何が変わるの?「小学校英語」。保護者も子供も不安になる前にしっかりポイントを押さえましょう。

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幼児・子ども向け外国語教室市場規模は、右肩上がりの伸びを見せ続けています。特に首都圏における早期英語教育熱は過熱する一方で、町のいたるところで幼児・子ども向け外国語教室の看板を目にします。最近では、スイミングやサッカーなど人気の習い事をやめてまでも外国語教室へ通い始める幼児・子どもたちの話を耳にするほどです。

流行語大賞にでもなりそうな「小学校英語」ですが、いつ?誰が?どのようにして?影響を受けるのかをしっかり理解していない人も多いようです。今回は変わっていく「小学校英語」についてです。

「小学校英語」いつ、誰に、何が変わるの?

まず、小学校5、6年生のお子様がいるご家庭では「すでに、うちの小学校では英語教育が始まっている」とお考えになるかもしれません。小学校では、英語であいさつしたり、アルファベットを使ってゲームをしたりと、すでに学校教育の中で英語は指導されているようです。

しかし、現在小学校で行われている英語を用いた活動は、厳密に言えば「外国語活動」と言って、教科としての「英語」ではないのです。2011年度より全国の小学校において新学習指導要領が全面実施されたことに伴い、小学校5,6年生では年間で35時間分の「外国語活動」が必修化されました。しかし、「必修」化されただけで「教科」化されたわけではなかったのです。(「必修」化と「教科」化の違いの詳しい解説はこちら

今回話題となっている変化をまとめると、2020年度から小学校5,6年生は今まで必修であった「外国語活動」が教科としての「英語」となり、新たに小学校3,4年生で「外国語活動」が必修となるのです。

保護者の過剰な反応は禁物

「英語」が教科となることにより、小学5,6年生には「教科書」と「成績」が与えられます。これら2つが出てくると、みなさんもお分かりだと思いますが、とにかく学習塾などの受験産業界の動きが激しくなります。「お子様の英語の成績を〇〇点アップ!」という文言をいやでも目にします。さらに低学年層へは「小学校3年生からの英語教育に向けて・・・」とうフレーズが生まれます。小学校入学時にはすでにダイレクトメールがご家庭に届きます。保護者の方としては、お子様の英語の成績も気になるかとは思いますが、過剰な反応は避けるべきです。保護者の過剰な反応は必ず子供へ伝わります。

「小学校英語」は中学・高校での授業のための土台作り

以下は文部科学省が示している、小学校3,4年生に導入される「外国語活動」の要点です。「音声を中心に外国語に慣れ親しませる活動を通じて・・・」「積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成・・・」「コミュニケーション能力の素地を養うこと・・・」。簡単に言えば、外国語に慣れていくことが目標なのです。

小学校5,6年生に導入される教科としての「英語」では、「英語によるコミュニケーション能力の基礎を養うこと」が目標と明記されています。少し難しい話になりますが、文部科学省の有識者会議の中で発表された「グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言」の中でも「小・中・高等学校を通じた一貫した指標の設定」などといった文言が見つかります。

これらはどういうことかというと、小学校における英語教育も、中学高校での英語教育に合わせていくことを目標としているのです。つまり、小学校の時点では英語力をつけて点数を上げたりなどと考えるのではなく、中学高校での英語教育に対応できる力を持つことが大切なのです。

高校での英語の授業は、すでに「英語で授業を行うこと」が基本となっています。10年ほど前までの、先生の話を聞いて全文日本語訳にして、わからない単語は全部調べて・・・、といった内容からコミュニケーション能力を重視した授業に変わってきています。中学校でも同じように「英語で授業を行うことを基本とする」という指導が2020年度から導入されます。

ポイントをまとめると、今回の「小学校英語」改革は、中学校でも授業は英語で行われるようになるので、そのような授業に対応できる力を小学校でつけておこうとすることなのです。小学校5,6年生で英語が教科化され、英語の「成績」がつくのは事実です。そのため、良い成績を取るために英語を勉強しようという風潮も一部ありますが、そういった意識よりも、中学高校で行われ始めたコミュニカティブ重視の授業にうまく入っていける意識がより大切になっているのです。

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