日本語で丁寧な言葉を使おうとして、「この言い方は正しかったっけ?」といった不安が頭をよぎったことはありませんか?慣れ親しんだ日本語でさえ、敬語の使い方には迷ってしまいますよね。それが英語だと余計に頭を悩ませてしまう方は多いはず。
今回はいくつかのシチュエーションを想定し、その中で用いられる丁寧な言葉遣いのバリエーションを見ていきます。丁寧さの段階を知ることで、より状況にふさわしい表現を選択できるようになりましょう。
場面 1: 相手の言葉をうまく聞き取れなかった時
あなたが初めて会った相手と英語でコミュニケーションを取る場合、相手の発音や言葉の選び方などにまだ慣れていない段階では、いくら集中していても十分に聞き取るのは難しかったりしませんか?このような時は、相手の話がどんどん分からなくなる前に、一度相手が何を話しているのか確認してみることが重要です。その際のフレーズを丁寧度順に見ていきましょう。
丁寧度 | フレーズ |
---|---|
失礼 | Uh? / Eh?(えっ?) |
カジュアル | What?(なんて?) |
やや丁寧 | Sorry?/ Pardon?/Excuse me?(すみません、なんて言いました?) |
丁寧 | I beg your pardon?(失礼ですが、もう一度言っていただけますか?) |
まず、最も簡単なものとしては、Uh? やEh?があります。が、これらは丁寧ではありませんので、基本的には使うことがないでしょう。次に、What?と聞くこともできます。これは友人同士であれば問題ない表現ですが、ビジネスミーティングなどで会った相手には使わない方がよさそうです。
では、Sorry?やPardon?はどうでしょうか。丁寧度的にはビジネスシーンで用いても問題なさそうですが、I beg your pardon?のように言葉を増やすことによってより丁寧なフレーズを作ることができます。しかし、このフレーズも語気を強めて発音すると「なんですって?」というような怒った調子になってしまうので要注意です。
より丁寧に相手に発言を繰り返してもらうには、次のようなフレーズがオススメです。
丁寧度 | フレーズ |
---|---|
とても丁寧 | Sorry, I didn’t (quite) catch what you said. Could say that again, please? (すみません、よく聞き取れませんでした。もう一度言っていただいてもよろしいでしょうか?) |
【応用編】声が小さい、話すスピードが速い相手に聞き返す方法
先に述べたように、会話の最中に相手の声が小さくて聞き取りづらい場合や、相手の話す速さについていけない場合もあるでしょう。そのような時には、早い段階で相手に要望を伝えておくのが得策です。
丁寧度 | フレーズ |
---|---|
失礼 | I can’t hear you.(聞こえない) |
カジュアル | I couldn’t catch you/what you said.(言ってることがわからなかった。) |
丁寧 | I’m sorry, but could you speak up, please? (申し訳ないのですが、もう少し声のボリュームを上げてもらえますか?) |
丁寧 | I’m sorry, but could you speak a bit more slowly, please? (申し訳ないのですが、もう少しゆっくりとお話いただけますか?) |
さらに、相手が何気なく使った言葉を自分が知らなかった場合もまた、話の展開についていけなくなってしまうでしょう。こうしたことを避けるために、わからない言葉が出た時はすぐに尋ねるのが大切です。Sorry, I don’t know that word. Could you tell me what it means? などと聞けば、相手はその言葉の意味を説明してくれるでしょう。
異なる言語で会話をする際には、相手の話の腰を折るのではないかと気を遣うよりも、相手ときちんとコミュニケーションをとるためにはどうすればいいかという配慮のほうが生産的なのです。
場面 2: 会議で自分の考えを述べる
英語で会議に参加し、そこで発言する際、話す内容を組み立てることに気を取られてしまい、どのような話し方をすれば丁寧になるかということにまで気を配れないということはありませんか?ですが、いくつかのポイントを押さえておけば、会議でもあなたの丁寧さを演出できます。
ここでまず、英語と日本語では丁寧に話す場合の言葉の組み立て方が大きく違うという前提に触れておきましょう。日本語では一つの文章は主語から始まり、動詞で締めくくられるため、「文の後半を丁寧にする」という意識を多くの日本語話者は持っています。
その一方で、英語で話す場合は丁寧語に限らず、語調を整える上で重要なことは文の前半にあります。そのため、丁寧に話そうと思う場合、まず文の始まりの部分に気をつけることが必要です。このルールをまずは頭に置いた上で、具体的に会議で発言する際の丁寧な言い方を見ていきましょう。
丁寧度 | フレーズ |
---|---|
カジュアル | I think that you should put more effort into this project. (あなたはもっとこのプロジェクトのために努力するべきだと思うな。) |
やや丁寧 | It seems to me that you should put more effort into this project. (あなたはもっとこのプロジェクトのために努力するべきだというように私には思えます。) |
ある事柄について自分がどのように考えているのかを発信する際に、多くの人がI think that…という言い回しを一番に思い浮かべるでしょう。もちろん、この表現が間違っているわけではありませんが、会議とは確実な正解がわかっていないトピックについて議論するものである以上、ただ一つの明確な解答を述べることは困難です。
