に「Judge」か「Justice」という英単語で訳されます。特にアメリカの場合は、第1審裁判所である地区裁判所(District Court)や郡裁判所(County Court)などの裁判官を「Judge」と呼び、上級審になると裁判官は「Justice」と呼ばれます。

つまり第二審裁判所である控訴裁判所(Appellate Court)や、最高裁判所の裁判官は「Justice」となるわけです。なお例文の「tip」という動詞には「予想する」という意味がありますよ。

SCOTUS:アメリカ合衆国最高裁判所(連邦最高裁)

The SCOTUS is the highest judicial body in the country.
(アメリカ合衆国最高裁判所は、国の司法における最高機関です。)

Twitterなどでもハッシュタグ付きで見られるSCOTUSという言葉は、「Supreme Court of the United States」の略で、アメリカ合衆国最高裁判所の意味。「judicial」は「司法の」、「body」は「組織」という意味がありますよ。

judgment:判決

She received a judgment of being guilty.
(有罪の判決が彼女に下された。)

「judge(判断する)」の名詞形の「judgment(判決)」。本来の形は「judgement」でしたが、「ウェブスターアメリカ英語辞典」が「judgment」とスペルミスしたのをきっかけにこの形が普及しました。どちらでも間違いではありませんが、アメリカでは「e」がない方が一般的です。

「判決」はその他にも「ruling」「verdict」と表現でき、裁判官が下す判決は「ruling」、陪審員(jury)が出す評決は「verdict」と使い分けられるのが一般的です。なお、「guilty」は「有罪の」、「not guilty」で「無罪の」という意味です。

trial:裁判

The case is now on trial
(その件は現在裁判中です。)

「裁判」は「trial」と表現します。「審議」という意味もあり、「on trial」で「裁判中の」「審議中の」という意味。「case」は「訴訟」という意味で、そのほかに「lawsuit(訴訟)」という言葉もよく使われます。

suit:訴訟

He filed a divorce suit.
(彼は離婚訴訟を起こした。)

「suit」には、洋服の「スーツ」という意味とは別に、「訴訟」という意味もあります。海外の法廷ドラマ「SUITS」は、上質のスーツをきた弁護士たちが活躍するあらすじで大変人気ですが、このドラマ名には「スーツ」と「訴訟」の2つの意味がかけられていると考えられるでしょう。なお、「suit」の動詞は「sue(訴える)」で「スー」と発音します。

また、「file」は法律用語では「申し立てをする」という意味で使われます。その他、「litigate」や「go to law」という表現でも「訴訟を起こす」という意味になります。

first instance:第一審

The man won in the first instance.
(男性は第一審では勝訴した。)

「instance」は「事例」「事実」などの意味がありますが、法律用語では、「審議」という意味で使われます。最初の裁判を「first instance(第一審)」、2回目の裁判を「second instance(第二審)」と表現します。また、「first trial」「second trial」と表現することもよくありますよ。

まとめ

アメリカのニュースを見ていると、最高裁の判決などが話題に上がっていることがよくあります。日本語に訳されているものもありますが、Twitterなどで現地のニュースや発言を理解できれば、いまアメリカで何が問題となっているのかがもっとタイムリーにわかりますよね。この記事を参考に、ぜひTwitterなどで検索してみてくださいね。

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