どれだけ英語を勉強しても、自分の発音が相手に伝わらない……。
意外にも、その悩みを解決する鍵は「リズム感」にあります。
この記事では、「単語の強弱」と「センテンスの抑揚」にまつわるルールを解説する【理論編】、実際にラップ調のリズムで発音をトレーニングする【実践編】に分けて、英語の発音のコツを探ります。
【理論編】「発音の強弱」は品詞によって異なる
まずは、こちらの動画をご覧になって、実際に発音してみましょう。
動画をご覧になって、「舌がうまく回らない……」と難しく感じましたか? そうだとしても、誰でも最初から流暢に発音できるはずはありませんし、発音にまつわる基本的なルールを知れば、そんなハードルも一気に解消されたように感じられることでしょう。
実は、英語には「強く発音する単語(強形発音)」、「弱く発音する単語(弱形発音)」があります。ここで、「強く発音する」というのは、具体的に言えば「子音・母音ともにハッキリと発音する」ことだとイメージしてください。反対に、「弱く発音する」とは、「力を入れず、小さく・短く発音する」ということです。
そして、ここからが肝心なポイントですが、英語では、どの単語が「強形発音」になり、どの単語が「弱形発音」になるかは、“品詞”によって決まっているのです。この品詞による区別がつけば、文字列を目にした瞬間に、それをどういう強弱・抑揚で読めばいいかが自ずとつかめるはずです。
それでは、ここからは強形発音になる品詞と、弱形発音になる品詞の違いを具体的に見ていくことにしましょう。
強形発音する「内容語」とは?
強形発音になる品詞にはどのようなものがあるのでしょうか? その代表格には、以下のようなものがあります。
「動詞」(eat, look, go…)
「形容詞」(beautiful, red, big…)
「副詞」(well, out, however…)
これらの品詞は、「内容語」と呼ばれます。どれもセンテンスの意味内容を決める基本要素であり、それだけに強く発音するのです。
他にも、「数詞」(one, ten, million…)や「指示代名詞」(this, that, these…)、「疑問詞」(what, where, how…)などの品詞が内容語に該当しますので、あわせて覚えておいてくださいね。
弱形発音する「機能語」とは?
さて、「内容語」とは異なり、原則的に小さく・短く発音される品詞のことを「機能語」と呼びますが、それには次のような品詞が含まれます。
「接続詞」(because, and, but…)
「助動詞」(can, might, will…)
「冠詞」(a, the…)
どれもそれだけで意味を決定するというより、他の言葉とともに使われることで機能する言葉ですよね。
ちなみに、先ほど「名詞」「動詞」は強形発音であると述べましたが、「you」「she」「it」などの「代名詞」、そして「is」「are」「am」などの「be動詞」は弱形発音なので注意が必要です。
(補足)「子音+母音」の連続はリエゾンすることも!
ネイティヴの発音では、単語の末尾にある子音が次の単語の母音とつながり、くっつくことによって、いわゆる「リエゾン」と呼ばれる状態になることがあります(極端な例を用いれば「お願いします!」が「おなしゃす!」になるイメージと言えばいいでしょうか。)
ここで、ラッパーがよく口にする「Check it out yo!」(チェックしとけ!)という定番フレーズを取り上げてみましょう。下の図では、強形発音をする単語を赤字で表し、リエゾンの生じる部分に下線を引いています。
ここでも、「Check」は動詞、「out」は副詞であるため強形発音、「it」は代名詞であるため弱形発音、とセンテンスを品詞に分解して読みあげてみましょう。そうすれば、このフレーズが「チェック・イット・アウト・ヨー」と平坦な抑揚になるのではなく、「チェケラッチョ」とリエゾンした発音になる理由がお分かりいただけると思います。
以上の発音の基本的なルールを知り、それを練習することで、あなたの英語は「伝わる発音」で英語にグッと近づくはずですよ!
【実践編】ラップにチャレンジしてみよう
さて、ここからが実践編! 発音の基本ルールを思い出しだながら、冒頭の動画をもう一度振り返ってみましょう。
ここでのコツは、無理に「ラップ」しようとするのではなく、発音ルールに従ってセンテンスの抑揚を整えるということです。
以下では、先ほどと同じく内容語(強形発音)を赤字、機能語(弱形発音)で示し、リエゾンする部分に下線を引くことによって、より詳細に歌詞(リリック)の発音を分析していきます。
まずは最初の2行から。抑揚を整えるためにも、「to」は小さく「タ」、「the」は小さく「ダ」と読み、「rap and see」はリエゾンを効かせて「ラッパン・シー」と読むなどの工夫をしましょう。
特に、2文目の「Learn to rap and see the world」に関しては、ちょうど発音の強弱が「オモテ・ウラ」のリズムになっていますので、言葉の並び通りにリズムを整えるだけで、自ずとラップのような抑揚になるはずです。
この箇所でまず注意が必要なのは、「words go by」の「by」は目的語を取っている前置詞ではなく、「過ぎて」という意味の副詞であるため強形発音するということです。
さらにこの2文では、文末の「blink」と「think」が韻(rhyme)を踏んでいます。「L」と「TH」の発音に気をつけながら、タイミングを合わせてくださいね。
いよいよ最後!「Let out a yell」(レッタゥタ・ィエル!)「rap it well」(ラッピッ・ウェル!)と、韻を綺麗に揃えたら、「きまった!」とガッツポーズできること間違いなしです。
おわりに
いかがでしたか? ラップを通じて発音のコツはつかめたでしょうか?
大切なのは、発音の規則に従って、英語のリズム感を体に落とし込んだら、それを堂々と実践してみること。
ラップが英語の発音トレーニングに向いている最大の理由は、この「堂々と発音する」というアティテュードの部分にあるのです。
皆さんも、英語のリズム感を身につけて、自信を持って英語を発音してみてくださいね!
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