英語の勉強をある程度続けてくると、「ニュースくらいは英語で読めるよ」なんてさらりと言ってみたくなりませんか?新聞のニュース記事では、生きた英語に触れられるだけでなく、読解力が必要とされるので自分の実力を試すのにもうってつけです。
レアジョブ英会話の公式教材「Daily News Article」を題材に、旬な英語ニュースの読み方を解説する連載シリーズ『ニュースな英語』。その第6回は、教育関連の記事をピックアップ。
今回は、長文読解のカギとなる「ディスコースマーカー」に注目しながら、ニュース記事を読み解くヒントをご紹介します。日本の教育と、海外の教育事情は異なるのでしょうか。
(授業中の挙手を学校で禁じる動き)
《今回の記事の大枠》
問題点(第3、4パラグラフ):この動きを疑問視する一部の教師たちの見解。
提案(第5、6パラグラフ):全ての生徒にとって、教室という空間を発言しやすい安心した場所にするべきだ。
まずはリード文をチェック!このニュースは何について書かれている?
(原文)
A secondary school in the United Kingdom now prohibits its students from raising their hands to answer questions in class.(和訳)
イギリスのとある中等学校では、授業中に質問をする際に生徒が手を挙げることを現在禁止している。
「ニュースな英語」の初回でもあったように、ニュース記事の初めのパラグラフにあたるリード文ではその記事のトピックが示されているため、まず読み始めるときに確認することが大切です。
今回は、イギリスのとある中等学校で、授業中の生徒の挙手を禁止しているということがこの記事の話題だということを頭に入れて読み進めます。
・primary school<英>:小学校(<米>elementary school, grade school)
・secondary school<英>:小学校と大学の間の期間の学校(11歳〜16または18歳の間に通う学校)(<米>middle/high school)
【補足ポイント】不定冠詞の「a」に注目
リード文の主語である、”A secondary school”。不定冠詞の「a」が使われていることから、この記事で初めて登場するとある一つの学校ということがわかります。
イギリス中全ての学校なのか、すでに話題に出てきている読者の中で共通認識としてある特定の学校なのかでは全く話が変わってきてしまうので、冠詞には常に気をつけましょう。
リード文の次のパラグラフにキーワードが!
(原文)
Officials at the Samworth Church Academy decided to put an end to this traditional classroom practice because it supposedly does not test nor reinforce the learning of all students. Principal Barry Found explained that the practice gives chance to only a select few because only the same students raise their hands in class.(和訳)
Samworth Church Academyの職員は、学校の授業の中で行われるこの古くからある慣習を廃止するという決定をした。というのも、挙手という行為が、全ての生徒の知識を試すわけでも、強化するわけでもないと考えられているからである。バリー・ファウンド学長は、教室で手を上げるのはいつも同じ生徒になるので、限られた生徒にのみチャンスを与えるものだと説明した。
第2パラグラフの初めの文章に注目してみましょう。”this traditional classroom practice”というのは、リード文で登場した「挙手」のこと。その慣習が廃止されることになったということは、リード文の内容と一致していますね。理由を表す”because”以下で、なぜ授業中の挙手を禁止するのかについて説明しています。
このパラグラフは、リード文の流れをそのまま受けて、内容を補足しているとわかりました。
・officials:職員
・classroom:教室
・principal:校長、学長
((類語))head teacher, headmaster〈米〉〔私立学校の〕校長〈英〉〔小学校や中学校の〕校長
learning “learn”には、「学習する」という意味がありますが、”learning”は動名詞としての「学習すること」の意味のほかに、学習を通して得られる「知識」という意味も持ちます。
英文読解の鍵を握るディスコースマーカーに注目して、文章の流れを把握しよう
(原文)
Found further said that this bold move aims to give all students equal chances to take part in class. However, others view the new policy with skepticism. (中略)A former head teacher from another UK school also said that students should not be hindered from raising their hands because it shows their eagerness in class. He added that, rather than preventing students who wish to participate, teachers should change their methods to encourage all students to be engaged in class.
