TOEICで求められる「速読力」を身につけるには「速読」ではなく「精読」が大切

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昨年5月のTOEIC改訂から、受験者の間では「リーディングの時間が足りなくなった」という声が非常によく聞こえてきます。私もこの件について、多くの指導者や学習者と情報交換していますが、900点台の人でも時間切れになる人が大半です。TOEIC900点台というのは全受験者の2~3%ですから、リーディング問題を時間内に解き終えることのできている受験者は1%にも満たないのではないでしょうか。

ますます長文化するTOEICパート7読解問題ですが、わたしは「速読力」をつけるには「速読」ではなく「精読」することが一番の近道だと思います。

「速読力」をつけるためにあえて「精読」してみる

書店では「速読力」をつけるための教材なども多く市販されていますが、私はあまりお勧めしません。ざっと読んで大まかな情報をつかむ能力はアップするでしょうが、TOEICのような試験では、しっかりとした内容理解が求められるからです。

「速読力」をつけるためには、じっくりと「精読」することが大切です。「速読力」をつけるために、スピードをつけて先へ先へと読み進めていく学習者の方も多くいるようですが、それはテスト本番で行うことです。日常の英語学習においては、一語一語しっかりとその意味・用法などを把握して「精読」していくべきなのです。こうすることによって、しっかりとした内容理解を伴った「速読力」を手に入れることができるのです。

「精読」するとはどういうことなのか?

「精読」するとはどういうことなのか一例をあげます。

This medicine has been considered effective in the treatment of cancer.
※medicine「薬」、consider「考える」、effective「効果的な」、treatment「治療」、 cancer「癌」

この英文を読むときに、※で示された単語の意味が分かれば、文章全体の意味はつかめるでしょう。単語をつなげれば意味は把握できるわけです。つまり「この薬は癌の治療に効果的」という内容が理解できるわけです。「速読」とはこのような認識を繰り返して文章を読み進めていくことです。

一方「精読」では、文意の理解にはそれほど重要ではないと思われる細部にもあえてこだわり、文構造などもしっかり把握して読み進めていきます。

先ほどの文章(This medicine has been considered effective in the treatment of cancer.)であれば、

・considerがhas been consideredという形になっているのは、has+been(過去分詞)の「現在完了形(~してきた)」とbeen(be動詞)+considered(過去分詞)の「受動態(~される)」が合わさった形を作っている。つまり、consider A B 「AをBだと考える」の「現在完了形」と「受動態」が重なり合った形なので「AはBだと考えられてきた」。
・effectiveという形容詞はinという前置詞をうしろにつけて「~に効果的」になる。
・「病気の治療」という場合にはtreatment of~(病気)という形で表現される。

といったことを考えながら読んでいくのです。

「精読」することで、「語彙力」が上がり「速読力」がUPする

「語彙力」とはどれだけ言葉を知っているか、使えるかといった指標です。日常の学習で「精読」することにより、「語彙力」が上がります。

先ほどの例ではconsider は後ろにA Bという2つのカタマリをとり、「AをBだと考える」。また、effectiveという形容詞はinという前置詞がうしろにつきやすい。などといったものが「語彙力」です。じっくり「精読」しなければこのような知識は身につきません。

「精読」して「語彙力」を高めておくと、一つ一つの単語として認識していたものが、いくつかの単語が結びついた一つのカタマリとしてとらえることができるようになります。例えば先ほどの文章であれば、This medicine / has been considered / effective in / the treatment of cancer. といったように、スラッシュごとのカタマリとして英語を認識できるようになるのです。

こうすることにより、一語一語読んでいたものが、カタマリごとに読むことができるようになり、「速読力」が上がっていくのです。

日常の英語学習においてしっかりと「精読」することによって「速読力」をあげていきましょう。遠回りのようですが、これが「速読力」をあげる唯一の方法なのです。

拙著「TOEICテストに必要な文法・単語・熟語が同時に身につく本」(かんき出版)が2月22日に発売されます。速読力の基礎となる「語彙力」を高めるためにも、ぜひお使いいただければと思います。
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「TOEICテストに必要な文法・単語・熟語が同時に身につく本」

・著者:澤 泰人, 西田 大
・発売日:2017/2/22
・出版社:かんき出版

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