そのため、場合によってはI think that…と話し始めることは、少々直接的すぎて、配慮に欠ける印象を聞き手に抱かせてしまうかもしれません。そこで、It seems to me that… というような「推定」のニュアンスを含んだ言い回しを用いることによって、「〜のように私には思えます」というふうに自分の考えを述べることができます。これと同じような効果を持つ表現としては、I have the impression that … といった言い方もあります。
また、過去記事の中でも触れた通り、英語には「人」よりも「モノ・コト」を主語に据えた方が角の取れた表現になるという性質があります。ですので、that以降のセンテンスについても次のように「You(人)」ではなく「more effort(コト)」を主語にすればより丁寧な表現となるでしょう。
丁寧度 | フレーズ |
---|---|
丁寧 | I have an impression that more effort is required for this project. (このプロジェクトにはさらなる取り組みが必要だという印象を受けます。) |
【応用編】相手の発言にやんわりと反論する方法
会議で話されているトピックに対して自分が納得しているわけではない場合もあるでしょう。そこで相手に反論をする場合はどのように伝えればいいのでしょうか? 以下に一覧化してみました。
丁寧度 | フレーズ |
---|---|
カジュアル | I don’t think so. /I disagree. (そうは思いません。/私は反対です。) |
やや丁寧 | I tend to think otherwise.(私にはそうではないように思えます。) |
とても丁寧 | I wonder if I could say something, but from my point of view, … (どういったらよいかわからないのですが、私の考えでは…) |
I tend to feel that… はあなたがそれほど強い思い入れを持って反論しているわけではないことを示すフレーズです。最後のフレーズに関しては、とても丁寧な表現であることは間違いがないですが、あまりにももったいぶった言い方に聞こえて逆効果な場合もあるかもしれません。
このように、会議ではその場で話し合われている内容と自分の考えとの距離を測り、適切な文頭表現を選べればよいでしょう。ただし、グローバルなビジネスの場では、会議における「配慮」よりも「発言」「参加」を求められることが多いというのもまた事実です。
もしも、丁寧な言葉遣いを意識するあまりゴニョゴニョと言葉を濁すようなことになってしまうのであれば、短く・簡潔なフレーズで自分の意見を述べる方が立派な振る舞いとして評価されるかもしれませんよ!
場面3. 相手のミスや誤解を指摘する
日本語話者同士でも「あれ、ここはこうしてほしかったな」あるいは「ああ、ここがきちんと伝わってなかったな」ということはあるもの。このように職務上どうしても先方のミスや誤解に対してこちらの要望を明らかにしないといけない場面において使える表現を丁寧度順にピックアップしてみました。
丁寧度 | フレーズ |
---|---|
カジュアル | There are some mistakes in your document. (あなたの書類には間違いがあります。) |
カジュアル | You mistook what I said. (あなたは私の行ったことを誤解しています。) |
丁寧 | I am afraid there may be some misunderstanding. (差し出がましいようですが、いくらか誤解があったかもしれません。) |
いきなり相手のミスや誤解を指摘するのは、相手とのその後の良好な関係を考えると避けたほうがいいのはいうまでもありません。そこでI am afraid…という文頭表現を使うことによって、「残念なことを話さなければならない、それを申し訳なく思っている」というニュアンスをあらかじめ伝えることができます。
また、there may be some misunderstandingという表現に関しても、there isとせず、there may beのように「〜かもしれない」という言い方をすることが重要です。相手に逃げ道を用意する言い回しをして相手への配慮を示せるからです。
他にも、丁寧度を増す文頭表現を用いて、次のようにミスへの対応を求めたり誤解を指摘したりすることができます。
丁寧度 | フレーズ |
---|---|
とても丁寧 | I am sorry to bother you, but I found some mistakes in your document. (お手をわずらわせてしまい恐縮ですが、書類にいくつか間違いを見つけました。) |
とても丁寧 | I understand it is not your fault, but there may be some misunderstanding. (あなたの責任ではないことは重々承知ですが、いくらか誤解をされていたようです。) |
ここでは、先述したI am afraid…とI am sorry…との微妙なニュアンスの違いも確認しておきましょう。I am afraidは「自分にはどうしようもない」というニュアンス、I am sorryは「自分の力・責任が関係している」というニュアンスが出ます。この違いを意識して、後続する内容に合わせて使い分けてください。
まとめ
いかがでしたか?今回は、それぞれのシチュエーションごとに、どのように言えばそれほど丁寧ではない言い方を丁寧な言い方にできるのか見ていきました。
海外のフラットな職場では過度なへりくだりやもったいぶった言い回しはかえって嫌味に受け取られてしまう場合もありますが、友人とのふだんの日常会話での言い方とは少し違う表現を身につけておかなくてはいけないのもまた確か。いざという時に今回紹介したフレーズをさらっと口にできるように、声に出して練習してみてくださいね。
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