(和訳)
ファウンド学長はさらに、この思い切った方針は全ての生徒に平等に授業に参加する機会を与えることを目的としていると言う。しかし、この新しい方針を疑問視する教師たちもいる。(中略)イギリス国内の別の学校の元校長もまた、生徒が授業中に手を挙げることを禁じるべきではないと言う。手を挙げることは、授業中に意欲があることを示すからである。さらに、彼は授業に積極的に参加しようとする生徒の妨害をするのではなく、全ての生徒が授業に参加できるように教師が方法を変えるべきだと付け加えた。
第3・第4パラグラフをまとめて見てみましょう。登場する「However」「also」が、「ニュースな英語」の初回でも登場したディスコースマーカーとなります。
ディスコースマーカーとは、論理的な文章がどの方向に進んでいるかを表す目印となる接続詞や副詞などのこと。文章がまっすぐ進むのか(順接)、大きく曲がるのか(逆接)の目印になるので、全体を見渡したときにこれらのワードに注目すると、文章の展開を把握しやすくなります。
「文章の流れが変化しますよ」という目印になる”however”
このパラグラフでまず話題が大きく展開するのは、”However, others view the new policy with skepticism.”の部分。日本語でも、ある主張のあとに「しかし」という接続詞があれば、続く文章は、前の内容に反する内容になるということが分かりますね。とくに注目しておきたいのは、”however”のあとには、筆者の本当に言いたいことが書かれていることが多いということです。
話題が転換した第3パラグラフ。ここでは、生徒の挙手を禁止する動きを疑問視する人がいるということが分かりました。そのまま第4パラグラフを見てみましょう。
「情報を追加しますよ」という目印の”also”
このパラグラフをざっと見たときに、”also”がディスコースマーカーになると気づけたでしょうか?「〜もまた」を意味する”also”が使われているということは、文章の流れはそのままで、前文の内容に情報が追加されていることが分かります。
ここでは、”A former head teacher”「元校長」もまた、挙手を禁止することを疑問視する教師たちと同じ立場を持つと言っています。
挙手を禁じるどころか、生徒全員が平等に授業に参加できるよう教師が方法を変えるべきだというのがここでの主張です。
・take part in/ participate:参加する
・engage in:従事する
【補足ポイント】ディスコースマーカーを覚えよう
・追加のディスコースマーカー例
also/ too/ moreover/ in addition/ further more…
・逆説のディスコースマーカー例
but/ however/ yet/ however/ although/ while…
”however”のあとに隠された主題に注目
(原文)
According to Dr. Kenneth Shore, a psychologist and child education expert, class participation helps teach students how to share their ideas to others. However, one of the main concerns of some teachers is students who are uncomfortable speaking in public.Quiet Revolution, a website established to encourage introverted people, suggested ways to combat troubles with public speaking. Quiet Revolution writer John Spencer, who is also a teacher, said that students who are not comfortable with talking in large groups should be allowed to prepare and rehearse their answers before speaking.(中略)The goal of these methods is to make the classroom a safe space where even the shyest students can feel comfortable in sharing their ideas.
(和訳)
心理学者であり、幼児教育のエキスパートであるケネス・ショアー博士によると、授業への参加は生徒が自分の意見を他の生徒と共有することを学ぶ手助けになると言う。しかし、ある教師たちの間では、人前で話すのが苦手な生徒たちのことが主な懸念事項である。内向的な人のためにつくられた「クワイエット・レボリューション」というウェブサイトでは、パブリックスピーキングにまつわる問題を解決する方法を提案している。「クワイエット・レボリューション」のライターで、教師でもあるジョン・スペンサーは、大人数のグループの前で話すのが苦手な生徒は、回答をクラスの前で発表する前に、事前に準備をして練習することを許されるべきだと言う。(中略)これらの方法の目的は、教室という場所を最も人見知りな生徒でさえも、意見を共有することを容易にできるような安心できる場所にすることである。
第5パラグラフの冒頭では、生徒は授業へ参加することで意見をクラスメイトと共有することを学べるとしています。つまり、第4パラグラフでの生徒全員が授業に参加できるのが理想という主張を引き継いでいますね。
さて、ここで再び逆説のディスコースマーカー”however”に注目しましょう。全員が授業に参加するのが理想としながらも、”however”以下で、人前で話すのが苦手な生徒がいるという問題点が提起されました。これがこのパラグラフでのメイントピックになり、続く最後のパラグラフで解決策が示され、このニュース記事の結論となります。
流れをつかむとニュース記事は読みやすくなる
ニュース記事は、論文と同じように論理的に展開するので、展開を追っていくことが一つのカギとなります。ディスコースマーカーに注目して全体の流れを意識しながら読んでみると、ぐっと読みやすくなったと感じるはずです。
Please SHARE this article.
英語を話せるようになりたいなら
学習のプロにみてもらおう
英語を学んできたのに、いざ話そうとなると全く言葉が出てこない、その原因は圧倒的にアウトプット量が不足していることにあります。
英会話の経験量を増やしたいなら断然オンライン英会話がおすすめ。1日25分だけ英語を話す習慣が鍵を握っています。高いお金を払って海外留学する必要はないのです。
無料登録しておくとお得な情報が届きます
今すぐ無料体験する最適な学習サイクルが
レアジョブ英会話ひとつで完結
レアジョブ英会話なら、英会話レッスンはもちろんのこと、「聞いて話す」発話トレーニング「ソロトレ」や一歩一歩英語力を積み上げられるオリジナル教材など、オンライン英会話市場で長年培ってできたコンテンツを豊富に取り揃えています。(追加料金なし/教材無料)苦手を克服したいなら使うべき選りすぐりのコンテンツです。
利用者インタビュー
無料登録~7日以内なら初月半額
今すぐ無料体験する